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IT業界で初めての転職をしようとしているなら知るべき情報はこれ。スキルのアップデートこそ人生の安定である。

1994年生まれ。埼玉県立川越高校、法政大学文学部卒。ライターが記事を作成する行為は「無から有を生み出す行為」であり、無のときにはなかった価値を提供する意味のある行為と感じている。「膨大な知識量と独自の視点で世の中の潮流を見極めるコンテンツメイカー」を目指して活動中。
IT業界の転職市場は人材不足が叫ばれており、2016年時点でのIT人材は約91.9万人、不足数は17.1万人と想定されています。ただ、人材が不足しているからといって転職が簡単になったわけではありません。IT業界は技術の入れ替わりが激しく、常にスキルをアップデートしていないとすぐに変化の波から取り残されてしまいます。この記事では、そんなIT業界に転職するために知っておきたい知識をまとめました。

ITスキルをアップデートし続けることこそ人生の安定につながる

IT業界は特に変化が激しい業界です。

例えば、動画などを作成する規格のFlashは、2014年時点で利用しているウェブサイトが80%ほどありましたが、2017年には20%以下にまで低下したと言われています。その期間わずか3年です。

このような状況から、Flashを提供しているAdobeは2020年にサポートを終了することを決めました。Flashがリリースされたのは1996年ですので、わずか25年程度で、最盛期と消滅を迎えることになります。

Flash衰退の要因の1つと言われているのはiPhoneですが、そのiPhoneも、登場した2007年からわずか10年ほどで今の地位に上り詰めています。

IT業界は技術革新と衰退が激しく繰り返される業界なのです。今すでに一般化している技術も、いつ衰退が始まるかわかりません。

 

そんな業界で安定を目指すのであれば、スキルをアップデートし続ける必要があります。似た言葉に「スキルアップ」がありますが、スキルのアップデートはスキルアップとは異なります。BraveAnswer編集部では

  • スキルアップ=1つのスキルを上達させること
  • スキルのアップデート=すでに持っているスキルの延長線上にないスキルを取得すること

と定義しています。

 

例えば、2014年時点でFlashのエキスパートだったとします。

もし「Flashを誰よりも早く書けるようになること(=スキルアップ)」や「Flashでのより緻密で格好いい表現にチャレンジしたWebサイト政策(=スキルアップ)」にしか取り組んでいなければ、3年後の2017年には仕事がなくなっているかもしれません。

ここで「SwiftなどのiPhoneで使える言語を取得すること(=スキルのアップデート)」に取り組んでいれば、たとえ3年後にFlashの仕事がなくなっても、iPhoneアプリの開発など新たな仕事を手に入れることができます。

 

スキルをアップデートしていれば変化の波に乗ることができますが、スキルアップだけでは大きな変化が起きた時にその波に押し流されてしまいます。

変化の波は繰り返し起こります。この波に合わせて「スキルのアップデート」を繰り返して自分自身をアップデートし続ける姿勢こそが、変化が激しいIT業界における人生の安定につながるのです。

 

スキルをアップデートして成長するためには?

自分自身をアップデートして成長していくためにはどうすればいいのでしょうか。

1つの方法として「これから成長していく分野に身を置く」という選択肢があります。これから成長していく分野に身を置くことで、常にアップデートが必要な状況を作ることができるのです。

 

今後成長が期待されている分野は?

それでは、今後成長が期待されている分野は何でしょうか。

自動運転やIoT、自立型ロボット、Webなど、様々な分野がありますが、ここではその一部を、市場が成長したあとの市場規模順にまとめました。

今後成長が期待される分野

  1. クラウド
  2. ビッグデータ
  3. 人工知能(AI)
  4. 3Dプリンタ

1.クラウド

データやソフトウェアをインターネット経由で利用するサービスがクラウドという分野です。AWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Plattform)などが代表的サービスとなっています。

API(Application Programming Interface)と呼ばれる既存のソフトウェアを利用するサービスを使えるので、短時間低コストでネットワークやサーバーなどのインフラを整備することができます。

総務省はクラウドサービスの市場規模について、2015年の931億ドルから、2019年には2420億ドルに成長すると予想しています。

2.ビッグデータ

膨大なデータを収集して分析し、ビジネスなどに活かす分野です。購買履歴、口コミ、顧客情報、POSデータ(売れた商品の情報)などを利用し、マーケティングや商品開発などに活かします。

拡大が予想される分野ではありますが、分野としては専門人材の不足という課題があります。

ビッグデータの市場規模は2016年の1301億ドルから、2020年に2030億ドルに成長すると予想されています。

3.人工知能(AI)

人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする分野です。医療、製造、スポーツなど様々な分野への応用が期待されています。

市場規模は、2018年に214億6000万ドル、2025年に1906億1000万ドルと予想されています。

4.3Dプリンタ

3Dプリンタは、液状の樹脂を紫外線で少しずつ硬化させたり、熱で溶かした樹脂を積み重ねたりして立体を作り上げる技術分野です。

ものを作る過程において、金型や切断などが必要なくなる可能性に期待がかかっています。

すでに自動車や飛行機の一部部品を3Dプリンタで作ることができるようになっており、2023年頃に全ての自動車部品を3Dプリンタで作れるようになるという予想もあるようです。

市場規模は2016年に132億ドルでした。2020年には289億ドルになると予想されています。

 

スキルの価値はどれくらい?

これらの分野に転職して自分が成長するためには、まずは自分自身の持っているスキルがどれくらいの市場価値なのかを知ることが大切です。

自分自身の適正な市場価値を知って現状把握をした上で、スキルのアップデートをしてより高い市場価値を求めるのであれば、転職も視野に入れつつ、今後のキャリアについて考えていきましょう。

 

市場価値は調べることができます。ミイダスという適正年収を調べることができるサービスを利用すれば、今自分が市場でどのような価値を持っているか、客観的に判断することが可能です。

以下のボタンからミイダスを利用することができるので、ぜひ利用してみてください。

 

スキルをアップデートするためには?

適正年収を把握した上で、もしスキルのアップデートをしたいと感じるのであれば、転職は1つの選択肢です。より裁量をもたせてもらえる企業や、新しい技術を学べる企業に転職することで、成長する環境に自分自身を置くことができます。

 

IT業界の転職におすすめする評判の転職エージェントと活用のポイント」に、IT業界の転職におすすめの転職エージェントをまとめました。

ワークポートなど、IT業界に強みを持つ転職エージェントもまとめていますので、この記事と併せてご覧ください。

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IT業界そのものの分類や職種をおさらい

転職の検討を始めようと決めたら、どこに転職したら自分のなりたい将来像を実現できるのか考えてみましょう。

IT業界には様々な分類があり、企業や職種によって業務内容は大きく異なります。転職をする前に、まずはIT業界そのものについてしっかりと理解しておきましょう。

IT業界内の分類と代表的な職種を以下にまとめました。

IT業界の4つの分類と代表的な職種

  1. インターネット・Web系
    • Webデザイナー
    • Webディレクター
  2. 情報処理サービス系
    • ITコンサルタント
    • セールスエンジニア
  3. ソフトウェア系
    • プログラマー
    • システムエンジニア
    • ネットワークエンジニア
  4. ハードウェア系
    • 組込みシステムエンジニア

1.インターネット・Web系

インターネット上で様々なサービスを提供する企業です。プラットフォームを持っている企業や、アプリ開発を中心にソーシャルゲームを手がける企業も含まれます。

インターネット広告、Webサイト作成、SNS、EC、ポータルサイト、Web検索システムなどを扱います。

GoogleやFacebook、楽天、サイバーエージェントなどが代表的な企業です。

クラウドは、インターネットを経由して利用するサービスですので、この分類に含まれます。

クラウドには「既存のソフトウェアを利用できるサービスを使うこと」も含まれるので、インターネット系に分類されつつも、ソフトウェア系の考え方や知識もあると、多角的な視点で関わることができます。

Webデザイナー

インターネット上のWebサイトのデザインを担当します。HTMLやCSS、デザインの知識などのウェブサイトを作る基本言語の知識やスキルなどが必要です。

Webディレクター

Webサイトの作成を監督、指揮する役割です。クライアントだけでなく、WebプログラマーやWebデザイナーなど、様々な人と関わります。コミュニケーション能力が大事な職種です。

 

2.情報処理サービス系

基幹システムやウェブサイトのサービス開発・運用などを行う企業です。システムの構築などを行います。SIer(エスアイアー)とも呼ばれます。

代表的な企業は、NTTデータ、日本ユニシス、NRI(野村総研)などです。

あらゆるものから情報を収集して活用するビッグデータは、情報処理サービス系に分類されます。IoTなどの普及によって、これまで以上に様々なシーンの情報を収集することができるようになってきました。集めた情報をどう活かすかが、ビッグデータの肝となる部分です。

ITコンサルタント

クライアントから問題点を聞き出し、解決策を提案する役割です。

経験がモノを言う職業ですが、クライアントやエンジニアとのコミュニケーションも大切です。そのため、経験や知識だけでなく、コミュニケーション能力やロジカルに説明する能力も求められます。

セールスエンジニア

経験を積んだエンジニアが、得意分野の知識を活用して営業面で活躍する職種です。こちらも、知識に加えてコミュニケーション能力が大事になってきます。

 

3.ソフトウェア系

パソコンやスマートフォンを動かす基盤システムであるOSと、OS上で個別の作業を実行するアプリケーションソフトを扱う企業です。

OSとアプリケーションソフトをそれぞれマイクロソフトで例えると、

  • OS=Windows
  • アプリケーションソフト=WordやEXCEL

となります。

代表的な企業は、マイクロソフト、オラクル、NTTデータなどです。

人工知能(AI)は、このソフトウェア系に分類されます。今後家電を始めとして様々なハードに人工知能が搭載されていくことが予想されます。ハードをコントロールする部分ですので、その役割は重要です。

プログラマー

ソフトウェア開発そのものを実際に行う職種です。プログラミング言語は200個以上あると言われていますが、専門に扱う言語により、担当できる案件が変わります。

プログラミングの知識やスキルだけでなく、案件によってスピードを求められたり、精度を求められたりと、ニーズも様々です。

ルールに基づいた一貫性の高さが求められます。

システムエンジニア(SE)

システム開発に総合的に関わる職種です。プログラミング言語を扱う他に、マネジメントやコンサルティングも行うこともあります。

システムエンジニアはどちらかというと文系寄りで、クライアントとプログラマーの仲立ちをします。案件などによっては、自分で手を動かすよりも人と話していることのほうが多い場合もあります。

ネットワークエンジニア

複数のパソコンをネットワークで繋いで効率的に運用するなど、ネットワークの構築や運用、保守を行う職種です。複数のOSやハードウェアなど、幅広い知識が求められます。

 

4.ハードウェア系

パソコンやディスプレイ、キーボード、携帯電話など、ハードウェア開発を行う企業のことです。近年はIT技術を組み込んだ家電製品が増加し、パソコン以外のメーカーも広義の意味でハードウェア企業と言われることもあります。

代表的な企業は、NEC、富士通、東芝、日立、ソニーなどです。

今後成長が期待されている3Dプリンタは、このハードウェア系に含まれます。ただ、3Dプリンタで作ったものを使って何をするのか、というソフト面の議論も今後大切になってきます。

組み込み系エンジニア

パソコンを制御する製品など、製品に組み込まれるシステム(組み込みシステム)の開発を担当します。製品の安全性や機能は組み込みエンジニアの技量次第で変わるので、重要なポジションです。

 

全てに共通する営業という職種

ここまでIT業界の分類と代表的な職種についてまとめてきましたが、上記した4つの分野に共通して必要なのが「営業」という職種です。

営業は、サービスを販売する職種です。ITの知識に加えて、自社製品や自社サービスの知識が必要になります。ただ、セールスエンジニアと違ってSEやプログラマーなどの実務経験が必要とは限りません。セールスエンジニアは専門性の高い製品の説明や提案をする役割が大きい職種で、営業職はものを売るプロです。

クライアントに営業を行いますので、知識に加えてプレゼン力や課題解決力が必要になります。

 

スキルをアップデートするとキャリアの選択肢が広がる

スキルをアップデートして、新しい知識や経験・ノウハウを身につけると、どのようなキャリアを歩むことができるようになるのでしょうか。

これまでは、「プログラマー→システムエンジニア→プロジェクトリーダー→プロジェクトマネージャー」という流れが一般的でしたが、近年エンジニアのキャリアは多様化してきています。

ITエンジニアのその後のキャリアステップとして上記の他に、ITアーキテクト、ITスペシャリスト、フルスタックエンジニアなどの道があります。

 

ITアーキテクト

ITアーキテクトは、設計担当のエンジニアです。クライアントからの要望に合わせて、システムや環境などの設計を行います。システムの全体像がわかるような設計技法、プロジェクトを進めるためのリーダーシップやコミュニケーション能力、マネジメント能力が必要です。

案件によっては、最先端のテクノロジーも必要になる場合があります。

 

ITスペシャリスト

ITスペシャリストは、システムの開発や運用の技術的な課題を解決するために、IT製品の導入や技術支援などを行います。ただ1人で全ての領域をカバーするのは難しく、ネットワーク、データベース、セキュリティなど、6つに分類される専門分野のどれかに特化したスペシャリストになるのが一般的です。

ITスペシャリストを名乗るためには、応用情報技術者試験の資格取得と同程度の知識が必要となります。応用情報技術者試験は、合格率20%前後の難易度の高い試験です。

 

フルスタックエンジニア

フルスタックエンジニアはマルチエンジニアとも呼ばれます。システム、サーバ、データベース、ネットワークなど、本来であれば専門の技術者が分担するプロジェクトを全て1人の力で進めることができるエンジニアです。

「スタック(Stack)」とは「重ね合わせる」という意味で、専門のエンジニアが要るような技術を重ね合わせて1人でプロジェクトを担当してしまうようなエンジニアを指します。

特にスタートアップ企業やベンチャー企業など、人手不足になりがちな企業で活躍していることが多いです。

ソフトウェアやデザイン、サーバからデータベースに至るまで、幅広い知識とスキルが要求されます。

 

転職すべきかどうかの判断基準は?

自分が転職をするべきかどうかは「現職でスキルがアップデートできるかどうか」で判断してみてください。

スキルをアップデートするためには、まずは新しい知識やスキルを知る必要があります。現職で新しい知識やスキルを知ることができるのであれば、転職をする必要はありません。

 

例えば、ITコンサルタントのようにクライアントとの会話が多い職種を目指しているのであれば、「わかりやすく説明するスキル」を身につけて自分自身をアップデートする必要があります。

もし現職で部下をもたせてもらい、システムや任せる要件などを説明する際に「わかりやすく説明するスキル」を身につけることができる状況にあるのであれば、現職に残ったほうがITコンサルタントに近づくことができます。

 

転職は、現職でスキルのアップデートができない場合の選択肢の1つです。もし部署異動などでスキルのアップデートができるのであれば、転職の必要はないかもしれません。

転職は目的ではないはずですので、転職をする前に現職でできることはないか、じっくりと考えてみてください。

 

転職はなりたい状態に近づくための手段

IT業界は、変化の激しい領域です。もしその中で安定を手に入れたいのであれば、自分自身も変わっていく必要があります。

その中で、自分がなりたいものを定めた時に、もし現職でスキルのアップデートができるのであれば、まだ転職のタイミングではない可能性があります。現職を続けたほうが、なりたいものに近づけるかもしれないからです。

もし、転職したほうがスキルのアップデートができてなりたいものに近づけるのであれば、転職を選択するべきです。

転職も、現職を続けるのも、なりたい状態に近づくための手段の1つです。ぜひ、最善の選択をして、なりたい状態に近づいていってください。

 

転職を決断したら、転職をするための準備が必要です。関連記事に、IT業界で転職するための準備についてまとめましたので、併せて御覧ください。

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