目標設定の方法は?仕事や人生に役立つ考え方は?

この記事の結論は「目標には3種類あり、3種類の目標の差を理解することによって仕事や人生を主体的にデザインできる」です。ほとんどのビジネスパーソンには目標やノルマがあり、職種によっては売上のようなわかりやすい指標もあれば、そうでない指標もあります。ただ目標には種類があり、正しい目標と適切な目標の差を知らない人も多いのではないでしょうか。この記事では3種類ある目標や目標設定の方法についてご紹介します。

 

目標は3種類に分けられる

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目標はその難易度によって以下の3つの種類に分けられます。

難易度別の3つの目標

  • セーフ目標
  • トラブル目標
  • ストレッチ目標

セーフ目標

現在も習慣になっていたり、難易度が低かったりして意識せずとも達成できる目標はセーフ目標です。

朝9時に出社することが習慣になっている人には「朝の9時に出社する」という目標は簡単すぎて、目標とはいえません。セーフ目標を掲げてしまう人は意外と多いのです。大きな目標を掲げることが苦手な人は、セーフ目標しか掲げられないことが良くあります。

 

トラブル目標

世の中の目標で一番多いのがトラブル目標です。たとえば毎月の売上が平均1,000万円の営業パーソンに「来月は3,000万円売上を達成しろ!」という目標を課すのが、トラブル目標の典型例です。

セミナーや読書に感化されて、自分自身で高すぎる目標を立てるのもトラブル目標といえます。高すぎる目標は意欲を奪い、思考停止を招き、目標として機能しないのです。

 

ストレッチ目標

「ちょっと頑張れば手が届く」目標がストレッチ目標です。

毎日の食事で一日三食炭水化物を食べている人が「お昼だけ炭水化物を半分にしよう」と決めるのがストレッチ目標です。トラブル目標のように高すぎず、セーフ目標のように低すぎない目標を設定するのが目標設定のコツなのです。

まずは「ストレッチ目標を掲げて達成し、それを習慣にしてセーフ目標にする。その後、次のストレッチ目標を立てる」というポジティブなスパイラルを生むことが大きな成果を出すポイントといえます。

夢や目標を達成するには1つしか方法がない。小さなことを積み重ねること。出典:イチローの名言

イチローの名言にもある通り、小さなことをコツコツと積み上げることが夢や目標を達成する唯一の方法です。この文脈で考えるとトラブル目標もセーフ目標も「小さなこと」ではありません。ストレッチ目標だけがここでいう「小さなこと」に値します。

 

目標設定はプラス10%が効果的

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メンタルトレーナーの大儀見浩介氏が2015年に出版した「勝つ人のメンタル(日経プレミアシリーズ)」でも

重要なのは、がんばれば手の届きそうな半歩先の目標を積み重ねること出典:勝つ人のメンタル P66

として、ストレッチ目標の重要性が展開されています。

大儀見氏は同著のなかで「最適な目標設定の水準は110%である」とする実験結果を紹介しています(※1)。同じ試験を受ける人を5グループに分け、130%を目標とするグループ、以下120%、110%、100%、目標を立てないグループの5つに分けてテストをします。そうすると110%に設定したグループが最も良い成績をあげたという実験結果です。

ストレッチ目標の目安を「10%アップ」と覚えておくと、今後の人生における目標設定に役立ちますよ。

 

目標はKPIごとに設定する

ストレッチ目標の目安を「10%アップ」とした場合、それぞれのKPI(=Key Performance Indicator、業績に関わる重要指標という意味)をすべて10%アップの目標にすることで結果は大きく変わります。

下の表を例に、営業活動において顧客開拓を100件したときの受注件数が10件とします。ストレッチ目標は、この受注件数の10件を10%アップする(=目標を11件とする)ことではありません。

KPIに関わる指標をすべて10%アップにすることです。

具体的には「顧客開拓(100件を110件へ)」「商談率(50%を55%へ)」「提案率(50%を55%へ)」「受注率(40%を44%へ)」 の4つの指標すべてで10%アップにするのがあるべきストレッチ目標です。

KPIそれぞれの指標を10%アップするストレッチ目標をたてれば、受注件数は11件ではなく、14.5件まで伸ばすことができるのです。

顧客開拓 商談 提案 受注
100 50(商談率50%) 25(提案率50%) 10(受注率40%)
110(件数10%アップ) 60(商談率55%) 33(提案率55%) 14.5(受注率44%)

 

目標は結果よりプロセスを意識する

「結果がすべて」という考え方はシンプルでわかりやすいです。「結果を評価をする側」は「結果がすべて」という考え方がベースにあるべきです。ただ「結果を出す側」は「結果よりプロセスが重要」ということを覚えておきましょう。

例えば先ほどの例のようにすべてのKPIを10%アップせずとも、結果が出ることもあります。25件の提案の受注率が60%になるだけで、受注が15件になり、結果だけ見ればすべてのKPIを10%アップさせるよりも良い成果がでています。

ただ「結果を出す側」は、この状態に満足してはいけません。理由が2つあります。

1つは「再現性」です。受注率が40%から60%に上がっています。40%も低くない数字とすると、この数値の上昇は偶然で、再現性がない可能性があります。再現性がないのであればこの結果は今回だけのものになり、継続した結果をだすことはできません。

2つ目は「伸びしろ」です。仮に40%から60%に出来たことに再現性があるとすると、受注率以外のKPIにはまだ伸びしろがあります。結果が人より出ていようと、成長は過去の自分自身の成果との比較でしかわかりません。KPIにストレッチ目標をおかないのは、それだけでもったいないことなのです。

 

目標設定で仕事や人生を主体的にデザインする

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この記事を読んだ方にオススメのアクションアイテムは

「仕事や人生におけるKPIにストレッチ目標を立てる」

です。

自分がやりたいことを思い描き、それに繋がるようKPI指標を設定し、ストレッチ目標を課します。

例えば読書をビジネスに役立てるために戦略的に行いたい場合は「現在、月に何冊(何ページ)を読めるのか」「ストレッチ目標として10%アップを目指すと、月に何冊読むべきか」「どうすれば目標の冊数読めるか」という段取りで思考していきます。

セーフ目標、トラブル目標、ストレッチ目標の差を理解することは、仕事以外の人生においても大いに役立ちます。適切な目標設定方法を自分の技にして、自分の人生を主体的にデザインしてくださいね。

(※1)『教養としてのスポーツ心理学』(大修館書店)

 

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