オピニオン

転職とは何か。

1983年生まれ東京都在住。青山学院中等部・高等部卒。 慶應義塾大学総合政策学部にて、国際政治学を専攻。 卒業論文で学部優秀論文賞(SFC AWARD)受賞。 2006年住友商事に入社し、海外駐在を含めた実務経験から 様々なビジネスの知見を得る。 現在、歴史を軸にしたコンテンツ作成者として活躍中。 冷徹な分析力で現代社会とビジネスを診断する。

世の転職の多くは本当の転職ではない

転職とは何か。原義から紐解いて考えてみましょう。

広辞苑によれば、転職とは「1つの職から他の職に転ずること。職業を変えること。」です。大辞泉によれば、「他の職に変わること」とあります。

また、大辞林によれば「職業を変えること。同業他社へ転じることにもいう。」と書かれています。

 

世間一般の「転職」とは、大辞林の「同業他社へ転じること」だと解釈されることが多いと思います。しかし「職を転じる」という原義に立ち返れば、広辞苑や大辞泉にも書かれているように「今の職業から他の職業に変わること」になると思います。

同業他社に同業種で転じることは、厳密に言えば職業は変わっていないと言えます。

 

そこで、BraveAnswer編集部では、転職を「自分のやりたい事を実現するために新しい職業にチャレンジすること」と定義したいです。

 

環境を変えるだけなら転職とは呼べない

現状は、BraveAnswer編集部の定義に当てはまらない転職が一般的ではないでしょうか。

例えば、営業職の人が転職をして他の会社の営業職に就いた場合、勤めている会社は変わりましたが、職業は変わっていません。

同業ではなく、他業種に移ったとしても、営業職である限りは「同職」であるため、「職を転じる」という転職の原義には当てはまりません。

それでは、他社に転じることで何が変わっているのでしょうか。

 

それは、環境です。

転校をイメージしてみましょう。転校は、学生として学ぶ立場にあることは変わらないものの、学ぶ環境は変わります。

職業を変えずに他社に転じることは転校と同じです。やることは変わらず、周囲の環境が変わる状態。これは職が変わらない以上、原義での転職には当てはめにくいです。

いわば「転環境」。環境が変わっただけです。

 

本当の意味での転職とは

それでは、原義での転職とはどのようなものなのでしょうか。

  • 自分のやりたい事を実現するために全く違う職業に挑戦すること
  • 社内異動をして経験したことがない職種に就くこと
  • 事務職から管理職になること etc…

これらは全て、これまでやってきた仕事とは全く違うことに取り組むことです。

社内異動などは、一般的には転職とは呼びませんが、転職の原義から考えると「職業が変わること」に当てはまる場合もあります。それは転職と言えると思います。

 

元サッカー選手の中田英寿氏は、サッカー選手から、旅人、そしてビジネスパーソンへと「転職」していきました。

一方、サッカー界のレジェンド、三浦知良選手は、たとえ所属チームが変わったとしてもサッカー選手であることに変わりはないので、「転職」はしていません。

新しい職業にチャレンジしているかどうかが、本当の意味での転職に当てはまるかどうかの判断基準なのです。

 

「転環境」を求める人は満足できない

一般的に言われる転職の場合、今いる環境を変えようとして職を変える動きが強いです。

年収を上げたい、人間関係を改善したい、もっと休みがほしい。これらは全て環境の問題ですが、多くの場合、「転環境」を求めて会社を変える人は、新しい環境でも環境に対して新たな不満を持つようになる可能性があります。

そのため、転職を繰り返すジョブホッパーになることも多いです。

 

なぜなら、仕事やプライベートがうまくいかないことを環境のせいにしてしまう傾向があるからです。全てがうまくいく人はそうたくさんはいないでしょう。上手くいかなかったことを環境のせいにするのは簡単です。

時間がないのは仕事のせい。お金がないのも仕事のせい。そうしてまた、環境に満足できなくなり、新たな環境を求めて転職していくのです。

 

環境を変えるだけなら、別の会社に行かなくても、社内異動で実現できるかもしれません。起業や独立という選択肢もあります。何のために別の会社に行くのか、しっかりと考える必要があります。

 

転職はやりたい事を実現するための選択肢である

転職とは、自分のやりたい事を実現するために新しい職業にチャレンジすることです。そのためには、「自分が何をしたいのか」を明確にする必要があります。

自分のやりたい事を実現するために転職が必要なのであれば新しい職業に挑戦するべきだし、やりたい事が今の会社で出来るのであれば今の会社で頑張るべきです。

あくまで転職は、やりたい事を実現するための選択肢なのです。

 

環境ばかりに目が向いていると、たとえ他の会社に行こうとして転職エージェントに相談したとしても、望んだ状態を手に入れることは難しいでしょう。

「これをしたいから、こんな会社に行きたい」と明確にした状態で相談すれば、転職エージェントもそれに応えてくれますが、ただ「年収を良くしたい」というのであれば、年収面だけをみて入りやすい案件の会社を紹介される可能性があります。

もしかしたらその会社は、年収がいいだけで、その他の環境はあなたにとって良くない場所かもしれません。

転職エージェントを利用する上でも、自分のやりたい事を明確にしておく必要があるのです。

 

自分のやりたい事を実現するために挑戦すること。これが、BraveAnswer編集部の考える「転職」の定義であり、意義であると考えています。

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