用語解説

現状維持バイアスとは?意味や事例は?外し方は?

現状維持バイアスとは大きな変化や未知なるモノを避け現状を維持したくなること。すぐにでも辞めたい仕事や、もう別れたい恋人との関係を、ダラダラと長引かせてしまうことはありませんか?その原因は現状維持バイアスかもしれません。この記事では、現状維持バイアスの意味や事例、外し方についてまとめました。

現状維持バイアスとは?

現状維持バイアス

現状維持バイアスとは

大きな変化や未知なるモノを避け、現状を維持したくなる

という心理作用です。

バイアスとは「先入観」「偏見」という意味です。人は、変化そのものを嫌います。

その背景にはプロスペクト理論における「損失回避性」が働いているからといわれています。

損失回避性は

人は利益から得る満足度より同額の損失から得る苦痛の方が大きいと判断する

という心理作用です。

現状を変えることによって「何かを失うかもしれない」という不安が「何かを得られるかもしれない」という期待よりも上回るのが、現状維持バイアスがかかる理由なのです。

 

現状維持バイアスの事例「新規営業」

現状維持バイアス

保守的といわれる人や組織は、現状維持バイアスが強くかかっている傾向にあります。

例えば企業に新規営業をするときです。

顧客が現状使っているサービスや製品よりも、自分たちが売り込んでいるサービスや製品のほうが客観的にみて明らかに優れているにもかかわらず、導入を見送られることがあります。

客観的にみて明らかに優れているものを導入しないのですから、これは合理的な選択とはいえません。

断った顧客は「長いお付き合いの業者がいるから」「いま使っているものに慣れているから」など、様々な理由を伝えてくるかもしれません。

ベースにあるのは現状維持バイアスです。

「優れていても何か落とし穴があるかもしれない」「怪しい、不安」といった主観的な要因で、客観的に合理的な選択肢の導入に踏み出せなくなるのです。

 

現状維持バイアスの外し方は?行動経済学では?

現状維持バイアス

以下の3つの手順によって、現状維持バイアスを外すことができます。

現状維持バイアスの外し方の手順

  1. 定量的に分析する
  2. アドバイスを仰ぐ
  3. 最悪のケースを想定する

1.定量的に分析する

判断材料に

  • 「これまで取り組んできた施策A」
  • 「導入を検討している施策B」

があるとします。

どちらか一つを選ぶ必要がある時、まずやるべきことは定量分析です。

これまで取り組んできた施策Aと導入を検討している施策Bの違いを具体的な数値で比較するのです。

主観的な意見をいれると現状維持バイアスによって施策Aに優位に働く傾向があるのでいれないようにします。

「本体価格」「性能」「耐用年数」「保証期間」「運用コスト」など、数値で表すことができる項目に重きをおいて比較するのがポイントです。

「使いやすさ」「安定感」などの数値化しづらい要素は、排除するかコメントで書くにとどめておきましょう。

 

2.アドバイスを仰ぐ

定量分析が済んだら、利害関係のない第三者のアドバイスを仰いでください。

客観的なアドバイスを受けることで、当事者が感じる現状維持バイアスに囚われることなく意思決定ができるのです。

「定量分析」だけでなく「客観的なアドバイス」まではコンサルティングファームの仕事のうちの一つです。

 

3.最悪のケースを想定する

現状維持バイアスの本質は損失回避です。

損失(=最悪のケースに起こること)をあらかじめ明確に認識をしておけば、損失が明確でなく不安な状態で意志决定するよりも判断がしやすくなります。

「最悪のケース以上に事態が悪くなることはない」と知っていれば、重要な決断を現状維持バイアスを外した状態できます。

 

現状維持バイアスには誰しもが陥る

現状維持バイアス

現状維持バイアスは心理作用なので、どんなに賢い人でもどんなに意志が強い人でも関係なく、誰でも陥ることがあります。

外し方は上記にご紹介した通りですが、そもそも「人は何かの意思決定の際に現状維持バイアスが働く」ことを知っていることが、対処の第一歩です。

現状維持バイアスは自分にも起こりえることと認識し、無意識で優遇している現状に引っ張られず、その時々でベストな選択をし続けてくださいね。

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