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【新聞から読み解く今】キャッシュレス社会の裏面を覗く(2018/08/29)

1994年生まれ。埼玉県立川越高校、法政大学文学部卒。ライターが記事を作成する行為は「無から有を生み出す行為」であり、無のときにはなかった価値を提供する意味のある行為と感じている。「膨大な知識量と独自の視点で世の中の潮流を見極めるコンテンツメイカー」を目指して活動中。

日本はキャッシュレス化の波に取り残されていると言われます。国内のキャッシュレス決済比率は18%との調査がありますが、中国では60%、欧米各国でも30%〜50%台のようで、日本とは大きな差があります。

なぜこのような差が生まれているのでしょうか。

 

経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」(2018/04)によれば、中国でキャッシュレス化が進んだ背景の1つに、偽札の存在があります。過去には40億円分の偽札が押収されるなど、偽札は中国で問題となっていました。

偽札問題がなくとも、生産性向上やマネーロンダリングなどの犯罪防止を目的に、スウェーデンではキャッシュレス決済比率が50%近くにまで迫っています。

日本でも、博多の屋台でキャッシュレス決済ができるようになるなど、取り組みを進めています。ただ、日本では現金の信頼度が高く、ATMが広まったことによって現金が手軽に入手できることなどから、キャッシュレス化が普及しにくいと言われています。

 

世の中には、キャッシュレス化を進めるべき、という主張が多いように思います。

確かに、ミレニアル世代やZ世代と呼ばれるような若者世代にとっては、キャッシュレス化によって利便性が向上し、生活が便利になるかもしれません。

ただ、全員がそうでしょうか。

総務省統計局「人口推計」によれば、2018年8月の65歳以上人口は3551万人と推計されています。これだけの人数のシニア層が、果たして急速なキャッシュレス化に対応できるでしょうか。

キャッシュレス社会は、利便性や生産性、通貨の安全性の向上など、様々なメリットがある反面、ITリテラシーが遅れがちなシニア層に対してはクローズドな一面も見せることになります。

 

商品でもサービスでも、それを万能なものと捉えると、思わぬデメリットに出くわします。100%安全、絶対問題は起こらない。このような過信が問題を引き起こす例は多々あります。

メリットを見たらデメリットも見る。光があれば影があるように、表ばかりを見ず、裏面までしっかりと確認した上で、前に進むことが大切なのではないでしょうか。

 

参考

『現金?使いにくいよ』キャッシュレスNOW ルポ迫真」(2018/08/28)、日本経済新聞

中国、人民元の偽札40億円分押収 」(2015/09/26)、日本経済新聞

屋台でキャッシュレス決済、19店外国人客増に期待…福岡市実証実験」(2018/08/18)、読売新聞

(3)普及18%…出遅れる日本 背景に個人情報漏洩リスクと“現金信仰”」(2018/08/24)、産経新聞

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