生き方

【新聞から読み解く今】「ペコちゃんのお店でケーキを買う」という体験を喪失させる不二家の実店舗撤退路線(2018/08/27)

1994年生まれ。埼玉県立川越高校、法政大学文学部卒。ライターが記事を作成する行為は「無から有を生み出す行為」であり、無のときにはなかった価値を提供する意味のある行為と感じている。「膨大な知識量と独自の視点で世の中の潮流を見極めるコンテンツメイカー」を目指して活動中。

不二家の洋菓子事業の業績が回復に向かいそうです。2003年3月期から赤字が続いていましたが、2021年12月期に黒字転換する見通しとのこと。

不採算店舗の削減によって、コストを削減し、黒字転換を見込んでいます。

 

大ざっぱに分けると、赤字から黒字に転換するためには、

  1. 売上を伸ばして売上がコストを上回る
  2. コストを削減してコストが売上を下回る

の2つの方法があります。不二家は不採算店舗の削減を行っているので、このうち2.を選択したことになります。

不二家は今後、コンビニやスーパー向けの洋菓子販売に軸足を移すようで、店舗数の縮小は今後も続きそうです。

この動きは、ハーゲンダッツの施策と被るところがあります。

ハーゲンダッツは1984年に実店舗を日本にオープンしましたが、その後ブランドが消費者に浸透したと判断し、2013年までに全ての実店舗の運営から撤退しました。

ハーゲンダッツの純利益は、2013年から2017年までの5年間に約1.5倍になっています。

不二家も「カントリーマアム」や「ホームパイ」などの主力商品は消費者に浸透していると考えられるので、ハーゲンダッツと同じように今後、利益を拡大させていく可能性があります。

 

ただ、実店舗の撤退にはデメリットもあるように思います。不二家が実店舗から撤退するということは、町中から不二家のマスコットキャラクターであるペコちゃんがいなくなる、ということです。

このまま実店舗からの撤退が進むと、「ペコちゃんのいるお店でケーキを買う」という体験ができなくなります。

実店舗削減はコスト削減のためという経営上の判断ですが、何かを変える際に、数字では表せない影響にも思いを馳せたいです。

聖書に「人はパンのみにて生くるものにあらず」という言葉が出てきますが、企業は利益のみにて成長するにあらず、と思っています。

 

参考

不二家 洋菓子、19期ぶり黒字に 21年12月見通し」(2018/08/24)、日本経済新聞

ハーゲンダッツ、店舗ゼロに 小売向けアイスに専念」(2013/04/19)、日本経済新聞

 

あわせて読みたい