Brexitとは?意味や読み方は?イギリスがEUを離脱するメリット、デメリットとは?

BrexitはBritainとExitを合わせた造語で、イギリスのEU離脱問題のこと。シニア世代に離脱派が多く、若年層に反対派が多い。キャメロン首相も反対派。イギリスでは2016年6月23日にEU離脱を問う国民投票が行われた結果EU離脱が決定しました。その背景には何があるのでしょうか。アメリカ大統領選でドメスティックな思考のトランプが勝利したこととも無関係とはいいきれません。この記事では、Brexitの意味、EU離脱問題の発端、離脱のメリットやデメリットについてまとめました。

Brexitとは?

Brexit,EU離脱

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「Brexit(ブレグジット)」とは

  • 「Britain(イギリス)」
  • 「Exit(立ち去る)」

を組み合わせた造語です。

イギリスのEU離脱問題のことを意味します。

イギリスでは2016年6月23日にEUからの離脱を問う国民投票が行われ、離脱派多数でイギリスはEUから離脱することになりました。

イギリスの選挙管理委員会は登録有権者数が約4649万人となり、過去最高になったと発表しました。

IMF「World Economic Outlook Databases」によると、2015年のイギリスの人口は約6510万人です。イギリスの人口の約70%の人が今回の選挙に有権者登録したことになります。

イギリスの選挙は日本とは異なり、有権者登録をしなければ成人していても選挙権はありません。

イギリスでは今回の国民投票に約70%の人が「投票の意思表示」をし、結果、約72.2%の人が投票しました。

「Brexit」への関心の高さがうかがえますね。

 

イギリスのEU離脱問題が起こった理由は?

Brexit,EU離脱
イギリスがヨーロッパのコミュニティからの離脱を問う国民投票を行うのは今回が初めてではありません。

EEC脱退問題

1975年、イギリスでは当時所属していたEUの前身であるEEC(欧州経済共同体)からの離脱を問う国民投票が行われました。

この国民投票は、1973年に発生した第四次中東戦争にともなうオイルショックによるイギリス経済の悪化が原因です。このときの国民投票では残留派が約67%を占め、離脱には至りませんでした。

ギリシャ危機

今回の「Brexit」の発端は、2009年10月に始まるギリシャ危機です。

ギリシャ危機によってEU内で財力のある国とヨーロッパ主要国と、それらより後にEUに加盟した東ヨーロッパを中心とする財政力のない国との地域間格差が拡大しました。

この格差が原因でEU内では、「豊かな国が貧しい国を助ける」という構図になってしまったのです。この構図により「貧しい国を助ける立場となった」イギリスでは、EU離脱の気運が高まります。

移民

加えて、2015年に中東の治安悪化にともなう移民の流入が離脱派を勢いづかせました。

離脱派は移民が雇用を奪っていると主張し、EUを離脱することで貧しい国に左右されず、移民に怯えることなく暮らせると主張しています。

このような国民の声に対してキャメロン首相は、2015年に首相に再選した際、公約として2017年までにEU離脱を問う国民投票を行うことを約束していました。

この約束により、今回の国民投票が行われる運びとなったのです。

 

イギリスのEU離脱のメリットは?

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離脱派は、EUから離脱することで移民による問題を解決できると主張しています。移民による問題は大きく3つあるとしています。

イギリスのEU離脱の3つのメリット

  • 移民に雇用を奪われている状況
  • テロの脅威
  • EUのルールに従うことによるイギリスの自由度の喪失

EUから離脱することで移民を受け入れる必要はなくなります。イギリス国内に移民が流入しなくなれば、すべての問題が解決できるというのが離脱派の主張です。

またEUから離脱することでイギリスのプライドを取り戻せるという考えも根強くあります。

大英帝国

イギリスは大航海時代「7つの海を支配した国」「太陽の沈まぬ帝国」と呼ばれ、隆盛を極めていました。

当時イギリスは大英帝国と呼ばれ、海外に多くの領土を持っていました。またイギリスが作った世界基準も数多くあります。

旧グリニッジ天文台を基準とする世界標準時刻や政治システム、現行の法制度などはすべてイギリスから世界に広がりました。

国名に「Great」がはいっているのも世界でイギリスだけです。イギリスにはこのような歴史から、他国に対する優越感があるといわれています。

ただ現在、EUの中心となっているのはフランスやドイツです。

イギリスはEUができた当初は加盟していなかったため、中心的な存在にはなりきれていません。

EUから離脱することでこのような状況を変えることができ、イギリスのプライドを取り戻せると離脱派は考えているのです。

 

イギリスのEU離脱のデメリットは?

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キャメロン首相はEU残留派です。キャメロン首相含む残留派によるEU離脱のデメリットに関する主張は大きく3つあります。

イギリスのEU離脱の3つのデメリット

  • 雇用・企業が混乱する
  • 移動が困難になる
  • EU市場に参入しにくくなる

EUから離脱することで、移民だけでなく他のヨーロッパ地域からの移り住んでくることも難しくなります。

EU離脱にともなって上記のようなデメリットが発生し、イギリスの経済規模が縮小するというのが残留派の主張です。

イギリスの輸出額の約50%はEUが購入しています。EU市場に参入できなければ、イギリス経済だけでなく安全保障の面でも影響が出るとされています。

実際にイギリス経済は混乱し始めており、イギリス国債やイギリスの通貨であるポンドは下落しつつあります。伴って、ユーロも価値を下げています。

イギリスのEU離脱は、1つの国の問題にとどまらず欧州全体を巻き込み、世界経済全体の混乱に繋がる可能性があるのです。

 

イギリスのEU離脱、年代によって意見が違う?

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イギリスでは、年代が高い人ほど離脱派が多く、若年層ほど残留派が多い傾向にあります。

情報サイト「BLOGOS」によると、「Ipsos Mori」の世論調査(2016年3月末の電話調査)では年代別の賛否は以下の表のとおりです。

年代  離脱派 残留派
18〜24歳 26% 74%
25〜34歳 44% 56%
35〜44歳 59% 41%
45〜54歳 70% 30%
55〜64歳 68% 32%
65歳〜 67% 33%

1975年の国民投票やEEC加盟前のイギリスを知っている年代が高い層、離脱派に賛成する傾向が強いと考えられています。

20代を中心とする若年層はイギリスがEUに属している状態しか知らない人も多いです。この差がEU離脱に関する意見の相違につながっているといわれています。

イギリスの有権者登録はインターネットでも行うことができます。今回の国民投票では有権者登録は6月7日まででした。

海外情報サイト「DIGIMA NEWS」によると、6月7日の直前1週間に有権者登録をした人は100万人を超えており、駆け込みで登録した人が多かったことがわかります。

6月7日に登録を完了した人の半数以上が32歳以下の層で、特に25歳以下が13万2,000人と、若い層ほど駆け込みで登録しています。

ちなみに登録最終日にアクセスが集中したため、登録サイトのサーバーがダウンしてしまいました。選挙管理委員会は期限延長を政府に要請し、政府は登録期間を9日まで延長することを決めました。

延長された2日間にも若年層がインターネットで有権者登録をしたといわれています。若年層は残留派が多い傾向にあるため、若者の投票率が高ければ残留派が優位という予想がされていました。

 

他国に飛び火する可能性がある

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イギリスのEU離脱問題はEU内の他の国にも影響をあたえる可能性があります。

フランスやイタリア、オランダ、デンマークといった国はEU内でも離脱派が多いとされており、もしイギリスが離脱すればこれらの国に論争が飛び火するといわれています。

EUに所属していて離脱した国はこれまで1つもありません。何が起こるか予測できないため、Brexitに対する不安が広がっているのです。

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