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消費者物価指数とは?計算方法は?推移や株価への影響、見通しは?

この記事の結論は「消費者物価指数は日銀の金融政策運営における重要指標。景気動向を示す指標であるため、投資家の関心事も高い」です。日銀は、年4回の頻度で、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を発表していますが、その背景には、消費者物価指数の調査が有ります。この記事では、消費者物価指数の意味、計算方法、近年の推移、株価への影響、日銀の見解、今後の見通しについてまとめました。

 

消費者物価指数とは?

消費者物価指数

消費者物価指数とは、個々の商品の価格変動を統合した指数です。総務省統計局が毎月発表する「小売物価統計調査」に基づいて毎月作成されます。消費者物価指数の英語である「Consumer Price Index」の略としてCPIと略される場合もあります。

私たちの生活を取り巻く商品の値段は日々変動します。例えば

豚肉100g:230円
キャベツ1kg:150円

といった商品の価格は、日によって高くなったり安くなったりします。平均的な商品の価格変化や物価の動きを確認するために、数多くの商品の価格変化を統合した結果が、消費者物価指数です。

消費者物価指数には、全国と東京都区部の2種類があります。また、すべての商品を統合した「総合指数」の他に、価格変動の多い生鮮食品を除いた500品目以上の値段を集計した「生鮮食品を除く総合指数」が主な消費者物価指数として取り扱われています。

 

消費者物価指数の計算方法は?

消費者物価指数

消費者物価指数の計算方法は、家計で必要な商品を大きな買い物かごに入れて想像するとわかりやすいです。

基準となる年の家計で購入した様々な商品を大きな買い物かごに入れた状態を考えます。その買い物かごと同じ商品をその年に買い揃えるのに必要なお金が、前年同期に比べてどれくらい変動しているかを指数で表現したものが消費者物価指数です。

現在、消費者物価指数の基準時は2010年の1年間の月平均と定義されています。例えばこの年に、月に必要な商品の購入に30万円のお金がかかったとします。翌年2011年のある月に同じ商品の購入に31万円かかった場合、前年に比べて1万円物価が上昇しているといえます。

この値動きを指数化すると、2010年の30万円を基準値100とすると、2011年の当該月の31万円は、比例計算で103.3となります。これが、2010年を基準とした2011年当該月の消費者物価指数です。

 

消費者物価指数の推移は?

全国消費者物価指数

2010年の全国消費者物価指数を基準値100とした場合、2016年の全国消費者物価指数はおよそ103なっています。概ね上昇傾向です。2014年の急上昇の背景には、消費税率の引き上げが有ります。消費者物価指数は消費税を含めた消費者が支払う価格にもとづいて作成されていることが理由です。

2014年以降の消費者物価指数は、概ね横ばいを維持しています。生鮮食品の価格が上昇傾向にあるものの、原油価格下落を受けた電気ガス代といったエネルギー費用が下落していることが背景に有ります。

 

消費者物価指数、株価への影響は?

消費者物価指数

消費者物価指数は、投資家の関心が高い経済指標です。価格の変動は消費者の購買力に影響を与えるためです。また、消費者物価指数の動向にもとづいて、様々な金融政策や企業の価格戦略がとられることも理由に挙げられます。

消費者物価指数が上昇傾向にある場合、企業の売上が上昇し、労働者の賃金も上がると考えられます。逆に消費者物価指数が下降傾向にある場合、企業の売上が減少し、労働者の賃金も下がると考えられています。

消費者物価指数が下落しているデフレ状態は、企業の収益も悪化するという理由から経済を低迷させる要因と捉えられます。そのため、株価も下落傾向に傾くことになります。

 

消費者物価指数、日銀の見解は?

消費者物価指数

日本銀行は「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」という役割を司っています。同銀行は「物価の安定」の目標を消費者物価指数の前年比2%上昇と定義しています。金利引き下げの余地を持つことで、景気悪化時の景気刺激が行いやすいという考え方が背景にあるためです。

単純化して考えた場合、景気に対する中立的な金利水準は、経済が持つ潜在的な成長率と、平均的な物価上昇率の合計によって決まります。潜在成長率が1%、物価上昇率が2%であった場合、景気に対して中立的な金利水準は3%です。潜在成長率が1%、物価上昇率が0%の場合、中立的な金利水準が1%となるため、金利引き下げの余地が少ないのです。

日銀は「安定的な物価2%上昇」があれば、1995年ごろから続いてきた日本経済のデフレをより早期に脱却させることができたと考えています。また、先進国日本が陥った長年のデフレの教訓に習い、海外の中央銀行の多くが「物価上昇率2%を確保する」という考え方に基づいて政策運営を行っています。

 

消費者物価指数、今後の見通しは?

消費者物価指数

日本銀行は、年4回の「政策委員会・金融政策決定会合」において、先行きの経済・物価の見通しや上振れ・下振れ要因を詳しく調査し「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を発表しています。

2016年7月の展望レポートによると、日銀は2016年度の経済成長率と消費者物価指数の見通しを下方修正しています。当面の間、消費者物価指数(生鮮食品を除く)の前年比は少額のマイナスないしは0%程度で推移するというのが日銀の見解です。エネルギー価格下落の影響がその理由です。

2%の物価安定目標の達成は、2017年度中と据え置いています。日銀は、原油価格が現状程度の水準からゆるやかに上昇していくとの前提から、2%に向けて物価も上昇率を高めていくと表明しています。ただ、先行きの海外経済に関する不透明感から不確実性が大きいとも見ているのが実体です。

出典:総務省統計局 消費者物価指数のしくみと見方 -平成22基準消費者物価指数- 出典:日銀 経済・物価情勢の展望(2016 年7月)

 

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