株式投資

株式投資のリスクは理解してる?始める前にかならず知っておきたい3つの知識

1983年生まれ東京都在住。青山学院中等部・高等部卒。 慶應義塾大学総合政策学部にて、国際政治学を専攻。 卒業論文で学部優秀論文賞(SFC AWARD)受賞。 2006年住友商事に入社し、海外駐在を含めた実務経験から 様々なビジネスの知見を得る。 現在、歴史を軸にしたコンテンツ作成者として活躍中。 冷徹な分析力で現代社会とビジネスを診断する。
株式投資を始めようか迷っている、でもなんとなく不安で始められない、そんな若手ビジネスパーソンは少なくないのではないでしょうか。株式投資についてなんとなく知っているけど、リスクや損失のことを考えると手が出しづらい。でも周りは当然のように株式投資の話をしていて焦りは募るばかり。そんな方はこの記事の3つの知識を学ぶことをオススメします。この3つを学ぶことで株式に関する全体感を掴み、不安を少しでも解消することができます。この記事では、株式投資を始める前に知るべき3つの知識についてまとめました。

株式投資を始める前に知るべき3つの知識

株式投資を始めるにあたって、次の3つを事前に知っておくことをオススメします。

株式投資を始める前に知っておきたい3つのこと

  1. 株式会社の成り立ちと歴史
  2. 株式市場におけるバブルの歴史
  3. 株式投資のために理解すべき財務指標

1.は株式が現在の形となるまでの歴史です。成り立ちを知ることで、株式本来の目的を理解することができます。目的を理解すれば、株式投資の構造が見えてきます。

2.は最大リスクであるバブルについてです。

何事にもリスクはあります。ただ最大のリスクを知っているかどうかで、自分自身の行動を変えることができるかもしれません。

株式投資をする上での最大リスクを知ることが大切です。

3.は財務指標についてです。株式の流れを判断するときに必要な物差しを知ることで、現状を自分の目で判断することができます。

人任せではなく自分の判断を信じることが可能になるのです。

この3つを知ることで株式投資の全体感を把握し、株式投資に関する不安を解消少しでも解消することができます。

 

①株式会社の成り立ちと歴史〜原型は大航海時代〜

株式会社のポイントは「有限責任」であることです。

有限責任とは、当初出資した金額以上の支払いリスクを負わないことを意味しています。

事業の結果発生してしまった追加の負債について、出資者は支払う義務はありません。

この考えは大航海時代に誕生しました。

貿易の利益は欲しいものの、航海がうまくいくかどうかは不透明であったことから、

  • リスクを限定化したい
  • 貿易が成功したら分配金がほしい

という要望が生まれます。航海に必要な資金や貿易品を出港時に出資し、それ以上の負担は生じさせないようにしました。

一方、無事に航海を終えて港に帰ってきたら、その収益を出資の比率に応じて分配するようになります。

これが株式会社の原型です。

株式会社の原型が最初の目的としていたことは、リスクの限定と成功した際に分配金を受け取ることです。

キャピタルゲイン狙いではなく、分配金(配当金)収益を狙ったものでした。

現在でも英文名称での企業名称には「.Ltd(limited:限定=有限責任)」が最後について、株式会社であることを示しています。

 

世界初の株式会社は東インド会社

最初は一航海ごとに出資を募っていましたが、やがて航路が安定化してくるとより大きな船団で貿易を行うようになり、会社化が進みます。

最初の株式会社と言われているのは「東インド会社」です。インドとの貿易を目的とした会社でした。

インドにありそうな名前ですが、ヨーロッパ各国でそれぞれの「東インド会社」が設立されていきます。

イギリスが1600年に「イギリス東インド会社」、オランダが1602年に「オランダ東インド会社」、フランスが1604年に「フランス東インド会社」を設立します。

株式会社になると、その株券には分配金(配当金)を受け取る価値に付随してその会社自体に対する所有権が付随してくるようになります。

株券自体の売買のニーズが出てくるため、1602年のオランダ東インド会社の設立を受けて、アムステルダム証券取引所も設立されました。

そこでは、オランダ東インド会社の株式だけでなく債券も取り扱われて、株式市場が形成されていきます。

ここで株式にはキャピタルゲイン・売却益を受け取る余地が出てきました。

 

②バブルの歴史〜最初のバブルは球根〜

「将来の分配金を受け取る権利+現在の会社の価値=株式価値」になりますが、そこには「期待値」というものが入ってきます。

そのためこの期待値の振れ幅によっては「バブル」が生じる可能性が出てきます。

ここでバブルの歴史について確認をしましょう。

株式に限らず、市場における売買で売却益を手に入れることを狙う市場においてバブルは発生します。

古くは1637年にオランダにおいて、チューリップの球根の値段が急騰するバブルが発生しました。

このときには、チューリップの球根が熟練職人の10年分の年収に相当するほど価格が高騰します。

ただチューリップの球根に実需があるわけではなく、この価格形成は「もっと金額が上がるはずだ」という期待値の高まりによって投機的な資金が入っていったことによるものでした。

その期待値が極大化したあとは価格の暴落が発生しました。これが歴史上最初のバブルと考えられています。

 

バブルの語源は?

1720年には南海泡沫(なんかいほうまつ)事件がイギリスで発生し、この「泡沫」がバブルの語源となりました。

この事件は、イギリス国債を南海株式会社の時価と交換できる制度が導入されたことに端を発します。

イギリス政府が設立した南海株式会社の株価が、本業である貿易業が不振だったにも関わらず投機的な資金が流入した結果、半年間で10倍強にも急騰する事態となりました。

この株価急騰につられて、イギリス東インド会社のような大企業だけでなく、無許可で設立された雑多な株式会社群の株価も高騰していくバブルが発生しました。

イギリス政府は、

  • 南海株式会社への国債交換制度の取りやめ
  • 無許可設立の株式会社の排除

などを実施した結果、投機的な資金が流出して株価の暴落が引き起こされます。

株式市場に対する監督や財務諸表のルールなども整備されていない黎明期だったこともあり、混乱の沈静化に手間取りました。

なお、この事態を受けて公認会計士制度や会計監査制度が導入されていきます。

 

バブルは予測可能?

このように、古くからバブルは発生しては市場を混乱に陥れていました。

20世紀に入ってからも

  • 1929年の世界大恐慌
  • 1989年の日本の不動産バブルの崩壊
  • 2000年代のITバブル
  • 2008年のリーマンショック

といった各種のバブルが幾度となく起きています。

バブルの発生は防げないものでしょうか。

残念ながら、バブルは弾けてみないとバブルだったかどうかが分からないのが現状です。

過去の教訓からソフト・ランディング(徐々に落ち着かせること)が規制当局などによって試みられていますが、完全に市場をコントロールできるわけではありません。

バブルがいつ発生していつ破裂するのかの予測は、現状、専門の経済学者や投資家であっても不可能です。

 

③理解すべき経済指標〜指標は物差しとして使うべし〜

現在の市場環境がバブルかどうかの判断は不可能ですが、それでも注目すべき財務指標はあります。それはPERとPBRです。

野村證券の証券用語解説集によれば、PERとPBRはそれぞれ以下のように説明されています。

【PER】

Price Earnings Ratioの略称で和訳は株価収益率。

株価と企業の収益力を比較することによって株式の投資価値を判断する際に利用される尺度である。

「時価総額÷純利益」もしくは「株価÷一株当たり利益(EPS)」で算出される。

例えば、株価が500円で一株当たり利益が50円ならば、PERは10倍である。

まだ利益がたいして上がっていないにも関わらず、期待先行で株価が高くなるとPERの倍率が高くなります。

【PBR】

Price Book-value Ratioの略称で和訳は株価純資産倍率。

当該企業について市場が評価した値段(時価総額)が、会計上の解散価値である純資産(株主資本)の何倍であるかを表す指標であり、株価を一株当たり純資産(BPS)で割ることで算出できる。

PBRの場合、例えば、純資産が1,000円で時価総額が2,000円である場合、PBRは2倍となります。

また将来への成長期待が薄まると、現在の純資産と時価総額との倍率であるPBRの数値は小さくなります。

 

指標の具体的な使い方は?

PERが◯倍以上になったら危険、あるいはPBRが◯倍以下になったら安全といった絶対的な数字があるわけではありません。

ただ市場がその株式をどのように判断しているかを知ることはできます。

PERは利益ベースで株価を評価したときの指標です。

大きな利益が出ていないにも関わらず倍率が高い場合、期待が先行して株価が高くなっているといえます。

PBRは純資産ベースで株価を評価したときの指標です。

倍率が1倍を超えている場合、市場は将来もっと値上がりする(もっと価値がある)と判断しているといえます。

PERもPBRも同じ株価を評価していますが、切り口が異なるのです。

これらの指標はあくまでも市場の状況を分析する上での手助けとなるものであり、それをどう使うかは各自の解釈が入ってきます。

ただ基本的な考え方を理解していれば、指標を物差しとして使うことが可能です。

 

株式投資の3つの効用

ここまで株式会社の歴史、市場バブルの歴史、参考とすべき財務指標の確認をしてきました。

結論として、株式投資とは「現在の市場=将来の期待値の集合」に対して各自の解釈に基づいて実施するものと言えます。

もし、楽して儲けようと考えているのであれば損をします。決して楽に儲けられるような世界はありません。

株で利益を得ている人や会社は、そのための仕組みや経験・研究があってのことです。

素人が楽をして儲けることはできません。

ただ筆者の意見としては、それでも株式投資をした方が良いと思っています。

理由は

  1. 市場に対して敏感になる
  2. 経済情勢だけでなく政治情勢にも敏感になる
  3. ビジネス感覚が磨かれる

といったメリットがあるからです。

あくまでも自分の負うことのできるリスクの範囲で、興味のある会社から株式投資を始めてみてはいかがでしょうか。

 

この記事の筆者は、当メディアを運営するアクトデザインラボ社が開催する「ブレイブアンサープレイス」で講師を勤めています。

ブレイブアンサープレイスの詳細や日程は関連記事にまとめてありますので、合わせてご覧ください。

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