中国の歴史、人口、宗教、GDP、平均年収は?

この記事の結論は「中国は4000年以上の歴史を持つ国、人口世界第1位でGDP世界第2位だが、1人あたりGDPと平均年収は低い」です。近年日本を抜いて世界第2位の経済規模となった中国ですが、経済成長は失速気味です。この記事では、中国の歴史や人口、宗教、GDP、平均年収についてまとめました。

中国の歴史は?

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古代中国の黄河文明は四大文明の1つされ、紀元前2000年ごろ成立しました。諸国が争った春秋戦国時代を過ぎると、秦の始皇帝が中国一帯を統一します。兵馬俑など現在にも残る遺跡を作りました。

春秋戦国時代は、人気マンガ「キングダム」の舞台となっている時代です。キングダムに登場する秦の国王「政」は、中華統一後に始皇帝になったとされています。

その後の三国時代には、魏の曹操、呉の孫権、蜀の劉備などが再び統一のために争いました。魏の司馬炎が統一しますが、異民族の侵入によって滅ぼされ、中国は分裂します。五胡十六国時代、南北朝時代を経て、隋が統一を果たしました。この頃から日本との交易が本格的に始まります。

ただその後の唐の時代には、黄巣の乱と呼ばれる農民反乱によって五代十国時代に入ります。これを統一したのが宋でした。宋の時代には朱子学が成立します。

この頃モンゴルの勢力が強まります。チンギス・ハーンがモンゴルを統一してモンゴル帝国を築くと、フビライ・ハーンが中国を支配下に置きます。中国はモンゴル支配によりとなりました。庶民の生活が困窮すると、朱元璋が反乱を起こし、洪武帝として即位し、明を興します。

明が滅亡すると、清が興ります。康煕帝、雍正帝、乾隆帝という3人の賢帝のもとで中国は発展しました。1911年に辛亥革命が起こると、長い中国の歴史の最後の皇帝といわれる愛新覚羅溥儀が退位し、清が滅亡するとともに袁世凱を大統領とする中華民国が誕生しました。

日本が軍事主義になると、中国東北部を占領して満州国を作ります。第2次世界対戦が勃発すると、中国は日本との日中戦争で日本と戦います。日本が敗戦すると、これまで列強諸国から植民地扱いされていた中国に独立の兆しが見えます。

戦後、中国国民党が治めた中国では、毛沢東が率いた「中国共産党」と蒋介石が率いた「中国国民党」が覇権を争っていました。共産党が率いる「中国人民解放軍」はソビエトの支援を受けて、アメリカからの支援を絶たれた国民党の「中華民国国軍」に勝利しました。

1949年、中国共産党は国民党が統治していた中華民国を制圧し、中華人民共和国を建国しました。中国国民党と中国共産党の間で起こった戦争を「国共内戦」といいます。中国大陸を追われた中華民国の政府は、当時日本の統治下にあった台湾に政府機能を移しました。

毛沢東は1949年の中華人民共和国の樹立以来「毛沢東思想」という自身の思想に基づいて中華人民共和国を治めようとしました。マルクス・レーニン主義を中国という地域に適用させようとして生まれた思想です。毛沢東思想の中の「新民主主義」では一党独裁を否定していますが、結果として中華人民共和国は中国共産党による一党独裁体制となりました。

毛沢東が唱えた理想は後の中国で実現できなかったものが多々あります。また、明らかな曲解と拡大解釈に歪められ、政治を正当化するために使われた思想です。毛沢東の個人崇拝のためにも利用されました。

毛沢東は政策の失敗から政治の一線から退いていましたが、「文化大革命」と呼ばれる活動を起こしたことで社会的な騒乱を引き起こします。この騒乱により、中国は多大なダメージを受け、国力は疲弊しました。

毛沢東の後継者、華国鋒は文化大革命の収拾に努めましたが、鄧小平に実権を奪われて失脚しました。以後は鄧小平政権が社会主義経済の中に資本主義を取り入れるなど、現代の中華人民共和国に繋がる政治を行いました。

鄧小平は、対日政策においては中曽根内閣を警戒して反日・愛国主義教育を推進するように指示を出しました。そのため、それ以後の中華人民共和国では「南京大虐殺記念館」が設立されるなど、反日教育が進められました。結果的に鄧小平の指示は現代にまで禍根を残すことになりました。

 

中国の人口は?

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IMF「World Economic Outlook Databases」によると、2015年の中国の人口は約13億7462万人と推計されています。世界第1位です。統計から外れた潜在的な人口も含めると15億人が暮らしているといわれています。

WHO「World Health Statistics 2015(世界保健統計2015)」によると、2013年の世界の総人口は約71億人です。世界の人口の約19%は中国が占めています。

中国では1949年の建国以降、人口の急速な増加により将来的に食料や資源が過剰に失われることが危惧されました。増え続ける人口を調整する必要に迫られた中国政府は、1983年から「一人っ子政策」を中心とする計画生育政策を実施してきました。一人っ子政策の全面実施から約30年が経過し、近年では政策の見直しが図られています。一人っ子政策の実施以降、出生率は持続的に減少し続け、2012年には1.21になりました。

2013年11月11日に中国政府は一人っ子政策実施の結果について言及し、人口はおよそ4億人余りが抑制され、資源環境への負荷を緩和することに成功したと伝えました。一方で人口構造のアンバランス化が問題になっています。日本でも高齢化が問題になっていますが、中国でも高齢社会になることが懸念されています。

中国の高齢化率は、1982年から2012年の間に約4.91%から約9.39%に倍増しました。30年間で約4.48%増加しています。特に、2001年からは急激に上昇しています。国連の人口予測によれば、2025年には中国の高齢化率は約14%にまで上昇し、高齢社会を迎えると予想されてます。

人口構造のアンバランス化によって問題化するのは、高齢化だけではありません。2013年1月の国家統計局の発表によると、生産人口の中心となる15歳から60歳までの労働者人口が2011年から2012年の1年間で約345万人減少しています。労働人口の大幅な減少が今後中国経済に与える影響として「世界の工場」として大量生産してきた製造業への影響が懸念されています。

人口総数のコントロールが経済発展に有利という考えが時代にそぐわないものになってきているため、現在中国では一人っ子政策の緩和が段階的に進められています。ただ緩和によって出生率が急激に増加することはないと考えられています。「多子多福」という子供が多いほど老後は安泰であるという中国の伝統的な考え方が変わってきていることが理由としてあげられています。

加えて、教育インフラがある程度整い、子育てにかかる費用も日本同様に高くなってきています。中国政府の規制がなくとも習慣的に一人っ子が一般化しているため、緩和によってごく限定的に出生率が上がることがあっても、いずれ労働力不足が問題化するといわれています。

 

中国の宗教は?

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中国の思想は「諸子百家」といわれ、歴史上様々な思想が入り乱れて存在していました。

  • 儒教
  • 道教
  • 仏教
  • 民間信仰

その中でも上記した4つの思想は、規模が大きく文化的に重要です。

 

儒教

儒教は宗教ではありません。国を治める専制君主が修めるべき道徳と教養について書かれたものであり、「科挙」の必須科目でした。儒教は中国の現世的な社会通念を作った思想です。日本に輸入され、戦国武将や多くの思想家に影響を与えました。

宋代の儒学者で儒教の中興の祖である朱熹は後に朱子学と呼ばれる思想を生み出しました。それまで矛盾を含んでいた儒教の考え方を仏教的な論理性でまとめ、禅宗の坐禅とは違った「静座」と呼ばれる行法を考案しました。この朱子学は日本に伝来し、徳川幕府が特に奨励した学問です。江戸時代の武士が特に重要視した学問でした。

さらに幕末には大塩平八郎や吉田松陰が理念とした実践を中心にした儒学、「陽明学」が流行しました。陽明学は、朱子学を批判的に継承した儒学者王陽明によって主張された「知行一致」を旨とする儒学の一派です。吉田松陰の教え子の中から明治の政治家が育っていったことを考えれば、儒学と日本の政治史は切り離せない関係にあるといえます。

 

道教

儒教が政治を主題に置いているのに対して、道教は中国の哲学と信仰の両側面をもつ思想です。道教は荘周による説話の中で「現実に相対しているように見えるものはすべて人間の錯覚に過ぎない」としています。人間の限りある認識力の中でいかに厳密に是非を考えても仕方がないので、善悪や美醜といった概念や目的意識にとらわれない自由な生き方を目指すという哲学です。

道教では他に「足ることを知る者は富む」という言葉もあり、日本人の考え方の一部として現代の日本人に共感されるところも多いです。思想的な部分以外では、仙人が願いを叶えてくれるという信仰的な側面もあります。道教の導師は不老不死の仙人を目指して修行しています。

 

仏教

インドから中国へ伝わった仏教は、中国的な形へ変わっていきます。インドのサンスクリット語やパーリ語で伝えられていた仏教が中国語に翻訳され、現代でみられるような漢文の経典がまとめられました。

日本の遣唐使が渡った時代に「天台宗」「真言宗」「禅宗」などの宗派が中国で流行していました。中国の師に学んでその教えを日本に持ち帰った僧たちによって、現代の日本に繋がる仏教の基礎が築かれました。

 

民間信仰

中国の民間信仰では、時代に淘汰された思想や文化が入り混じっています。様々な占い、祈祷、呪術などがあります。三国志で有名な関羽も民間信仰では商売の神様として祀られており、巨大な石像が造られています。

 

中国のGDPは?

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IMF「World Economic Outlook Database」によると、2015年の中国の名目GDPは約10兆9828億ドルで、世界第2位です。

2005年の中国のGDPは2兆2915億ドルでした。10年間でおよそ5倍になっています。中国では2006年から2014年まで毎年1兆ドル前後GDPが増加しています。

同資料によると、2015年の名目GDPにおける世界トップ5は次の表の通りです。

順位 国名 名目GDP
1位 アメリカ 17兆9470億ドル
2位 中国 10兆9828億ドル
3位 日本 4兆1232億ドル
4位 ドイツ 3兆3576億ドル
5位 イギリス 2兆8493億ドル

 

1人あたりGDPは?

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IMF「World Economic Outlook Database」によると、2015年の中国の1人あたりGDPは約7990ドルで、世界第75位です。中国は人口が多いためにGDPの総額は世界トップクラスですが、1人あたりで換算するとアジア第10位となります。

2015年の1人あたりGDPのアジアランキングは以下の表の通りです。

順位 国名 1人あたりGDP
1位 マカオ 6万9309ドル
2位 シンガポール 5万2887ドル
3位 香港 4万2390ドル
4位 日本 3万2486ドル
5位 ブルネイ 2万8237ドル

 

中国の平均年収は?

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中国は貧富の格差が激しいため、都市によって平均年収に開きがあります。中国新聞網によると、2014年の中国の民間企業の都市別平均年収ランキング上位は以下の表の通りです(2014年末のレート「1人民元=約19.3円」で換算)。

順位 都市 平均年収
1位 北京 5万2902人民元(102万1009円)
2位 広東 4万1295人民元(79万6994円)
3位 重慶 4万139人民元(77万4683円)

中国の平均年収は3万6390人民元です。2014年末の変換レート「1人民元=約0.15ドル」で換算すると、中国の平均年収は約5459ドルとなります。2014年の平均レートである「1ドル=約106円」で日本円換算すると約57万8601円です。

国税庁「平成26年民間給与実態統計調査結果」によると、2014年の日本の平均年収は415万円です。またアメリカ(約675万円)やオランダ(約578万円)、ドイツ(約546万円)といった先進国の多くは、平均年収が500万円を超えています。中国の平均年収は先進国に大きく差をつけられています。

中国都市部で物価が急激に上がっており、年収4万2000人民元ないと満足な生活ができないといわれています。ただ現実には格差が生じているため、すべての労働者が年収4万2000元を稼ぐのは厳しい状況です。都市部で稼ぎたくても都市で生活するほど稼ぐことができないというのが現実となっています。出稼ぎ労働者が減っていることも物価の上昇の原因です。

貧しさの過酷さは農村部で特に顕著だといわれていますが、少数民族となると漢民族とは言語が異なるために搾取をされてしまうことも多いといわれています。

 

中国の経済動向に世界が注目

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現在中国は人口世界第1位、GDP世界第2位という経済大国になりました。中国の不況が世界経済に影響を与えるほどの規模です。ただ近年経済成長は失速気味で、以前ほど大きな成長は見られなくなっています。

一人っ子政策の影響で出生率が低く、高齢社会への推移が予想される中国では、今後経済が大きく成長する見込みは立っていません。影響力が強い中国での今後の政策に世界中が注目しています。

 

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