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2016.6.16
2016.6.16
1513年にポルトガル人が海路で中国に到達すると、マカオでの居住権を獲得します。マカオは中国や日本とヨーロッパとの中継貿易港やキリスト教布教活動の拠点として発展しました。
1887年にポルトガルと清朝との間で「友好通商条約」が締結されると、マカオの支配権はポルトガルに移ります。ただここでポルトガルが獲得したのは支配権のみであり、主権は清朝のままでした。
第2位次世界大戦の際には、ポルトガルが中立を宣言したためマカオは東アジアにおける中立港となります。このとき多くの中国難民が流入しました。
1974年のポルトガル革命後、同政府は当時所有していた全ての海外領土を放棄する方針をとります。マカオを「特別領」として再編成し、行政上、経済上の自治を多くの点で認めました。
中ポ外交関係樹立時に両国はマカオ返還について合意し、1999年12月20日にマカオは中国に返還されます。「一国二制度」の下で、外交・国防を除き高度の自治権をもつマカオ特別行政区が誕生しました。現行の社会制度、生活様式を返還後50年間維持することになっています。
マカオでは現在もポルトガル語が公用語として使用されるほか、ポルトガル統治時の法律の多くがそのまま適用されています。中国とは違い、住民は表現の自由が保障されていた生活を送っています。
IMF「World Economic Outlook Databases」によると2015年のマカオの人口は約67万人です。
同資料によると、2005年のマカオの人口は約48万人でした。10年間で約20万人増加しました。2021年のマカオの人口は約88万人と予想されているので、今後も増加傾向が続くといえます。
マカオは1平方キロあたりの人口密度が2万人以上で、世界でもっとも人口密度が高い地域といわれています。
WORLD BANK(世界銀行)の「Data Indicators」によると、2013年のマカオの出生率は1.08です。マカオの出生率は他の国と比べて低く、日本よりも低い水準なのです。
出生率が低いにもかかわらず今後の人口の増加が予想されているのは、中国本土から多くの人が移住してくると予想されているからです。
マカオの人口の90%以上が華人であり、多くが中国広東省から来ています。そのほかポルトガル人やマカイエンサと呼ばれる華人とポルトガル人の混血の人々がいます。
公用語はポルトガル植民地時代からポルトガル語と中国語の2言語と定められています。各種公布や注意表示、道路標示などの公的表示はほぼ全て2言語併記が義務付けられています。年配者でも流暢に英語などの他言語を話せる人が多く、語学力が高い地域でもあります。
旅行情報サイト「ユートラベルノート」によると、マカオで最も信仰されているのは仏教です。約50%の人が信仰しています。そのほか仏教、道教、キリスト教、イスラム教、ゾロアスター教などが信仰されています。
マカオは文化的に中国とポルトガルの各文化を融合した色彩をもっています。信仰の割合は仏教が多いですが、世界遺産になっている歴史地区にはキリスト教の建築物も多く見られます。
IMF「World Economic Outlook Databases」によると、2015年のマカオの名目GDPは約461億ドルで、世界第83位です。アジア・オセアニア地域では第19位となっています。
アジア・オセアニア地域のGDPトップ5は以下の表の通りです(データはすべて2015年時点)。
【アジア・オセアニア地域トップ5】
順位 | 国名 | 名目GDP |
---|---|---|
1位 | 中国 | 10兆9828億ドル |
2位 | 日本 | 4兆1233億ドル |
3位 | インド | 2兆907億ドル |
4位 | 韓国 | 1兆3769億ドル |
5位 | オーストラリア | 1兆2239億ドル |
マカオの経済はギャンブルを含む観光産業と織物や衣類、花火の生産に大きく依存しています。織物や衣類は輸出金額のおよそ4分の3を占めていますが、政府歳入の70%程度はギャンブルに依拠すると推測されています。
IMF「World Economic Outlook Databases」によると、2015年のマカオの1人あたりGDPは6万9309ドルで、世界第5位です。アジア・オセアニア地域では第1位となっています。
1人あたりGDPの世界ランキングを見ると1位がルクセンブルク(10万1994ドル)、2位がスイス(8万675ドル)、3位がカタール(7万6576ドル)です。
マカオは人口が少なくギャンブルを含む観光業が盛んです。特にギャンブルは「ROIが高い産業」であるため、1人あたりGDPは大きくなるのです。
アジア・オセアニア地域のGDP第1位だった中国は1人あたりGDPになおすと7990ドルで世界75位、第2位だった日本は3万2485ドルで世界26位となっています。
国際労働機関(ILO)によると、2014年のマカオの平均月収は1万3000マカオ・パカタ(MOP)です。平均年収は約15万6000マカオ・パカタということになります。2014年の平均レートは「1ドル=約0・12マカオ・パカタ」ですので、マカオの平均年収は約1万8720ドルです。2014年のドルの平均値である約106円で日本円換算すると約198万円になります。
マカオのGDPから見ると低く感じますが、ホテルといったサービス業が多く、給与は比較的低くなっています。一方でマカオの公務員の年収は一律約850万円と決まっており、国民の中で仕事による収入格差が明確にあります。
またマカオの物価は日本に比べると安いです。消費税がなく、所得税も低く抑えられているので平均年収が低くても生活には困らないとされています。
マカオはかつてポルトガルが統治していたため、公用語はポルトガル語と中国語です。人口は少ないですが、1人あたりGDPは世界第5位の規模です。
カジノ産業で一大経済基盤を築いているマカオは、近年日本からの渡航人数も大きく伸びています。1人当たりGDPで見ると豊かな地域であることは間違いないですが、特別行政区は2049年で終了するため、今後中国本土からの影響が注目されています。