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トップセールスとは?顧客目線で考える営業のあるべき姿

この記事の結論は「トップセールスは決まった期間やルールにおいて他の営業パーソンよりも業績をあげた人を指す。顧客目線で考えると、トップセールスから買うのが必ずしも良いとは限らない」です。企業や国のトップが直接営業活動をすることもトップセールスといいますが、一般的には一番成果をあげた営業パーソンを敬意を込めてトップセールスと呼びます。この記事では、トップセールスについて考察をしながら、顧客目線で考える営業のあるべき姿についてまとめました。

 

トップセールスとは?

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営業組織において一番成果を上げた営業パーソンは、トップセールスと呼ばれます。

競争を推進する風土がある営業組織には、月間、四半期(クォーター)、半期、年間などあらゆる期間において営業パーソン同士の成績を競わせる仕組みがあります。

健全な競争と適切な報酬は営業パーソンのモチベーションを高め、営業組織の業績向上にプラスの影響を創出します。そのなかで、最も成果をあげた営業パーソンに与えられるのが「トップセールス」の称号です。

トップセールスの称号は、オリンピックにおける金メダル、スポーツの試合におけるMVP同様、競争における勝者の証なのです。

 

トップセールスは営業組織にとって最も価値がある存在

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トップセールスは営業組織にとって最も価値がある人材です。ここに議論の余地はありません。

トップセールスは、組織が決めたルールと目標に沿って健全な競争をした結果、最も成果をあげた人です。営業組織が求める成果を高いレベルで達成しないとトップセールスにはなれないのです。

「成果は出したけれど売り方が大雑把」「ルールの範囲内だけどやり方が無茶」「トップセールスになったとはいえ、長時間労働や休日出勤を繰り返すのはいかがなものか」

トップセールスには時に、批判の声が集まることもあります。ただ、それらのほとんどは妬みや負け犬の遠吠えです。トップセールスは多大なる成果を出しているのですから、ルールを逸脱していなければ何かをいわれる筋合いはありません。勝てば官軍、成果はすべてのプロセスを肯定するのです。

 

トップセールスは顧客にとっても最も価値がある存在か?

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トップセールスが営業組織にとって最も価値がある存在であることに疑いの余地はありません。ただ、トップセールスが顧客にとって最も価値がある存在かどうかは、見極める必要があります。

生命保険の営業パーソン、AさんとBさんがいるとします。

Aさんは入社後すぐに頭角を現し、入社2年でトップセールスになりました。全国に数千人いる営業をグングン追い抜き、たった2年で日本一の成果をあげたのです。

文句なし、絵に描いたようなトップセールスです。

収入を野球選手並みに稼ぎ、若くして部下を持つ管理職に抜擢。ただトップセールスになってまもなく、Aさんは退職をしてしまいました。

 

Bさんが生命保険の営業の仕事をして25年になります。

Aさんのような派手さはなく、お客様のためになる仕事をコツコツと誠実に続けてきました。ときには保険の売上に繋がるかわからない相談にも親身に応え続けてきました。

周囲からは「トップを取るためには個人のお客様だけを相手にしていたらダメ。大型の法人契約を狙うんだ」というアドバイスをもらいます。

ただBさんは、自分の提案で将来の不安が消える個人のお客様の顔が大好きなのです。だから25年間、この仕事を続けてきましたし、今後もできるだけ続けていきたいと考えています。

Bさんは、トップセールスになったことは25年間ただの一度もありません。

 

顧客目線で考える営業のあるべき姿とは?

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この例に出てくるAさんとBさん、トップセールスなのはAさんですが、Bさんのほうが顧客にとって価値がある営業と感じる方が多いのではないでしょうか。

この話のポイントは「営業組織が定めた成果と顧客が感じる価値が一致していないこと」にあります。

生命保険は「買ってから関係性がはじまる」という性質をもつ商品です。顧客目線で考えると、自分の担当営業には、できるだけ長く保険会社にいてもらい、わからないことを相談したり、ときには生命保険以外のことについても意見をもらったりする関係性でいて欲しいと考える顧客もいます。

こういったニーズが満たされれば満たされるほど、顧客は「この人から保険に入ってよかった」と思います。Bさんは「顧客からの満足」を集められる営業パーソンなのです。

ただ一般的な営業組織が定めている成果は「短期間における顧客からの契約金額や契約数」です。このルールに従った場合のトップセールスは、「長期間にわたる顧客からの満足」より「短期間における顧客の納得」を集められる人なのです。

当然、トップセールスのなかには「長期間にわたる顧客からの満足」も両立しているスーパーマンもいますが、この例に出てくるトップセールスのAさんは退職しています。Aさんを信用して契約した顧客のなかには「信用して保険に入ったのにすぐに辞めてしまった」というネガティブな印象を持っている人もいるかもしれません。

 

誰にとってのトップセールスなのか

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この記事を読んだトップセールスになりたい人にオススメのアクションアイテムは

「誰にとってのトップセールスになりたいのか」

を考えるです。

この事例におけるトップセールスはAさんです。

たとえ3年で辞めたとしてもこの事実は変わりません。自分の出世やキャリアプランのためにAさんのようなやり方、「営業組織におけるトップセールス」を目指すのは一切悪いことではありません。ただ「顧客からの納得」だけでなく「顧客からの満足」も得ているBさんのような営業のあり方があることも知っておいてほしいです。

自分は誰にとってのトップセールスを目指すのか。

両立できるのが一番理想的ですが、両立できていないときにどちらを選ぶのかは、キャリア人生の生涯に影響を及ぼすくらい重要なテーマなのです。