オピニオン

知らない自分に会いに行こう

1984年生まれ。東京都在住。慶應義塾大学環境情報学部卒業。映画、音楽、読書をこよなく愛す編集者。

新しい年が始まって、気持ちを新たに行動をしていこうと考えている人も多いかと思います。

 

みなさん、目標の立て方ってどうしてますか?

「新しい行動をどうセットするのか」は重要なテーマですよね。

 

新たに行動を始めるのだから、より夢中になれるものをみつけたい。どうすればいいかを一緒に考えてみましょう。

 

新しい行動を設定する上で必要とされるのが「チャレンジ精神」です。

新しい行動には、どんなに些細なものであっても変化をもたらすことに変わりないからです。

中には「チャレンジ」という言葉に対して躊躇するような思いを抱いている方もいるのではないでしょうか。それは、本当に心が震えるような出来事にこそ、「チャレンジ」をしたいという感情のあらわれだと思っています。

 

そんな感情をくすぶらせたままで終わらせずに、心がふるえるような1年を過ごすための新しい行動を見つける上で、「チャレンジ」は重要な要素です。

そもそも、チャレンジとは何でしょうか。

 

デジタル大辞泉を引いてみると

困難な問題や未経験のことなどに取り組むこと。

とあります。

 

チャレンジとは、現在自分がいる場所から外側(困難な問題、未経験なこと)へジャンプを要するものと読み取ることができます。

 

もちろん、やみくもに「困難な問題」「未経験なこと」を設定しても、やりたくないことであっては意味がないので、

  • 本当にやりたいことは何か
  • 本当に美しいと思える価値は何か
  • 本当に心が奮えることは何か
  • 本当に信じていることは何か

ということを考えることはさらに大切です。

 

つまり、ここでは「チャレンジ」を

  • 本当にやりたいことで自分の外側にジャンプする行為

と定義したいと思います。

 

 

 

では、どうやって本当にやりたいと思えるワクワクするような「困難な問題」「未経験なこと」を見つければいいのでしょうか。

「新しい行動」を設定する上でもっとも重要な部分です。

 

ポイントは、今の当たり前と思っている自分の中の常識や考えを疑うことです。

なぜならば、「チャレンジ」とはそもそも自分の外側にジャンプする行為だからです。

 

 

私が、常識や考えの外に出たと実感した経験をお話しします。

10年ほど前、まだ学生だった時に「Living Together」というHIVについてのキャンペーンイベントに参加した時のことです。

「Living Together」というキャンペーンは「HIVをもっている人も、そうじゃない人も、僕らはすでに一緒に生きている」という言葉のもとに「コミュニティーセンターacta」と「ぷれいす東京」が主催しています。

HIVを正しく知ることで、社会的にできつつあったHIV陽性者への偏見を変えていこうというものです。

 

イベントではHIVを正しく知るための情報発信や、HIV陽性の当事者やその周りで一緒に過ごしている人との生活などのリアリティを実際にHIVをもっている人のトークを聞くことができます。

 

 

私はそれまで、自分はHIVについて理解のある方だと思い込んでいました。しかし、実際にそのイベントでリアルにHIVとともに生きている方と直に話をすることで、自分の中の深い部分にHIVというものにラベルを貼ってただ遠ざけている心があることに気がつきました。

知ろうとせずに、無思考に遠ざけようとするある種の差別心があったのです。

 

もう一度言います。自分は、もともとHIVはきちんと理解したいし、差別したくないと思っていました。それが自分にとっての常識で、本当の考えだと思っていたつもりだったけれど、実際のリアルに触れたその時点での自分の心の「真実」はHIVへの差別心でした。

まさに当たり前と思っている常識や考えの外側に「真実(本当の自分の感覚)」があったわけです。

 

自分にがっかりしました。

自分は理解のある善い人間であるという安易な自負(居心地の良さ)から、もしかしたら自分は最低の人間なのかもしれないという場所へ叩き落とされたのです。

 

当たり前と思っている常識や考え(固定観念や世間体など)の外側にでることは時に痛みを伴います。ただ、常識をはいだところには良くも悪くも知らない自分との出会いがあります。

こんなことを感じている自分がいるのか。と。

 

実際にその時、同時に心の温度が上がっている自分がいたことをよく覚えています。

「どのようにすれば自分の中の差別心を本当の意味で変えることができるのか」「色々な価値に触れて、多くのものを内包した人間になりたい」と本当に自分の望む方向へ向かう「チャレンジ」が見えたからです。

 

その意味でも「Living Together」と関われたことは、大変貴重な経験でした。

本やネットの知識だけでは絶対に手に入らなかったものを得ることができました。

 

その時見つけた「チャレンジ」は現在でも続いています。

時間を見つけては海外に旅に出てみたり、震災のボランティアに参加してみたり。「自分の外側のリアルな場を経験してみて自分がどう感じるのか」という価値観が行動を選択するひとつの基準となっています。

 

自分の中の「真実」に気づき、知らない自分に出会うことは、その真実が自分にとって希望を与えてくれるものであれ、この時のように自分をがっかりさせるものであれ、根本的な行動の転換をうながしてくれるのです。

 

「自分にとっての真実」は、当たり前に思っている考えや常識の外側に隠れていることが往々にしてあります。

本当にしたいことを見つけるためには、時に、表層にある常識を疑い、自分の当たり前の外に出て、自分の心の底にあるものを探ることが必要になるのです。

 

 

チャレンジについて、皆さんのキャリアの話に引き寄せて考えてみましょう。

キャリアを取り巻く環境自体が、これまでの常識が通用しないものになってきています。日本企業の終身雇用制度は、グローバル化の波の中で、すでに安泰ではなくなってきています。

 

このような環境の中で、世界の新しい波にのるために、企業規模においても個人レベルにおいても「チャレンジ」は必須のものとなってきているのです。

しかし、頭ではわかっていても、今まで積み上げてきた常識や考えから抜け出して、「これだ!」と思える「チャレンジ」を見つけることは難しいものです。

ビジネスの世界ではなおさら、選択を迫られた時にこれまでの常識から安全だといわれる道が見えてしまうのではないでしょうか。生活・家族・人間関係・お金など様々な要素が絡まっているのが現実です。

 

ただ、今まで安全に見えた道も、もはや安全と言い切れることはできなくなってきているのが現状です。

 

そんな環境の中で、心をふるわせるような「チャレンジ」をしたい。

 

では、どうするか。

 

自分の常識や考えの外側にでることです。

 

では、どうやって外側に出るのか。

 

私の経験のようにリアルの場にでて、自分とは違う世界に触れることがひとつの方法です。

積極的にリアルの場にでて、実際に関係性の中で肌で感じてみることでしか受け取れない価値があるからです。

 

 

我々BraveAnswer編集部が「BraveAnswerプレイス」というリアルな交流の場を作っているのはそのためです。

キャリアのことだけでなく、自分が知っていた世界と違う価値観、多様な世界に出会う瞬間を肌で感じることはとても尊いことです。それは、自分の知らない自分に出会うきっかけになると考えているからです。
自分の常識や考えの外に、自分が知らない自分がいるということを忘れないでください。

知らない自分との出会いはきっとあなたを次のワクワクする「チャレンジ」へと導いてくれるでしょう。

 

 

ひとりでも多くの人が心がふるえるような「チャレンジ」を見つけられますように。

 

 

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