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娯楽と遊びは違います。

1984年生まれ。東京都在住。慶應義塾大学環境情報学部卒業。映画、音楽、読書をこよなく愛す。Brave Answer編集長。

先日、仕事を終えた後、プロ野球を見に行きました。

プロ野球を見に行くたびに、年々、これは純粋に野球を楽しむというよりは、ビールを飲みながらゆったりとした時間を楽しむものなんだなと思うようになっています。

みなさん、空いた時間どんな楽しみ方をしてますでしょうか。

 

世の中には、いろいろな娯楽があります。

テレビをつければ、バラエティ番組がいつも流れていますし、スマホでゲームをする人もいるでしょう。街に出れば、映画館、カフェで読書、コンサートに出かけたり、落語の寄席に行ってみたり。

現在、娯楽の種類は、過去に類を見ないほどの多様になっているのではないでしょうか。特に、スマホの普及により、移動時間などの隙間の時間にも新しい娯楽産業の入る隙が生まれました。動画サイト、SNSなどもある意味で娯楽といえるとでしょう。人とのコミュニケーションも隙間時間に娯楽のような感覚で行えるようになっています。

 

今回は、そんな娯楽について少し立ち止まって考えてみたいと思います。ビジネスにも役に立つ話なのではないでしょうか。

 

「娯楽」と「遊び」の違いについてです。同じ楽しむということで、「娯楽」と「遊び」は同じような意味で捉えられがちですが、この両者を分けて考えてみたいと思います。

 

「娯楽」「遊び」とはなんでしょうか。

日本大百科全書(ニッポニカ)に「娯楽」と「遊び」について興味深い記述があります。

娯楽
ごらく
entertainment

一般に人間の心を楽しませ慰める活動をさす。したがって娯楽は、睡眠・食事・その他の生理的必需行動や労働・学業などの義務的行動の対極にあって、余暇時間のなかで行われることが多い。その意味では、レクリエーションや遊びと近い概念である。しかしレクリエーションは、心身の緊張緩和・リフレッシュという役割・機能を重くみる概念であり、活動の内容や種類にはあまりウェイトを置いていない。また遊びは、生理的必需行動や労働・学業などの日常生活から離れて、報酬や損得や生産性を問題とせず、遊ぶこと自体を目的とする自由な行動であり、行う人間にとっての意味づけを重視する哲学的な概念である。したがって、これらとの対比でいえば、娯楽は、レクリエーションや遊びのなかで採用されることの多い行動のうち、人間を楽しませるような諸行動の総括名称であると同時に、それを行う人間の活動そのものをもさす名称であるということができよう。[田村穣生]

 

(日本大百科全書より:赤線、アンダーラインは筆者が付け足し)

 

娯楽は、「一般に人間の心を楽しませ慰める活動」とあります。

誰かを能動的に楽しませようとする行為を娯楽というのです。言い換えれば、私たちが普段から触れているバラエティ番組やスマホのゲームなどの娯楽を楽しむことは、誰かが能動的に楽しませようとしているものを享受していることと言えます。

多くの場合、娯楽に触れるとき、私たちは「受動的に」楽しませてもらっているということになります。

 

「遊び」はどうでしょうか。「遊ぶこと自体を目的とする自由な行動であり、行う人間にとっての意味づけを重視する」とあります。つまり、遊びそれ自体が「主体的」な行動です。

 

「娯楽の楽しみ」には受動的な側面があるという性質があり、「遊びの楽しみ」はそれ自体が主体的という性質があるのです。

 

これは重要な違いです。受動的であることと主体的であることでは、人生において大きな違いになるからです。

 

ビジネスに引き寄せて考えてみるとスティーブン・コヴィー博士は著書「グレート・ワーク・グレート・キャリア」でこのように言っています。

激動するこの新しい時代、職務記述書を受け身的に実行しているだけではたちまち相手にされなくなり、脇に追いやられてしまう。

何気ない隙間時間と思うかもしれませんが、積み重なると膨大な時間になります。その時間を受動的なものに使っていると、受動的なマインドの習慣をつけることになるのです。

 

たくさんの娯楽が簡単に手に入るようになると、気付いたら受動的に楽しませてもらっている状態になりやすくなります。

 

楽しせてもらっているのか、楽しんでいるのか。

 

現代は「娯楽」に溢れた時代ですが、「遊び(主体的に楽しむこと)」の総量はどうでしょうか。増えているでしょうか。

 

もちろん娯楽も「主体的に」楽しむことはできます。「どうやったらこのゲームを誰よりも高得点でクリアできるか」「この映画をもっと深く見てみよう」など、自分でさらに突っ込んだ楽しみ方はいくらでもできます。

「スマホゲームはくだらない」とか、「映画なんて意味ない」ということはありません。主体的に向き合って、主体的なマインドである習慣をつけているかということが重要なのです。

 

「娯楽」に触れるとき本当に「遊んで」いますか?

 

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