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2019.11.11
2019.11.11
出生率とは、
を示すものです。
これには年齢や性別の区別はありません。
日本の出生率は、
です。
1年間で人口1000人あたり8人程子どもが生まれたことになります。
これに対して合計特殊出生率とは、
を示したものです。
1年間に生まれた子どもを15歳〜49歳までの女性の人数で割って算出します。
現在、出生率といえばこの合計特殊出生率のことを指します。
2013年の合計特殊出生率は
です。
(内閣府「平成27年版少子化社会対策白書」より)
合計特殊出生率が
の状態だと人口が維持できるとされています(人口置換水準)。
2.08を下回る日本では、人口は減少していくことになるのです。
国立社会保障・人口問題研究所「出生力の水準とその推移」によると、日本の戦前の合計特殊出生率は以下の表の通りです。
年代(5年ごと) | 合計特殊出生率 |
---|---|
1920年 | 5.24 |
1925年 | 5.11 |
1930年 | 4.71 |
1935年 | 4.36 |
1940年 | 4.11 |
戦前の合計特殊出生率はとても高いことがわかります。
同資料によると、戦後1947年から1949年は第1次ベビーブームと呼ばれ、合計特殊出生率は4以上を保っていました。
出典:出生力の水準とその推移(国立社会保障・人口問題研究所)
ただその後合計特殊出生率は低下し続け、1961年には2を割り込みます。
「丙午(ひのえうま)」の年には1.58を記録しました。
江戸時代には丙午の年に生まれた女性は気性が荒くなるという迷信が信じられており、この迷信が影響したといわれています。
1971年から1974年は第2次ベビーブームと呼ばれ、合計特殊出生率は再び2以上に戻ります。
ただその後もまた低下を続け、1989年には丙午の年を下回る1.57を記録します。
低下は止まらず、2005年には1.26にまで落ち込みました。
現在は微増したものの、合計特殊出生率は1.43と、人口が維持できる「人口置換水準」には及ばない数値となっています。
全国で合計特殊出生率が最も高いのは
です。
(厚生労働省「人口動態統計」より)
最も低いのは
となっています。
関東地方で全国平均の1.43を上回っている都県は1つもありません。
また関西も多くの府県で全国平均を下回っています。
一方で、中部地方や中国・四国地方、九州地方はほとんどの県で全国平均を上回っています。
都市部では合計特殊出生率が低く、地方都市で合計特殊出生率が高い傾向があることがわかります。
地域によって合計特殊出生率に差があるのには以下の要因が考えられます。
(厚生労働省「有配偶出生率の地域差の重回帰分析による要因分析」より)
同資料によると、都市部では「男性通勤時間及び仕事時間」が長いことや「保育所在所児割合」が低いことが出生率を引き下げています。
「延長保育実施割合」が高いことで、なんとか現状数値を維持しているとしています。
地方では「消費者物価地域差指数」が低い、つまり物価が安いことや「男性通勤時間及び仕事時間」が短いことが合計特殊出生率の高さに影響しています。
気温や物価などの地域の特性と、就労時間や保育所在所児割合などの施策の取組みによって合計特殊出生率に地域差が生まれているのです。
出典:厚生労働省「有配偶出生率の地域差の重回帰分析による要因分析」
日本の人口は少子高齢化にともなって減少を続けています。
2050年には日本の人口は1億人を下回ることが予想されています。
(内閣府「平成24年版 高齢社会白書」より)
一方でフランスは、合計特殊出生率を
と戻しています。
フランスの国民支援施策はこれまで家族手当等の「経済的支援」が中心でしたが、1990年代以降「保育の充実」へ政策を転換し、出産・子育てと就労の「両立支援」を強める方向で政策が進められています。
(内閣府公式ホームページより)
内閣府経済社会総合研究所によると、フランスの出産期女性の労働力率は80%です。
加えて多様な保育サービスや、1週間の労働時間を35時間とする週35時間労働制があります。
このような政策がフランスの高い出生率を支えているのです。
日本でもフランスを見習い、「保育の充実」や出産・子育てと就労の「両立支援」に注力することができれば、出生率向上が期待できるのです。
出典:内閣府経済社会総合研究所「フランスとドイツの家庭生活調査-フランスの出生率はなぜ高いのか-」