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【新聞から読み解く今】フォードが自動車を生み出せたのは大衆迎合しなかったからだ(2018/12/19)

1994年生まれ。埼玉県立川越高校、法政大学文学部卒。ライターが記事を作成する行為は「無から有を生み出す行為」であり、無のときにはなかった価値を提供する意味のある行為と感じている。「膨大な知識量と独自の視点で世の中の潮流を見極めるコンテンツメイカー」を目指して活動中。

現代の日本の政治体制は、民主主義と言われます。民主主義とは「国のあり方を決める権利は国民が持っている」と考える政治体制のことです。

今、日本の政治におけるトップは内閣総理大臣である安倍晋三氏ですが、安倍首相も私達と同じ日本国民ですよね。

私達日本国民の代表である安倍首相を中心とする政府が、国のあり方を決めているわけです。

 

世界を見渡すと、同じ民主主義でも、様々な考え方があることがわかります。

例えばポピュリズム。大衆迎合主義とも言われます。

この言葉の定義は時代によって変化しており、近年は「複雑な政治的争点を単純化して民衆の人気取りばかりしており、本質的な解決ではなく場当たり的で短期的な解決をしようとするもの」という使われ方をされることが多いです。

国民を代表して国のあり方を決めるトップが、国民の人気取りに終止している状態と言えます。

つまりこれは、大衆に対していい顔をして支持率を獲得しても、その政策が必ずしも国全体のメリットとはならない、ということを示しています。

 

ただ考え方によっては、大衆が求めることは、大衆がメリットがあると感じていることとも言えます。

なぜそれを叶えることが、国全体のメリットにはならないのでしょうか。

 

理由は大きく2つあるように思います。

1つ目は、そもそも大衆が求めることが実はずれている、もしくは浅い領域でしか求めておらず、それを提供したところで根本的な解決にはならないこと。

2つ目は、部分的にメリットがあっても、国全体で見るとメリットでない可能性があることです。

だからこそ、それを見極められるトップが必要で、そのトップが大衆迎合してしまうと、国にとってメリットが少ない手段をとってしまうのではないかと思います。

 

これは、会社と顧客の関係にも当てはめることができます。

ユーザーが求めることは、必ずしも根本的にユーザーの課題を解決するものとは限りません。

フォードは「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。」と言ったとされていますが、顕在化されたニーズを叶えることが、必ずしも本質的な問題を解決するとは限らないのです。

フォードが大衆迎合していたら、今頃世界的な自動車メーカー「フォード」は存在しなかったかもしれません。

 

フォードは「もっと速い馬が欲しい」というニーズに対して、より早い馬ではなく、自動車という新しいソリューションを提供しました。

本当に欲しかったのは、早い馬ではなく、早く移動できる手段だったわけです。

ニーズに耳を傾けるだけでなく、その根本的な問題を探しに行くことが、人気取りだけでない、本当に必要とされるサービスを提供するために必要な姿勢なのです。

 

参考

中南米 広がるポピュリズム(1) エリートはいらない」(2018/12/18)、日本経済新聞


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