生き方

世界最貧国の”世界一おしゃれな男たち”が貫く信念

1994年生まれ。埼玉県立川越高校、法政大学文学部卒。ライターが記事を作成する行為は「無から有を生み出す行為」であり、無のときにはなかった価値を提供する意味のある行為と感じている。「膨大な知識量と独自の視点で世の中の潮流を見極めるコンテンツメイカー」を目指して活動中。

「サプール」をご存知でしょうか。

サプール(Sapeur)とは、サップというファッションスタイルに身を包む人々のことです。内戦の続くアフリカのコンゴで90年以上も続いている独自文化で、サプール達は平均月収3万円程度と言われるコンゴで高級ブランドに身を包んでいます。

国民の30%は1日130円で生活している中、サプールは自分の年収の40%を高級ブランド服に使っているとも言われています。ただそんな彼らは、世界中から尊敬されているのです。

世界最貧国の1つであるコンゴで、「世界一おしゃれな男たち」と呼ばれるサプールはなぜ高級ブランドを身にまとい、尊敬を集めているのでしょうか。


(先日開催されたサプール写真展のパンフレット)

サプールは内戦が続くコンゴで平和を願っている集団です。彼らは平和を求め、暴力に反対する手段として高級ブランドを着ています。

一体どういうことなのでしょうか。

サプールの哲学はシンプルです。

「服が汚れるから戦わない」

何かに反対したり抵抗したりする手段は様々です。デモやストライキを起こしたり、座り込みをしたり、激論を交わしたり、暴力に対して暴力で抵抗したり。

そんな中で彼らは、高級ブランドを身につけるという態度で自分たちの意思を示しているのです。

先日、大丸東京店で開催されたサプール写真展で、サプールの写真の下にこのような言葉が書かれていました。

戦争には何ひとつ良い事はない。何も残さず失うだけ。
もし洋服か武器かという選択肢があれば誰もが洋服を選ぶでしょう。

サプールとは、平和を願い、平和のためにあまり多くはない収入の中で高級ブランドを身に着けている世界一おしゃれな集団のことなのです。

よく日本人は外国人から「意見を言わない」「何が言いたいのかわからない」と言われます。日本に、自分の意思を明確に示すことができる人がどれだけいるでしょうか。

例えば選挙。投票率の低さが問題となっていますが、総務省の発表によると、2019年に実施された参議院選挙の投票率は48.8%でした。有権者全体の半分程度しか投票をしていないことになります。

言い換えれば、2人に1人は「自分の代わりに政治を行う人はだれがいいか」という意見を言っていないということです。

20代は特に深刻です。2019年の参議院選挙では40代の投票率が45.99%だったのに対して、20代の投票率は30.96%でした。実に3人に1人しか自分の意見を示していないことになります。

出典:総務省「参議院議員通常選挙における年代別投票率(抽出)の推移

もちろん、投票率だけを見て「日本人は意見を言えない」と判断するべきではありません。ただ日本人には、自分の意見を言わずに周りに合わせる風潮があるように思います。

たとえ周りと違う意見でも自分が正しいと思っていればそう主張するべきだし、誰かに批判されたからと言ってそれを曲げる必要はありません。

もしサプールが内戦を続ける人々の意見に流されていたら、彼らのおしゃれなファッションはありませんし、尊敬されることもありませんでした。当然内戦を続ける人々の言い分もあるでしょう。ただサプールは、彼らの信念を貫いています。

 

結局のところ、他人は他人です。どんなに自分のことを思ってくれる人がいても、100%自分のことを理解することできません。

自分の信じる道をいこう。平和を願い、高級ブランドに身を包むことで平和のメッセージを発信し続けるサプールのように。

 

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