日本の借金「約1000兆円」日本が破綻しない理由と今後のすべきこと

1983年生まれ東京都在住。青山学院中等部・高等部卒。
慶應義塾大学総合政策学部にて、国際政治学を専攻。
卒業論文で学部優秀論文賞(SFC AWARD)受賞。
2006年住友商事に入社し、海外駐在を含めた実務経験から
様々なビジネスの知見を得る。
現在、歴史を軸にしたコンテンツ作成者として活躍中。
冷徹な分析力で現代社会とビジネスを診断する。

日本の長期債務残高は約1035兆円でGDPの2倍以上です。歳入の約40%は国債でまかなわれています。このままのペースでいくと借金は増大する見込みです。しかし、日本の財政構造をしっかり知れば、過剰な不安を持たなくてもよいことがわかります。日本の国債に関するニュースは毎日のように流れています。しかし、本当のところはどうでしょうか。ニュースではわからないこともたくさんあります。この記事では、日本の借金の具体的な金額や歳入と歳出の内訳、借金の未来予想についてまとめました。

日本が破綻しない理由|日本の借金はいくら?

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2015年末の日本の借金(国債発行残高)は

  • 約807兆円

地方と合わせた長期債務残高は

  • 約1035兆円

になる見通しです。

(財務省のホームページより)

 

これは日本の対GDP比で205%にのぼる金額です。

国民が1年間に稼ぐ総額の2倍以上を借金していることになります。

 

日本政府が日本国民にお金を借りている|「国民一人あたり」の嘘

では、日本政府は誰にお金を借りているのでしょうか。

 

実は、日本政府は日本国民に借金しているのです。

 

政府は国債を発行し、銀行に買ってもうらうという形で借金をしています。

そして、銀行が国債を買う資金としているのが、国民が銀行に預けいている預金なのです。

 

国民が政府にお金を貸している額は一人当たり「約815万5千円」

2014年末の長期債務残高は約1009兆円ですので、1年間に約26兆円増加した計算になります。

 

これは、2015年4月1日から2016年3月31日まで

  • 毎日約700億円借金

しているということです。

 

国民1人あたりに換算すると、借金を1人につき約815万5000円しているというような話が出てきますが、これは逆です。

 

1人あたりが政府に約815万5000円のお金を貸しているのです。

 

円建てで借りているので簡単には破綻しない

これは家族に例えると、お父さんが家族を養うためのお金が足りないから、稼ぎのある息子から生活費を借りているようなものです。

しかも、家族全体でみると十分に貯金ができるほど黒字です。

 

つまり、家族の中でお金を貸し借りしているようなものなので、簡単には国は破綻しません。

しかも、ほぼすべて「円建て」での借金なので、いざとなればお父さん(日本政府)は円を刷ることができます。

 

日本の経常収支も1980年以来、黒字が続いています。(BOPに基づくデータより)

 

そして、国の貯金額、つまり日本の金融資産も

  • 約1700兆円

と上昇を続けいています。

(2016年現在:日本銀行統計データより)

 

 

しかし、いつまでも息子にお金を借り続けるということは健全な父とはいえません。

国の台所の事情はどのようになっているのでしょうか。

 

日本の借金の原因と理由|日本の歳入と歳出の内訳

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日本の歳入

平成27年度の一般会計の歳入は

  • 約96兆3420億円

です。

(財務省ホームページ「平成27年度一般会計予算」による)

 

内訳は

  • 租税及び印紙収入:約54兆5200億円
  • その他の収入:約4兆9500億円
  • 公債費(国債):約36兆8600億円

となっています。

つまり、日本の1年間の歳入のうち約40%にのぼる約37兆円は借金によってまかなわれているのです。

 

日本の歳出

同資料によると、平成27年度の一般会計の歳出は、

  • 社会保障費
  • 国債費
  • 地方交付税交付金等

上位3項目で全体の約80%です。

 

内訳は

  • 社会保障費:約31兆5297億円
  • 国債費:約23兆4507億円
  • 地方交付税交付金等:約15兆5357億円

となっています。

 

借金返済を意味する国債費だけで全体の約25%近くに及んでいます。

 

最も歳出の多い「社会保障費」は、

  • 1990年:約11兆5千万円
    ⬇︎
  • 2016年:約31兆5297億円

ですので、25年で約3倍になったことになります。

 

高齢化により社会保障費が上昇

社会保障費は「国や地方から給付される年金・医療・介護などの金銭やサービス」のことです。

社会保障費に国民が支払った保険料を足し上げたのが社会保障給付費となります。

 

実際に給付された社会保障給付費は、

  • 2003年:約84兆円
    ⬇︎
  • 2014年:約115.2兆円

と増加しています。

 

高齢化の影響が確実に金額に反映されていますね。

 

では、今後どのような財政が望まれるのでしょうか。

 

どのように歳入を増やすか|日本の借金の未来予測

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政府債務は年々膨張しています。

10年後には、1年間で約40兆円の財政赤字を計上するという見通しもあります。

 

さらに、実際には借金返済のための借金、すなわち借換債が110兆円あります。

国の借金は借換債も含めて考えなければなりません。

 

税収の問題|お金を持っている高齢者のお金が動かない

この財政赤字の一つの原因としては、税収が減っているということがあります。

 

税収が減っている原因としては、長く続く経済低迷もありますが、

  • 人口が増加する高齢者から税金を取る手段がない

という原因が考えられます。

 

もちろん、高齢者は現役時代に十分に所得税を納めてきたことも考慮しなければいけない話です。

今の高齢者世代こそが、現在の強い日本の経済を作り上げたからです。

 

しかし、「高齢化による労働人口の減少」や「経済の低迷での賃金低下」で、税収の柱である所得税収入が減っているのも現実です。

 

消費増税の本当の意味

国が消費税増税をしきりにキャンペーンを張るのはそのためです。

国の借金を国民が払わなければいないという切り口は間違っていますが、消費税にもメリットはあります。

 

税金を主に収める人数が減っているなかで、消費税はどの世代からも広く税金を徴収できるのです。

消費増税を行えば、もっとも資産が多いとされる高齢者世代から市場にお金を回すことができるのです。

 

問題は、世代間でお金が行き来しにくくなっていることなのです。

 

お金が回り出せば、所得税の減税も望める上に、若い世代のチャレンジにもお金を回すことができるので、新しい日本の産業を育てることにも使えます。

 

貧困対策も同時に必要になってくる

消費税の難点は、毎日の生活で税金を払うので税金を払う苦痛を身近に感じる、いわゆる「痛税感」があるということです。

これは、経済の低迷にもつながりかねないものともいわれています。

 

しかし、「結果的に所得税が下がれば全体として減税になる」というシナリオを現実的に描けるのが消費増税なのです。

 

貧困者の税率が上がってしまうという意見もありますが、

  • 生活必需品の税率を下げる
  • 今まで出てこなかった比較的余裕のある高齢者世代のお金を再分配することができる

など十分に対策の可能なことなのです。

 

高齢者に使うお金をどう工面していくか

とはいえ、日本全体の経済ということをマクロな視点で考えると今すぐに、国が破綻することはないことは冒頭でもお話ししました通りです。

 

社会保障なども、破綻することはないと考えていいでしょう。

日本全体には十分なお金がある上に、内需が高いという強みもあります。

 

全員を養っていくだけのお金は、すでに日本の中にあると考えていいでしょう。

 

高齢者へ使うお金を日本政府がどう作っていくかということに焦点が集まっているという状態なのです。

 

 

ここまで見て、あなたはどのように感じるでしょうか。

ブレイブアンサー編集部では以下のように考えます。

 

若者世代がどう新しい産業をつくっていけるか

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今の若者の中には、将来に対する不安が大きいという方も多いのではないでしょうか。

しかし、その多くは高齢者問題に根を持っている話です。

 

既存の産業も十分に機能を果たしていますが、次世代にわたり世界でさらに安定した存在感を維持し、日本の財政・経済を支えていくには新しい産業が必要です。

 

つまり、新しい世代、チャレンジへお金が回るということが何よりも重要だと考えます。

日本の財政の構造にも、そのヒントは隠れているのです。

 

 

この記事を読んだ方には、ぜひ未来を怖がらずに新しいチャレンジをオススメします。

そのためには、しっかりと日本の構造を知り、自分の頭で考える力が必要です。

 

勇気のある決断こそが、新しい経済を作っていくのです。

 

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