学生時代や新卒就活は?シンガポールで働く日本人のキャリア②

この記事はインタビュー記事です。現在、シンガポールで働く川畑 亜瑠真さんのキャリアをご紹介します。第2回目の今回は川畑さんの学生時代の過ごし方や新卒での就活についてお聞きした内容をまとめました。川畑さんは学生時代にイスラム教に改宗をしていますが、その理由や詳細も併せてご紹介します。関連記事「仕事、就職のキッカケは?シンガポールで働く日本人のキャリア①」と併せてご覧ください。

シンガポールで働く日本人はどんな学生時代を過ごした?

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BraveAnswer(以下BA)編集部: 川畑さんはどんな学生時代を過ごしたのですか?

高校は埼玉の川越高校というところで、大学は名古屋大学の農学部に通いました。

シンガポールで働くきっかけでも触れましたが、大学時代はバックパッカーとして東南アジアをまわっていました。ただ、とにかくお金がなかった。なので、大学の近くにあったインドネシアンバーでアルバイトをしてました。

そこでイスラム教徒の人とたくさん出会いました。当時は2006〜2007年なので、2001年のアメリカの同時多発テロの印象も残っていて、正直、イスラム教に良いイメージを持っていませんでしたね。

ただ、お店に来る人たちと話していると、段々とポジティブな印象に変わっていきました。バックパッカーとしてよく訪れていたASEANでは、イスラム教がマジョリティであることもこのときはじめて知りました。

名古屋大学の同級生には、イスラム教徒の留学生がたくさんいたので、もっとイスラム教徒のことを知るためにトルコ人のイスラム教徒と一緒に住んでみることにしたんです。留学生たちは共同で大きな家を借りていたので、そこに転がり込むカタチで。

その6ヶ月後には自分もイスラム教に改宗をしていました。

 

BA編集部: いきなりイスラム教に改宗とは(笑)どんな背景や理由があったのですか?

イスラム文化をもっと理解したかったからです。

日本や東南アジアのイスラム世界に興味を持って入りこんでいくうちに、深遠なる美しい世界観に感化されました。改宗するとイスラム名が与えられます。ちなみに僕のイスラム名は「オマル」です。

名古屋大学農学部では「アライグマの食性」を研究していたのですが、そこから180度テーマを変更して、大学院では東南アジア・イスラム世界研究で有名な京都大学の大学院に進学しました。

 

BA編集部: 農学部からイスラム研究への転身ですね。「アライグマの食性」も気になるところですが、大学院時代の過ごし方について教えてください。

ハラールとはイスラム法で許されていることとか、イスラム教徒が食べていいものを指す言葉ですが、大学院時代はハラール研究にどっぷり浸かりました。

研究の傍ら日本ハラール協会の研究員にもなり、大手企業のハラール認証取得のサポートや、日本で初のイスラム教徒の訪日旅行事業などを立ち上げて、その模様は「ガイアの夜明け」などでも取り上げられたこともありましたね。

イスラム教徒は世界に約18億人ほどいるといわれています。世界規模でみると人口の4人に1人はイスラム教徒なのです。この18億人、近年では平均所得も大幅に伸びてるんですね。京都や大阪の旅行のアテンドをしているとき、1週間で100万円以上使うゲストもいましたよ(笑)

様々な課題がありますが、日本企業や自治体にとって、ハラール製品の輸出やイスラム教徒向けのインバウンド事業は大きなビジネスチャンスになると考えています。

 

新卒では楽天に入社

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BA編集部: 大学院卒業後は就職をされていますが、大学院で研究を続ける選択肢もあったのですか?

研究は面白かったのですが、領域は狭く、終わりのないほど深い世界でした。学問として極めて教授を目指すよりも、自分は「何かやりたい」「何かつくりたい」という考えの方が強かったので、就職しようと思いました。

ここまでASEANを研究したのなら、20代のうちにASEANのどこかに住んで働きたいと考えていました。浪人して大学に入り、大学院に3年いったので就職をしたのは27歳です。新卒で就職する会社に勤めるのは2〜3年くらいと決めていました。そんなことを考えて楽天に入社しました。2012年の新卒入社です。

楽天に決めたのは、日本のローカルコンテンツを知るためです。

この頃からすでに「日本のローカルコンテンツでまだ知られていないものをASEANに伝えよう」と考えていました。地方創生の流れがある日本のニーズとも、日本のディープなローカルコンテンツを求めている海外のニーズともマッチしていたことも理由の一つです。

日本全国に顧客がいて、ITを活用してグローバル向けにもビジネスをしている楽天は、私のニーズに最適の選択肢でした。新卒での配属は楽天トラベルの北海道担当でした。

 

キャリア形成に新卒就活を利用

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「新卒で就職する会社に勤めるのは2〜3年くらいと決めて」楽天に入社をした川畑さん。その目的も「日本のローカルコンテンツを知るため」というシンプルなものでした。

就職した会社に依存をせず、会社を自分のキャリア形成に役立ててやろうというふてぶてしさを感じる意思決定です。彼のように2〜3年でやめようと考えていない人にとっても、「会社を使って自分自身を成長させる」という考え方は、これからの社会を生き抜くために、楽しむために重要な考え方ですね。

次回は、楽天時代の話や今後シンガポールでやっていくことについてお話を伺っています。

特集 〜シンガポールで働く日本人のキャリア〜
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