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ブルース音楽は人生を面白くするコツを教えてくれる

1984年生まれ。東京都在住。慶應義塾大学環境情報学部卒業。映画、音楽、読書をこよなく愛す編集者。

みなさんブルースという音楽を知っていますか?

アメリカ黒人音楽のブルースです。

気だるいリズムの中で、黒人シンガーが日頃の鬱憤を歌うというただそれだけの音楽なのですが、1900年初頭にアメリカ音楽史の表舞台に出てきたとされる(諸説あります)この音楽はいまだに多くの愛好者を生み出し続けています。

 

ブルースは現在のポピュラー音楽ほぼすべての源流になっている音楽ともいわれています。

ジャズ、ロック、ポップ、ヒップホップ、ファンクなど現在市場に溢れている音楽のほとんどがブルースから何らかの形で影響を受けていると言ってもいいでしょう。あのビートルズもブルースの影響をことあるごとに公言していました。

 

このブルースという音楽の魅力はその歴史的背景にあります。

 

ご存知の方もいるとは思いますが、ブルースの歴史はアメリカの奴隷制度という悲惨な歴史と切っても切れないものです。

アメリカでは、1640年代から1865年(アメリカ合衆国憲法修正第13条成立)まで合法的に奴隷制度というものがありました。この奴隷制度によって、アフリカから奴隷貿易によって多くの黒人がアメリカに強制的に連れてこられ、奴隷として綿花のプランテーションなどで働かされていたのです。

ブルースはこの黒人奴隷たちが、働いていた畑などで仕事の苦労を癒すために自分たちの故郷を思い、自分たちの故郷の旋律(いわゆる西洋音楽の旋律ではない土着的なメロディー)で歌を歌っていたことが始まりだとされています。ブルースのおおもとは黒人たちの労働歌なのです。

歌の内容は

  • 「俺は家に帰るんだ」
  • 「これからの楽しい時間を想像するんだ。魂は幸せ」
  • 「今日も仕事だ。もうんざりだぜ」

など、歴史的に置かれた自分たちの苦悩や喜びをそのまま歌詞にして歌っているものです。

(ブルースの歌詞は本当に色々なものがあって、どれも味わい深いものなので是非調べてみてください)

 

ブルースの歌はシンプルで一見何でもない歌ですが、何がすごいかというと、その人が歌わなければ意味がないということです。言い換えれば、歌う人によって意味合いが変わってくる音楽なのです。

例えば、私が「俺は家に帰るんだ」と歌っても、「お疲れ様ー」くらいの薄っぺらい意味にしかなりません。

しかし、黒人奴隷たちが歌った「家」とは故郷のアフリカのことかもしれないし、故郷を失った人の「家」かもしれないし、誰にも支配されない自分の「家」を持ちたいという「家」かもしれないし、その歌う人物の持つ固有の歴史・人生的背景から色々な深い意味が付加されていくのです。

 

固有の人物が放つ歌の説得力がブルースの醍醐味のひとつといえます。

その人の背景が歌とリズムになって、音として滲み出てくるのです。

 

ここからが本題です。

ブルースの持つその人固有の説得力は、私たちが日々行っている仕事や生活にもまったく同じことが言えるのです。

例えば、私もこのように現在記事を書いていますが、誰でも言えることではコンテンツの当然面白さは出ません(この記事が面白いかどうかは考えないでください 汗)。私が何を考え、何をしてきたかという背景がどうしても出てきてしまうので、日々試行錯誤しているわけです。

ちょっとしたことでもそうです。

家族では、いつも一緒にいてくれるということだけでも、ひとつの行動の説得力です。仕事でも、いつも欠かさず挨拶してくれるということだけでもひとつの説得力になります。

 

つまり、言葉尻や外面的な部分を一朝一夕で整えても、その人の行動など生きてきた背景というものが目には見えない力となって良くも悪くも滲み出てしまうのです。

 

これは実は自分のキャリアを考える上でも重要なことです。

自分が持っている説得力のあるものが何かを考え見つけることは、自分の強みを発見することでもあるということだからです。個人に限らず組織やコンテンツに置き換えても良いでしょう。

自分が説得力を持って言えることは、ブルースシンガーのように、その人しか経験していない固有の財産なのです。

さらにブルースの考え方に沿って言うならば、説得力は一般的に「弱み」に捉えられていることでも構いません。

  • 仕事ができない
  • 失敗を重ねてしまっている

など色々あると思いますが、必要なことは「説得力」です。

「仕事ができない人の気持ちは誰よりも分かる」「失敗については説得力がある」ということであっても他人に対して「説得力」があるということは十分な財産(強み)といえるのです。

 

最後にこんな曲をご紹介したいと思います。

Nobody Knows You When You’re Down and Out(落ち目になったら知らんぷり)/Jimmy Cox(1882-1925)

タイトルでもわかる通り、落ちぶれた人間の悲哀を歌った曲です。

この曲は、現在でもエリック・クラプトンをはじめ多くのアーティストにカヴァーされているブルースの名曲と言っていいでしょう。

実際にブルースシンガーは「自分はさえないダメな人間だ」ということでさえ歌にしてプラスに変えて社会的に大きなインパクトを与えているのです。

 

どんな局面でも打開する方法はあるということです。

 

今、自分にその説得力がないと思うならば、今からそのための行動を始めればいいのです。行動や経験は加点法的に積み上がっていきます。今から始めて遅いということはないのです。

説得力をもたすため行動こそが、あなたのこれからの人生そのものになるのです。

 

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