20代におすすめの転職エージェント全15選!選び方は?そもそも使ったほうが良い?転職サイトとの違いは...
2019.11.11
2019.11.11
【出世】
立派な地位・身分となること。出典:広辞苑
出世したいと思っていますか?それとも、出世にはそこまでこだわりませんか?なぜそう思っているのでしょうか。
出世すれば給与が高くなる、周囲から羨望の的となる、大きな仕事が出来るようになる。だから出世したい。
出世すると仕事量が増える、責任重大になる、ワークライフバランスが崩れる。だから出世したくない。
こんなところでしょうか。
感じていることは、間違ってはいません。確かに出世すれば給与が高くなりますし、代わりに責任を持たなければならない範囲は増えます。
ただ、これは出世する際に発生する副次的なものです。出世の本質はそこにはありません。
出世の本質とはなにか。何のために出世するのか。
それは、自己成長です。
成長をすることで、人生の選択肢が広がります。そして、人生の選択肢を広げる手段の最たるものが、出世です。
10年間役職に就かなかった社員と、出世して10年間で課長になった社員では、経験の幅が違いますし、仮に転職するとなったときにも、より多彩な案件を紹介されるのは課長に出世した方でしょう。
眼の前の仕事を一生懸命頑張って実力をつけ、自己成長し、出世する。その結果が、人生の選択肢を増やすことに結びつきます。
出世は、人生の選択肢を増やすためにもっとも簡単で今すぐ着手できることです。
資格の勉強をするためには、プライベートの時間を投資しなければなりませんし、フリーランスになったら自分から仕事を見つけなければなりません。
その点出世は、仕事の時間は毎日ありますし、仕事も目の前にあります。仕事で結果を出せば評価されて出世に一歩近づきます。
出世こそが自己成長の、そして人生の選択肢を増やす近道なのです。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、新入社員を対象とするセミナーに参加した受講者が対象の「2017(平成29)年度 新入社員意識調査アンケート結果」を公開しています。
このアンケートによれば、新卒入社に対して「出世したい」「出世しなくても好きな仕事を楽しくしたい」の二択で質問をしたところ、前者が46.6%だったのに対して、後者は53.4%という結果になりました。
同調査によれば、2004年からの同質問に対する回答の割合は以下のように変化しています。
①…出世したい
②…出世しなくても好きな仕事を楽しくしたい
年度 | 回答①の割合 | 回答②の割合 |
---|---|---|
2004 | 29.2% | 70.8% |
2005 | 30.7% | 69.3% |
2006 | 32.4% | 67.6% |
2007 | 31.7% | 68.3% |
2008 | 29.0% | 71.0% |
2009 | 33.0% | 67.0% |
2010 | 39.1% | 60.9% |
2011 | 34.4% | 65.6% |
2012 | 37.0% | 63.0% |
2013 | 49.8% | 50.2% |
2014 | 46.2% | 53.8% |
2015 | 47.6% | 52.4% |
2016 | 47.6% | 52.4% |
2017 | 46.6% | 53.4% |
若者の出生欲の低さが問題とされることも多いですが、今回の調査のように、出世に対する意識は上昇傾向にある、と言う事もできるようです。
出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2017(平成29)年度 新入社員意識調査アンケート結果」
既に役職についている人たちの出世意欲はどうなのでしょうか?
学校法人産業能率大学「第4回上場企業の課長に関する実態調査」によれば、課長職に就いている人に対して「最終的になりたい立場」について質問したところ、回答は以下のようになりました。
回答 | 割合(%) |
---|---|
経営者(社長)になる | 4.3% |
役員クラスのポジションに就く | 10.2% |
部長クラスのポジションに就く | 36.0% |
現在のポジションを維持する | 35.0% |
プレーヤーに戻る | 14.5% |
この調査結果からは、
などが読み取れます。
前述したアンケート結果も鑑みると、新卒で入社した人も、既に課長となっている人も、半数近くが出世に対して意欲を示しているのに対して、もう半数は出世意欲が低いことがわかります。
出典:学校法人産業能率大学「第4回上場企業の課長に関する実態調査」
株式会社クロス・マーケティング「若手社員の出世・昇進意識に関する調査」によれば、20代・30代の出世に対する意識は以下の通りです。
20代 | 30代 | 調査全体 | |||
---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | ||
出世したい | 22.4% | 6.0% | 11.6% | 8.0% | 12.0% |
できれば出世したい | 37.2% | 25.6% | 30.4% | 22.0% | 28.8% |
あまり出世にこだわらない | 30.4% | 53.6% | 41.6% | 48.0% | 43.4% |
出世したくない | 10.0% | 14.8% | 16.4% | 22.0% | 15.8% |
20代よりも30代、男性よりも女性の方が、出世に対する意欲が低いことがわかります。
同調査によれば、出世したい理由の1位が「給与・年収が上がるから」であるのに対して、出世したくない理由の1位は「ワークライフバランスのとれた生活をしたいから」となっています。
出典:株式会社クロス・マーケティング「若手社員の出世・昇進意識に関する調査」
なぜ、出世を望まない人がいるのでしょうか。可能性は大きく3つ考えられます。
出世を望まない3つの理由
出世を望まない理由、その1つに「出世した場合と出世しなかった場合の年収の差を知らないから」というものがあるのではないでしょうか。
厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」によれば、役職別の平均給与は以下のとおりです。
役職 | 男性 | 女性 | ||
---|---|---|---|---|
月収 | 平均年齢 | 月収 | 平均年齢 | |
部長 | 65.52万円 | 52.2歳 | 60.16万円 | 51.8歳 |
課長 | 52.64万円 | 48.2歳 | 47.12万円 | 48.9歳 |
係長 | 40.17万円 | 44.8歳 | 35.09万円 | 44.9歳 |
役職なし | 21.49万円 | – | 21.13万円 | – |
男性の場合、役職のない人と係長では、給与に2倍近くの差があります。
この「出世した場合としていない場合の差」を知っているかどうかが、出世意欲に影響しているのではないでしょうか。
出典:厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査 第11表 役職、性別賃金、対前年増減率及び役職・非役職間賃金格差」
母数が大きくなるに連れて、追加されるものの魅力が減っていく(逓減していく)、という現象を限界効用逓減の法則といいます。
30代にもなれば、20代に比べてある程度の給与をもらっていると思います。限界効用逓減の法則に従って、上昇する給与の魅力が減少し、それ以上給与を増やしてまで出世競争などしたくないと感じる、そんな真理もあるのかもしれません。
そもそも自分のキャリアプランが明確でなければ、今の会社で出世したほうがいいのか、それとももう少しプレイヤーでいたほうがいいのか分かりませんし、転職するべきかどうかの判断もつきません。
終身雇用制が崩壊に向かっている以上、個人のキャリアプランがこれまで以上に重要になっています。その中で、今の会社で成長したいのなら出世を目指すべきだし、別のスキルを身につけるために転職を考えているのなら、出世の優先度は低くなります。
キャリアプランを明確にできていないために、出世に対する判断ができていない、という状況もあるのではないでしょうか。
そもそも、出世には明確なルールがあります。もし出世したいと考えているのなら、この出世のためのルールを把握しておかなければなりません。
出世競争という言葉があるように、出世は自分だけでなく他の人も関わってきます。そんな中で1人だけルールを知らないで戦っても、勝ち目はありません。
実は一般的な出世のルールは学問的に理論付けられています。
経済学者のエドワード・P・ラジアーが1980年代に発表した「ランクオーダートーナメント(トーナメント理論)」と呼ばれるものです。
ラジアーによれば、組織における出世の基本ルールは「同じ階層(ランク)にいる人達で、次の出世の順位(オーダー)を競い合う勝ち抜き戦(トーナメント)」です。
出世する度にこのトーナメントが繰り返され、やがてトップにまでたどり着きます。これがルールです。
ただ、1回ランクが上がる度に、トーナメントのルールは変わります。なぜなら「階層(ランク)」が変わるからです。仕事内容が違う以上、課長になるための基準と部長になるための基準は同じではありません。
出世したいなら、ルールを把握する必要があるのです。
出典:エドワード・P・ラジアー「ランクオーダートーナメント(トーナメント理論)」
いざランクオーダートーナメントを勝ち抜いて出世したとしても、ある程度出世するとそこから中々出世できず、一定ラインで足踏みしてしまう人がいます。
このような出生が頭打ちになる人は「卒業はできるが入学はできない」人です。
どういうことか。
例えば事務職で働いている時、書類作成や計算事務などが正確で早い人は、他の人に比べて早く主任になるチャンスを得られます。なぜなら、今担当している仕事で優秀な成績を収めているからです。
このときに用いられる判断基準が「卒業基準」です。
今求められている仕事の基準を「卒業」したので、次のステップに進むことができます。
ところが、卒業基準をクリアしたのに「入学基準」をクリアできない人がいます。
例えば、仕事は素早く正確にこなせる人でも、「仕事のやり方を同僚に教えてください」とお願いしたら「そんな暇はないので、自分で覚えてもらって」などと否定的なことを言うような人に、課長をしてほしくはないですよね。
これは、プレイヤーとしては優秀でもマネージャーとしてはいまいちな状態です。
今の仕事はクリアしていても、一つ上のレベルには達していない人、これが「卒業はできるが入学はできない」人です。
出世するためには、今の仕事をきっちりと対応して卒業基準をクリアした上で、一つ上のレベルにも対応できるかどうかを判断する入学基準もクリアする必要があるのです。
出世したい人が意識すべき4つの行動
仕事の評価は、仕事でしか上がりません。上司に色目を使って気に入られようと、成長して実力がついていなければ、たとえ出世してもそこで苦しむことになります。
仕事の評価をあげるには、目の前の仕事に全力で取り組むこと、そして、関わっている顧客に一途に尽くすこと、これが大切です。
顧客からの評価は自分自身の評価に繋がります。いくら上司に媚を売っても、顧客からの評価が悪い人を出世させようとは思いません。
自分自身の成長のためにも、上司ではなく、真の顧客に対して一途であることが必要です。
何でも1人でやろうとする人は、マネジメントをしっかりと出来る人に比べて仕事量に限界があることは、前述のとおりです。
独りよがりになりがちな人は、他人に耳を傾けていない事が多いです。「自分のほうが正しい」と思っていると、誰かに仕事を任せることもできませんし、ミスに気付くのも難しくなります。
もし誰かと一緒にプロジェクトをしようと思うなら、他人に耳を傾けることを意識的に行うのが大切です。
変化の激しいこの時代に、最初の志を忘れず、初志貫徹するのは難しいものです。ただそれも、周囲を巻き込むことで可能になることがあります。
プロジェクトで挫折しそうになっても、周囲を巻き込む力があれば、助けを借りて完遂できるかもしれません。
誰かに手伝ってもらうことは、プロジェクト進行にために必要なことです。周囲を巻き込む力があれば、より大きなプロジェクトも担当することが出来るようになります。
前述したように、1人よりも2人のほうが仕事に取り組める時間が増えます。大きな仕事がしたければ、周囲を巻き込むことを意識してみてください。
承認欲求を満たすのは、実はかなり難しいです。
部下が承認欲求を満たされたと感じる瞬間は、「上司が自分のことを理解してくれている」と感じている状態で、自分の仕事を認めてもらえたときです。
「自分がやってきたことは間違いない。なぜなら自分のことを理解してくれている上司も認めてくれたから」という感情が、承認欲求を満たします。
つまり、部下の承認欲求を満たすためには、まず自分から、部下が今どのような状態に置かれているのか理解して、信頼を獲得する必要があります。
その上で、成果に対して的確な評価を下す必要があります。何でもかんでも褒めればいいというものではありません。できていないものはそう指摘すべきだし、想定よりもできていれば素直に褒めてあげるべきです。
そうやって、忖度なしの評価を伝えることで自分から部下への評価は信頼の置けるものになり、高評価をしたときに承認欲求が満たされるのです。
出世するためのその他のポイントは「出世街道にのりたいなら意識するべき7つのポイント」にまとめていますので、併せてご覧ください。