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2019.11.11
2019.11.11
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ショーペンハウアー(1788~1860)は、ドイツの哲学者です。
ショーペンハウアーはドイツ観念哲学を完成させたといわれるヘーゲルと同時代を生きました。
ショーペンハウアーはドイツ観念哲学を批判しながら継承し、その後の実存主義の走りともいえる思想を残しました。
ニーチェをはじめ、アインシュタイン、フロイト、トルストイなど哲学者にかぎらず、広範囲の分野の人々に影響を与えたことでも知られています。
まずは、ショーペンハウアーの言葉をみてみましょう。
ショーペンハウアーの発言をみれば彼の思想のイメージがわくかもしれません。
孤独を愛さない人間は、
自由を愛さない人間になってしまう。
なぜなら、孤独でいるときにのみ、
人間は自由になれるのだから。
私達は、
他人と同じようになろうとして、
自分の4分の3を失ってしまう。
あきらめを
十分に用意しておくことも、
人生の旅には必要なんだよ。
誰もが自分自身の視野の限界を、世界の限界だと思い込んでいる。
いかがでしょうか。
ショーペンハウアーの影響を受けたといわれるニーチェにも通じる厭世的な雰囲気が漂っていますね。
ではどのような思想からこのような言葉が生まれるのでしょうか。
次は、ショーペンハウアーの思想を詳しく見ていきましょう。
ショーペンハウアーの思想は3つの基盤があります。
それは
の3つです。
この3つの思想をもとにショーペンハウアーの哲学をまとめたのが『意志と表象としての世界』です。
まずショーペンハウアーはドイツ観念哲学を引き継ぎます。
ショーペンハウアーは「世界は私の表象である」といいました。
つまり、ドイツ観念哲学のキモである、私たちが世界と思っているものは、「私」の認識=「自我」の中にあるものであるということです。
ウパニシャッド哲学(インド古代哲学)の「世界は幻である」と同じ考え方です。
ショーペンハウアーは自我と対になる他我(自分以外の世界)を設定し、そのすべてに意思があると考えました。
意思とは「主体のない生きようとする盲目的な意思」で、人に限らず、水、木、空気、石などすべての物体にも宿っているとし、人間も身体という形で現れています。
自我も他我もすべて世界意思の体現であるということです。
整理すると、
ということです。
そして、意思は無限にあるもので、完成や終着点はないとします。
完成がないということは世界は永遠に不完全ということです。
そのような不完全な世界は人間にとっては「苦」であるとショーペンハウアーは考えたのです。
この世界は「苦」であるということは仏教思想そのものです。
ショーペンハウアーはドイツ観念哲学に東洋思想を取り入れたのです。
では、「苦」から解放されるためにはどうすればいいのでしょうか。
ショーペンハウアーはまず芸術を考えました。
幻の世界においては芸術こそが、プラトンのいうイデアの世界(完全な世界)を垣間見える方法だと考えたのです。
しかし、ショーペンハウアーは芸術も一時的な解放でしかないとしました。
次にショーペンハウアーは同情(同苦)を考えます。
同情とは、自分の苦悩だけでなく、他者の中に自分と同じ苦悩を見出し、他者を理解しようとすることです。
それによって愛が生まれるとしたのです。
しかし、同情だけでは「苦」からの解放には不十分とします。
ショーペンハウアーは最後に「禁欲」を考えます。
世界意思は人間に対しても、生きようと盲目的に作用します。
その意思の構造を理解し拒否することが「禁欲」です。
世界で生きようとする執着がなくなれば、苦悩もなくなると考えたのです。
これは仏教における「諦念」と同じです。
このように、ドイツ観念哲学に東洋思想の「諦念」を取り入れたショーペンハウアーの思想は厭世主義といえます。
「この世の中なんて意味ないよ」という厭世主義は、その後ニーチェへ大きな影響を与えます。
まさに「実存主義」の先駆けともいえるのです。
ショーペンハウアーは『意思と表象としての世界』の他にも常識を疑う面白い著作があります。
『読書について』は、文字通り読書についての著作です。
しかし、読書が有益であるという意味ではありません。
読書がいかに有害かということが書いてあります。
読書は、他人に物を考えてもらうことである。
ということを軸に進められていきます。
他にも、
などの著作があります。
盲目的に信じている常識に新たな視点を与えてくれるでしょう。
ショーペンハウアーの思想を見てきましたが、どこか突き抜けいている感じがお分かりになったのではないでしょうか。
日本でも、
など芸術分野にも大きな影響を与えています。
その思想の深さを感じさせます。
ブレイブアンサー編集部では、哲学は常識を疑い自分の力で考え、自分自身の考えの体系を作っていくことに役に立つと考えます。
ショーペンハウアーは現代にも通じる常識を疑っているといえます。
哲学から、いつもとは違う視点を考えてみてはいかがでしょうか。