ブログ

人の話を聞くことは自分を理解することでもある

1984年生まれ。東京都在住。慶應義塾大学環境情報学部卒業。映画、音楽、読書をこよなく愛す編集者。

「ちゃんと人の話を聞いてよー」

ささいなことでこんなことを言われたことがある方もいると思います。

そんな時あなたはどう思いますか?

「うるさいな」「聞いておけばよかった」など色々あると思います。

 

先日、友人と車で出かけた時のことです。

「えーと、新宿に行くにはあの道行ったほうが近いよね」

助手席から友人が軽く一言。

「いや、今はこの道のほうが近いからこっちいこー」

私が返すと

「本当に〜?」と疑り深い友人。

そんな軽い会話がありました。

 

確かに友人のいう道は新宿までの最短距離なのだけれど、私はその道が工事中で必ずと言っていいほど渋滞することを知っていたので、渋滞を避けてこの道を選んで走っていたのです。

しばらくすると、スイスイ行くと思ったこの道も混み始めました。

 

友人は「ちゃんと人の話を聞かないから〜」と笑いながら言いました。

 

いろいろな場面での「話を聞く・聞かない」があると思います。

今回はささいなことですが、ビジネスひいては人生に至るまで、「人の話を聞く」というということは大きな選択の要素になりえます。運転手が助手席の人の意見を聞くか・聞かないかのように、ビジネスや人生においてもありがたいことに助言をしてくれる人がいるからです。

「人の話を聞くこと」について少し考えてみましょう。

 

一般的に「人の話を聞く」ということには2つの意味が混同して使われているように思います。

  • 相手の言っていることを理解する【意味】
  • 相手の意見(要求)を聞き入れる【行動】

の2つの意味です。

似ているようで少し違う意味です。

 

まずは「言っていることを理解する【意味】」を考えてみます。

相手が何を言っているのか、何を言いたいのかを文字通り「聞く」段階です。相手を理解することはコミュニケーションの最初の一歩です。

必ずしもみんなが完璧に自分のことを表現できるわけではないので、相手の言っていることを理解することは難しいことです。

自分の側でも、そもそも相手の話を聞かずに自分の話をしてしまっていたり、相手の話を聞いているのだけれど自分の理解の範囲の中だけで相手を判断してしまうなど、様々なつまずき方があります。

この意味では「人の話は聞ける」にこしたことはありません。相手のことを理解しようという気持ちさえあればお互いに少しずつ理解を深めていくことができるからです。

『語りあってみて、理性も好感も感じられないような人間が多いのは、自分のいいたいことで頭がいっぱいで、相手の言葉に耳を貸せない連中が多いからだ』

と17世紀フランスの貴族であり文学者のラ・ロシュフコーは残しています。

 

もうひとつの「相手の意見(要求)を聞き入れる【行動】」ことを考えてみます。

こちらは意志の段階と言ってもいいでしょう。相手の言っていることをある程度理解した上で「自分はどう考えるか」「相手の意見(要求)を聞き入れるのか」という意味です。

相手の意見、自分の意見が揃ったこの段階で初めてコミュニケーションが成立すると言ってもいいでしょう。

こちらは単純に他人の話を聞き入れているだけではいけません。なぜならば、あなたの意見を出さなければ相手の意見だけの一方通行になってしまうからです。

 

つまり、しっかりと「人の話を聞く」という行為には、相手を理解することだけではなく自分のことを理解する力も必要なのです。

 

先日のドライブの場合私は、友人のいう道を知っていた上で、「それでもこの道が早いはず」と判断しました。

最後は運転している私が決めることですので、自分を信じて自分の腑に落ちている選択をすることは大事です。ドライブならばまだしも、大事な選択の場合はなおさらです。

しかし、友人の「人の話を聞かないからー」という意見は、自分の判断の大きな助けとなります。なぜならば自分がどの道を選んでいるのかということが相対化されるからです。先日のドライブでは結果として私の選んだ道も渋滞してしまいまいた。

そして、相手は自分の知らない新しい道を教えてくれているかもしれません。

 

将棋棋士の羽生善治氏はこのように言っています。

三流は人の話を聞かない。二流は人の話を聞く。一流は人の話を聞いて実行する。超一流は人の話を聞いて工夫する。

どの道が正しいかは誰にもわからないものです。なので、道をたくさん知っておくに越したことはありません。

相手の言っていることを理解していると思っていても、「人の話を聞く」ことは奥が深いものです。

相手の意見の中に意外と自分の信じられる道が隠れているかもしれません。

 

【お問い合わせ】
支援が必要であれば、気軽にコンタクトしてください。





送信
あわせて読みたい

カテゴリー