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大きいことはいいことだ

1984年生まれ。東京都在住。慶應義塾大学環境情報学部卒業。映画、音楽、読書をこよなく愛す編集者。ビジネスについて勉強中。

「大きいことはいいことだ」

その昔、森永のチョコレートのCMで有名になったフレーズです。

戦後の貧しい時代を経て、高度経済成長期に入る時代。

「少ない物資から幸せを感じよう」という価値観から、経済成長を背景に「大きいものを買ってもいいじゃないか」という価値観へと移行する時代にマッチした言葉でした。

 

そんな言葉が流行した時代は一周して、現在では電子機器を中心とした多くの製品の小型化が当たり前の時代になっています。

経済成長を果たし物で溢れかえっている中で、逆に洗練された「小さいもの」という価値観が高まっている時代なのです。

一概に(高度経済成長期の)食料品と(現代の)電子機器を比べても意味はありませんが、食料品にしても「ヘルシー」などの価値は同一線上にあるように思えます。

 

先日、ツイッターを見ていると、「アストロデザイン社、世界初のDLP 8Kプロジェクタを発表」というニュースが目に入ってきました。

なぜ冒頭で「大きいものはいいことだ」の話をしたかというと、その8Kプロジェクタの「大きく無骨な形(業務用ということもある)」にハッとしていろいろと考えることがあったからです。

 

というのも「大きく無骨な製品だな」という印象自体を久しぶりに感じたなと思ったわけです。最初期の携帯電話を現在改めて見た時の感覚といえばいいでしょうか。

もちろんプロジェクタの性能は素晴らしく、世界初のDLP 8Kプロジェクタで、間違いなく現時点で世界最高峰のプロジェクタのひとつです。

8Kプロジェクタという世界初の領域を実現するために、現時点ではその大きさその形が必要だったのでしょう。

 

私たちは現在の洗練された小さな製品たちに慣れているので、(こと電子機器については)無骨で大きなことをマイナスと捉えてしまいがちです。

しかし、世界で誰も見たことがないものを生み出したい(プロジェクタで8Kの世界を見せるのだ)という想像力と行動力という意味では、「洗練されていないこと」「無骨で大きい」ということも、マイナスなことではないのではないでしょうか。

 

なんでもそうですが、発展途上のものは「洗練」されてはいません。

これは、電子機器に限らず、私たち人間も同じです。

 

もちろん現在当たり前になっている「機能はそのまま大きさは半分」というような洗練された状態は完成品として素晴らしいものです。

ただ、最初から「洗練された」「小さな」ものを目指していたら、実現できない世界があるのではないかということです。

たとえ「無骨」になってしまっても自分の想像を大きく膨らませて、形にしてみるという段階が新しい世界を創っているのだということを「無骨な」8Kプロジェクタが示しています。

 

 

現在「洗練され」「小さくまとまっている」ことはひとつの価値として多くの人をとらえています。

ただ、すべてのものや人が完成され、洗練されたものになってしまったらどうでしょうか。時代は止まってしまうのではないでしょうか。

 

だからこそ、今、声を大にして言いたい。

「大きいことはいいことだ」

と。

 

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