20代におすすめの転職エージェント全15選!選び方は?そもそも使ったほうが良い?転職サイトとの違いは...
2019.11.8
2019.11.8
ブラック企業は、定量的な数字だけで判断するだけでなく、定性的な職場の雰囲気や企業文化・風習、顧客との関係性など、様々な面から判断する必要があります。
ブラック企業というレッテルを貼るのは容易ですが、実態をしっかりと掴んで、レッテルに踊らされないようにしなければ、判断を誤ります。
大切なのは、企業に何を求めるのか。仕事を通じて、自分は何がしたいのか、何を得たいのか。そして、10年後、20年後に、どんな状態になっていたいのか。
ブラック企業かどうかの判断は、自分の軸や価値観によって変わります。もちろん、プライベートに関する価値観も含めてです。
それでは、ブラック企業とは何なのでしょうか。
BraveAnswer編集部では、ブラック企業を「なりたい自分像を実現する事ができない環境を提供している企業」と定義しています。
つまり、自分の軸や価値観で判断したときに、自分とはそぐわない企業のことです。ブラック企業かどうかは自分の主観で判断するべきです。
ブラック企業なのかを判断するためには、なりたい自分像や自分の軸、価値観などを持っている必要があります。
なりたい自分像を思い描き、自分の軸を作り上げる力を、BraveAnswer編集部では「グランドデザインを描く力」と呼んでいます。
グランドデザインを描き、それに照らし合わせたときに自分にとって価値のある企業かどうか。これが、ブラック企業かどうかの判断基準です。
周囲の評価に惑わされずに、自分の目で判断することが大切なのです。
とはいえ、ブラック企業の一般的な定義や要素を知らなければ、自分の目で判断する際の判断材料が足りないことにもなりかねません。
まずは一般的なところを確認していきましょう。
フラック企業という言葉は元々、インターネット上で生まれたネットスラングでした。そのため、労働基準法などで明確に定義されているわけではありません。
ただ、判断基準はあります。
厚生労働省のホームページによれば、ブラック企業には一般的に以下のような特徴があるとされています。
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
また、広辞苑には以下のように記されています。
従業員を違法または劣悪な労働条件で酷使する企業
出典:広辞苑第七版
一般的にはこのように定義されていますが、これはBraveAnswer編集部が定義するブラック企業と一致しない部分もあります。
例えば
こんな状態に陥った場合、市場価値が高まらなかったために、新たに職に就くことができないかもしれません。
自分の市場価値を高める目的で就職したのであれば、「市場価値を高められない企業」という観点から、本人にとって望ましくない環境がそこにあります。
多少労働時間が長くても自分の納得行くまで掘り下げて業務に取り組みたい、という人にとっては、上記のような企業は必ずしも正しいとは限りません。
このような「なりたい自分像を実現する事ができない環境を提供している企業」は、ホワイト企業とは言えないのではないでしょうか。
また、「仕事終わりにみんなでピザを頼んでもうひと頑張りする」ような企業は、一見フラットな関係で働きやすそうに見えますが、ここに少しでも強制力がかかればパワハラになってしまいます。
これも、誰にとってもホワイトな企業だとは言い切れません。
今では一般的に使われるようになった「ブラック企業」という言葉ですが、中にはこの言葉だけが先行し、何がブラック企業なのかを理解せずに、休日や残業、給与などの待遇面を中心にして判断をしてしまう人もいると思います。
数字だけで判断してしまうと、ブラック企業ではないと思って転職した企業が実はブラック企業だった、ということにもなりかねません。
ブラック企業の実態を掴むためには、なぜブラック企業が生まれるのか、その要因を知る必要があります。実はブラック企業が生まれる要因は、企業以外に場所にあることもあるのです。
ブラック企業が生まれる4つの要因
日本の労働基準法は他国と比較しても遜色ないほど綿密に作られているものの、実際には抜け穴も存在します。
例えば労働時間。
労働時間に関しては、労働基準法第32条で「1週間40時間、1日8時間」と規定されています。
一方で、時間外労働・休日労働協定(いわゆる36協定)によって、一定の条件を満たした場合には、この条件を超えて働くこともできます。これが残業です。
この規則を破って労働させると、労働基準法違反となります。
ただ、ブラック企業にとって労働法違反は「赤信号皆で渡れば怖くない」状態なことも多いです。
本当は違法だと知っているけれど、他の企業もやっているし、万一捕まったとしても罰金を払えばいい。
そのような意識がある部分もあります。
実際、労働基準法違反が発覚してもそれがすぐに犯罪扱いになるわけではありません。まず労働基準監督署による指導があり、それでも改善されない悪質なケースのみ書類送検となります。
そこで起訴され、有罪判決が出て初めて実刑となるのです。
しかもその量刑は、もっとも重いもので「1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金」、軽いものだと「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」や「30万円以下の罰金」です。
この程度の量刑なら、「ブラック状態を改善するより罰金を払った方が楽」と考える企業もあるかもしれません。
改善策として、2019年に「労働時間の上限規制」の施行が予定されており、残業時間の上限が引き下げられることになっています。
働き方改革によって、労働条件は少しずつ改善していっています。
日本では、新卒一括採用など、日本独自の雇用環境があります。
企業は、企業の幹部候補生として人材採用をします。企業に貢献することができれば、将来はトップマネジメントに昇格する可能性があります。
一方で、正社員は重責を負い、企業の都合次第で残業や出向、転籍などが言い渡されます。
企業にとっては、特定の職種としてではなく一括で採用することで、不足したポストに人材を移動させたり、新規事業を始めるときに人を集めやすかったりと、社員を自由に異動させられることによるメリットがあります。
ただ実際に異動させられる社員は、「仕事内容が変わるために習熟するまでに時間がかかる」「環境が変わるので人間関係の構築まで時間が必要」などの理由で、労働時間が長くなってしまいます。
欧米の場合、会社には個々の業務や職務要件が詳細に規定されており、その要件を満たせる能力やスキルを持った人が採用されます。
日本のように、成長を見込んで採用するのではなく、必要な場所に必要な人材を採用するのです。
そのため企業が主導権を持って転籍や出向を命じることはなく、基本的には就いた職種を続けていくことになります。
これまでの日本では、1つの企業にずっと勤めることが当たり前とされてきましたが、時代が変わりました。
一人ひとりが自分のキャリアを考える時代になっており、働き方も自分で決められる時代が来ようとしています。
その意味では、雇用慣行によるブラック企業の誕生は徐々に減ってくるのかも知れません。
「これまで長時間働いて成果を出してきた人」が役職についている場合は、自身の成功体験を元に「長時間働けば成果が出るはず」と考え、長時間労働を助長することがあります。
日本では「長い時間働いている=頑張っている」という風潮があるように思います。確かに高度成長期には、働けば働くだけ成果を得ることができたので、労働時間が評価対象になっていました。
だた今では、効率よく仕事ができることが求められています。
より生産性高く成果を出すためにはどうすればいいのか、常に考え続けない限り、いずれは生産性向上の波にのまれてロボットやAIに代替されてしまうでしょう。
従業員こそ被害者、というイメージがありますが、実は従業員自身が原因の場合もあるのです。
ブラックな環境を生み出す顧客というのが存在します。
自分はお金を払う側である、という立場を利用して無理な要求を通そうとする顧客のことです。
「お客様は神様。クレームはラブレター」という言葉がありますが、相手企業の従業員のことを配慮せず、厳しい要求ばかりする顧客はもはや神様でもなければお客様でもありません。
例えば、「金曜日の夜に連絡が来て月曜日の朝締め切り」というような要求をする顧客は、必然的にこちらが休日に働かなければならない現実を理解したうえで依頼をしているはずです。
それでもそのような要求をしてくる顧客が、ブラック企業を生み出す一端を担っているのです。
背景には、産業ヒエラルキーも関係しています。いわゆる代理店などは、「代わりに販売させていただいている」という立場から、クライアントに強い態度を取ることができない場合が多いです。
商社などは給与が高く、仕事ができるビジネスパーソンというイメージがありますが、「代わりに販売する」という立場上、産業ヒエラルキーは高くありません。
このような立場の企業は、顧客との関係からブラック企業化しやすい傾向にあります。
ブラック企業かどうかを見抜くためには、どこを確認すればいいのか知っておく必要があります。労働時間などの数字ばかりではなく、直接見聞きする情報も大切です。
ブラック企業を見抜く5つの方法
企業のホームページには様々な情報が載っています。特に以下のような特徴がホームページにあったら、注意が必要です。ただし、1つでも当てはまればブラック企業、というわけではありません。
あくまでも「可能性がある」という観点で確認してみてください。
インターネットが情報インフラとして機能している現代において、自社をアピールできる場であるホームページがない企業には注意が必要です。企業情報の中で公表したくないものがあるか、必要以上に経費を削減している可能性があります。
ブラック企業は人の入れ替わりが激しいことが多いです。自社のホームページ上に求人情報を掲載している企業も多いですが、常時多くの求人を出している場合には注意が必要です。
上記したように、ホームページは自社をアピールできる場です。にもかかわらず、事業内容がわからないとなると、ホームページをしっかりと作り込む余裕がなかったり、ホームページの作成に割く経費を削減していたりするかも知れません。
若い世代が活躍していることを売りにする記載があるときがあります。一見働きやすそうな印象を受けますが、見方を変えれば、長期的にキャリアを積んだ人が少ない可能性がある、とも言えます。
創業から日が浅い企業の場合は仕方ないかもしれませんが、創業から10年以上経っているにもかかわらず若い社員が非常に多い場合は、注意が必要です。
企業の内情を知る一番の方法は、そこで働いている人の意見を聞くことです。転職サイトや口コミサイトには、企業ではたらく人の書き込みを見ることが出来るサイトもあります。
ただあくまでもインターネット上の情報ですので、信ぴょう性が高くないことは理解しておいてください。
直接企業に電話してしまうのも方法の1つです。電話に出た人の対応で、企業の雰囲気を掴むことができます。
また、夜遅い時間や土日に電話をかけることで、残業や土日出勤の実態を知ることができます。留守電になってしまう場合が多いですが、そうならない企業もありますので、1度電話してみることをおすすめします。
実際にオフィスに行く機会があればチャンスです。企業の雰囲気を肌で感じることができます。オフィスに行く際には、以下のような点をチェックしてみてください。
オフィスが散らかっていたり、受付やトイレが汚れている場合は、社外の人に配慮できていない企業と言えます。
人手不足でそこまで手が回っていない可能性もあるので注意が必要です。
社員の態度や対応が良くない場合は、社内で上司などから同様の扱いを受けている可能性があります。入社後も同様の対応をされてしまうかもしれません。
また、怒鳴り声が聞こえてくるなど、客として訪れた際に違和感を感じる状況がある場合も気をつける必要があります。
採用面接の際に、業務内容や待遇などの質問に答えない面接官がいる場合には注意が必要です。逆に、過度に自社のいいところをアピールしてくる企業も注意してください。
なにか良くない部分を隠そうとしている可能性があります。
ブラック企業となってしまう要因の1つに、社長の存在があります。もし社長が
などあった場合は、社長に問題があるかもしれません。社長を知る機会があれば、注意して観察してみてください。
もしご自身が意図せずブラック企業に就職してしまった場合、とるべき選択肢はいくつかあります。選択肢を知った上で、身の振り方を考える必要があります。
ブラック企業で働く人がするべき選択
「ここで通用しなければどこに行っても通用しない」「この業界では常識だ」と言われたことがある人もいると思います。
もしそれがビジネスパーソンとして基礎的なことで言われたのであればその通りかもしれませんが、「たくさん残業して間に合わせろ」のように、明らかに無理をしろ、という文脈で言われたのであれば正しいとは言えません。
経済産業省の調査によれば、日本の企業数は約421万社です。もし1社で活躍できなかったとしても、他の421万社で通用しないとは限りません。
ブラック企業で健康を害したり、精神的に追い詰められるくらいなら、勇気を持って転職するのも選択肢の1つです。
転職活動をするのなら、転職エージェントに登録するのがおすすめです。転職エージェントについては「転職エージェントとは?比較とおすすめ!転職サイトにはないメリット・デメリット」に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
労働環境が悪いのであれば、その証拠を残しておくことが大切です。退職する際に有利な条件で退職できたり、残業代を取り戻せる可能性があります。
もし関係がこじれて法律絡みに発展した場合も、有利に事を進めることができます。
以下のようなものが証拠として有効ですので、保存しておくのがオススメです。
自分だけでなんとかできない場合や、今の職場に違和感を感じたら、専門家に相談するのも手段です。
残業代や過労による損害賠償を請求する際など、企業を相手取って争う場合には、弁護士に連絡することになります。
依頼する場合は料金が発生しますが、無料相談を受け付けている事務所もありますので、自分の現状や、もし裁判になった際にどうなるのか、相談してみてください。
また「JustAnswer」という、専門家にオンラインで質問ができるサービスもあります。もし弁護士事務所に行く時間がないのであれば、このようなオンラインサービスを使うのも方法の1つです。
日本には、ブラック企業の問題を相談できるNPO法人がいくつかあります。
もし自分が勤めている企業がブラック企業かわからなかったり、残業代が支払われていない場合にどうすればいいかわからなかったりしたら、NPO法人に相談する方法もあります。
パワハラや退職の追い込みなど、労働問題全般の相談ができます。
厚生労働省のホームページに各都道府県にある労働基準監督署の住所や電話番号が載っていますので、連絡を取りたい場合はご自宅や会社近くの労働基準監督署を調べて相談してみてください。
ブラック企業で働く人には2種類の人がいます。ブラック企業を使っている人と、ブラック企業に使わている人です。
もし、自分の成長のためになると考えるなら、あえてブラック企業で働き続ける、という選択もあります。
もちろん、健康や精神に影響があるようなら続けるべきではありませんが、ブラック企業を利用するという選択があることも覚えておいてください。
自分がどちらの人間なのか迷ったら、「ブラック企業に『使われている側』のみなさまへ」を併せて読むことをおすすめします。
2018年1月に「職業安定法」が改正されました。
企業が求人を出す場合に最低限明示しなければならない情報が変わり、裁量労働制を採用している場合はそれを明記する必要があるなど、公開する情報がより多くなりました。
これに違反した場合には行政指導や罰則の対象となります。
これは、「求人票に記載されていた賃金が受け取れない」「就業時間や仕事内容が事前に聞いていたものと違う」などのトラブルを防ぐものです。
求職者は、より正確で詳しい求人情報を受け取ることが出来るようになりました。
また、厚生労働省は「労働基準関係法令違反に係る公表事案」という資料を発表しています。通称「ブラック企業リスト」と呼ばれています。
労働基準関係法に違反した企業が掲載されており、残業代の未払いや違法な時間外労働の他に、安全措置をせずに危険な作業をさせていた事例なども公表されています。
転職の際には、一通り目を通しておくのがおすすめです。
ここまで、一般的なブラック企業に関する情報をまとめてきました。
記事冒頭でも記したように、大切なのは自分の軸でブラック企業かどうか判断することです。
以上の点をふまえて、自分にとって価値のあるキャリア・企業を判断する際の判断軸の参考にこの記事をご利用ください。
【グランドデザインについて】
グランドデザインについて、詳しくは「AIはゲルニカを描けるのか?」にまとめましたので、併せて御覧ください。
また、デザインを描く力は、ブラック企業かどうかを判断するためだけでなく、AI時代を生き抜くためにも必要な力です。
グランドデザインとAI時代の関係性については「代替されゆく思考。AI時代を生き抜く力とは。」にまとめましたので、こちらも併せてご覧ください。