給与や福利厚生だけじゃない!トータルリワードという企業の選び方

この記事の結論は「企業の選び方には金銭的報酬以外に6つの要素がある。この要素の重要度は人それぞれ違うが、20代にオススメな非金銭的報酬は成長機会」です。リワード(=報酬)と聞くと給与や福利厚生などの金銭的報酬をイメージする人が多いですが、金銭的報酬以外の報酬も含めて会社や仕事を選ぶ「トータルリワード」という概念もあります。この記事では「マンガでよくわかる教える技術② チームリーダー編(かんき出版 石田淳氏 著)」のなかで紹介されているトータルリワードという考え方を基にした企業や仕事の選び方をご紹介します。

 

トータルリワードとは?

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トータルリワード(Total Reward)は直訳すると「総合的な報酬」です。仕事の報酬として一般的な「金銭的報酬」だけでなく「非金銭的報酬」を併せて働く人に価値を提供しようという概念です。

もともとはアメリカで、成果主義をベースにした競争により疲弊した組織に対する新たな魅力づけとしてつくられました。日本では行動科学マネジメント研究所所長の石田 淳氏によって提唱された考え方で、著書などによって紹介されています。

金銭的報酬は働くうえで重要な要素ですが、仕事に金銭的報酬だけを求めている人は少ないのではないでしょうか。「やりがい」や「社風」などに代表される魅力を6つの要素に体系化しているのがトータルリワードなのです。

 

6つの非金銭的報酬とは?

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アメリカのトータルリワードには5つの要素があります。石田氏は1つの要素を付け加えて6つの非金銭的報酬として提唱しています。以下の6つが非金銭的報酬です。

6つの非金銭的報酬

  • 1「承認」(Acknowledgement)
  • 2「均衡」(Balance)
  • 3「文化」(Culture)
  • 4「成長」(Development)
  • 5「環境」(Environment)
  • 6「骨組み」(Frame)

 

1「承認」(Acknowledgement)

「承認」は非金銭的報酬の代表的な要素です。

常に感謝され自分の価値が明確なチームで働く方が、感謝をされず自分が役に立っているのかわからないチームで働くよりも、充実感を感じますよね。

当たり前と感じるリーダーは多いと思いますが、過去1ヶ月間に一緒に働く仲間に感謝の言葉を伝えたり、具体的な評価ポイントをを誉めたりした回数を即答できるリーダーは多くありません。「給与をもらっているのだから承認を求めるのは未熟な証拠」という意見は正論ですが、同じ給与でも常に承認を感じられる職場の方が魅力的なのも事実です。

 

2「均衡」(Balance)

「均衡」はこれからの日本に特に重要な要素です。

「給与は高いけど毎日22時以降の残業や土日の仕事は当たり前」という職場より「給与は平均以下でも必ず定時に終わり、子育てや家族との時間、自分の時間がとれる」職場のほうが良いと考える人が増えているからです。

ワークライフバランスを掲げてプライベートへの理解、尊重があることも立派な報酬なのです。

 

3「文化」(Culture)

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オープンな雰囲気で陰湿な人間関係がなく、立場を超えて自由闊達に意見が言いあえる組織は、ギスギスした雰囲気で社内政治や足の引っ張り合いが横行し、否定をされたり理不尽に怒られたりする組織よりも魅力的です。

前者の組織で平均的な年収で働くほうが、後者の組織で高い年収をもらって働くよりも良いと考える人もいます。仕事の能力とは関係なく、優しい人や文句を言わない人、他人を慮れる人は良い組織文化のために重要な役割を担えるともいえます。

 

4「成長」(Development)

20代にとって一番オススメな非金銭的報酬は「成長機会の提供」です。ビジネスパーソンとして成長し市場価値を高めることができれば、その後のキャリアの自由度が増し、その結果金銭的報酬にも返ってくるからです。「日常業務にメンターやコーチをつけてくれる」「研修やセミナーに参加させてくれる」「資格や本の費用をサポートしてくれる」など、自分の成長に真摯に向き合ってくれる組織を見つけて、自分を磨いてくださいね。

 

5「環境」(Environment)

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「最新のデジタルツールやイスを提供してくれる」「清潔で明るい雰囲気」「在宅勤務も認めてくれる」といった環境面での魅力も非金銭的報酬の一つです。もちろん都会に住みたい人には「会社の近くに住めば家賃負担額が増える」などの制度も魅力的ですよね。

リーダーは働く人それぞれにとっての魅力的な環境を実現できるよう、ニーズの把握、リソースのやりくり、工夫に取り組むべきなのです。

 

6「骨組み」(Frame)

アメリカでトータルリワードについて提唱している「World at Work」はこれまで紹介した5つをトータルリワードとしていますが、石田氏は6つ目のリワードとして「骨組み」を掲げています。

正しい仕事の進め方が確立されていて、事業にビジョンや夢があるほうが、「何のためにやるのか」明確になっていない組織よりも魅力があるという考え方です。できていない組織が意外と多いので、正しい仕事の進め方を確立したり事業のビジョンを明確にすることはそれだけで非金銭的報酬になるのです。

 

現状と理想の乖離を整理する

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この記事を読んだ方にオススメのアクションアイテムは

「自分の現状と理想の乖離を明確にする」

です。いますでに企業に勤めている方であれば、金銭的報酬+6つの要素で自分の現状と理想の乖離をそれぞれの要素で点数化してみてください。

学生などこれから就職先を選ぶ方は金銭的報酬+6つの要素をどの順番で重視するかをランキングしてみてください

誰かと一緒にやると「金銭的報酬も大事だけど文化や承認も大事にしたい」「環境が最も大事。金銭的報酬より重要」など、人と自分の差が見えてきます。その差が自分なりの企業の選び方なのです。

オススメは「20代は成長機会を最も重要な要素とすること」です。20代を自分の成長に投資しておくと、その後のキャリア人生が大きく変わる可能性があるからです。

  • 20代で友人より給与が多いけど成長を感じられない会社
  • 20代は人並の給与しかもらえないけど毎日成長を実感できる会社

この2つの選択肢があった場合、これまでの日本では前者の方が人気でした。経済成長が前提だったので自分に成長実感がなくてもドンドン給与が上がったからです。

これからは、後者を選択する人が賢明といえます。今後の経済環境や熾烈をきわめるグローバル競争を考えると、20代を成長に充てたほうが合理的な判断だからです。

これからの時代の「安定」は給与が高い会社に入ることでも稼いだお金の大部分を貯金に回すことでもありません。ビジネスパーソンとして成長し、自分の市場価値を高め続けることが最も簡単な「安定」の仕方なのです。

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