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消費税増税のメリット・デメリット|影響や延期の理由、いつから10%になるのか

消費税とは消費に対して課される関接税の一種です。高齢化で増え続ける年金や医療・介護にかかる社会保障費用、子育て支援のための財源を増やすために増税をします。景気の低迷で予定通りに増税すれば、個人の消費が減少しデフレが続く恐れがあるため、消費税率10%の増税の再延期を決定しました。この記事では、消費税増税の理由、影響や延期の理由についてまとめました。

消費税はいつ8%に増加された?

年月 首相 税率
2014年4月 安倍晋三 8%
1997年4月 橋本龍太郎 5%
1989年4月 竹下登 3%

 

直近の消費税増税は

  • 2014年4月1日:5%→8%

です。

1997年4月以来17年ぶりの増税です。

 

消費税法は1988年に竹下登内閣で成立し、翌1989年4月1日に3%の消費税率で施行されました。

1997年4月には村山富市内閣で成立した税制改革関連法を元に、橋本龍太郎内閣が消費税率を3%から5%に引き上げます。

 

消費税増税再延期

安倍晋三内閣で2015年11月に10%へと引き上げられる予定でしたが、1年半先送りにし、2017年4月とすることを明言していました。

 

再延期はせず、必ず実施する方針とのことでしたが、景気の低迷などを理由に増税を

  • 2019年10月に再延期

をすることを決定しました。

 

消費税増税のメリット

消費税増税の理由は、少子高齢化により増え続けている社会保障費、少子化対策の費用の財源を増やすためです

その他の税ではなく消費税を増加させる具体的な理由は以下の4つです。

消費税のメリット

  1. 税収が安定する
  2. 広く課税できる
  3. 働く意欲を阻害しない
  4. 脱税されにくい

 

1.税収が安定する

消費税は

  • 税収が経済動向に左右されにくく安定した税

です。

 

所得税や法人税は景気の悪い2007年から2009年の時期で右肩下がりに減少しています。(財務省公式ホームページより)

一方で消費税は、毎年10兆円程度の税収が続いており、税収が安定しているのが分かります。

 

2.広く租税できる

国民全体で広く課税できる消費税は、所得は少ないが貯蓄はある高齢者にも課税できるので社会保障の財源にふさわしいです。

働く世代が急減している一方で高齢者が増加している現代社会では、社会保障財源のために所得税や法人税を引き上げると現役世代に負担が集中してしまいます。

消費税は、所得税に関してビジネスパーソンよりも優遇されている自営業者にも同じ条件で課税されるので、不公平感がありません。

 

3.働く意欲を阻害しない

消費税は人々の働く意欲を阻害しないというメリットもあります。

所得税は累進課税で、頑張って働くほど税率が上がるので働く意欲が減退しかねません。

一方で所得税は税率が変化しないので、働く意欲には所得税ほどの影響はないといえます。

 

4.脱税されにくい

消費税は脱税が難しいです。

所得税の場合、収入や経費でごまかして、本来よりも少ない金額しか税金を支払わないことも可能です。

一方で消費税は支払う代金に対する税金なので、不正を働く余地を小さくできるのです。

 

消費税増税の4つのデメリット

消費税が増税されると、以下のようなサイクルが発生する可能性があります。

増税の4つの影響

  1. 消費者の購買欲が減る
  2. 中小企業の負担が大きくなる
  3. 景気が悪化する
  4. 駆け込み需要の反動が起こる

 

消費者の購買欲が減る

消費税が増税されると消費者の負担が増え、購買欲が低減します。

購買欲が失せると個人消費の支出、特に低所得者の消費支出が大幅に減少する傾向にあります。

 

中小企業の負担増

中小企業の経営者にとっては消費税の負担感は非常に大きくなるので、失業者の増加・倒産が起こる可能性もあります。

 

景気悪化

増税によって国民の消費が減るとお金が回らなくなり、景気が悪化してしまいます。

 

駆け込み需要の反動

また、消費税増税を目前に控えた時期には、税率が低いうちに物を購入しようとする「駆け込み需要」が生じます。

一時的に景気が上向きますが、増税後には反動で物が売れなくなるため、景気が落ちこみやすくなってしまいます。

 

消費税増税が延期された理由は?

2014年11月に最初の増税延期を決めた際には「再延期はない」と断言していましたが、なぜ2019年10月に2年半も消費税率10%の増税を再延期することになったのでしょうか。

 

増税延期に関して安倍首相は、

  • 新興国経済の落ち込みを考慮し、「これまでの約束と異なる」新しい判断としての「将来へのリスク回避」を目的

としています。

(日本経済新聞の2016年6月4日の記事より)

 

景気の腰折れを回避

現状でも消費税を8%に引き上げた影響が残っているために日本の景気は足踏みが続き、個人消費は低迷しています。

さらに増税をすれば、景気はさらに失速してデフレ脱却が遠のいてしまいます。

 

増税の延期によって当面はその分の景気の落ち込みを下支えし、景気の腰折れをいったんは回避できると期待されています。

 

再延期の幅が「2年半」なのはなぜ?

安倍首相が2017年4月の消費税率10%への引き上げの再延期の幅を2019年10月までの「2年半」と判断したのは、選挙と景気への影響を熟考した上での判断だと考えられています。

(産経ニュースの2016年5月30日の記事より)

 

選挙の影響を抑える

政府は当初再延期幅を「2年」で検討していました。

 

ただ2年では2019年4月に行われる統一地方選挙と重なります。

同年夏の参議院選挙も迫っているので、政権に逆風になることは避けたいという思惑があります。

 

解散総選挙と東京オリンピック

さらに2年半の延期ならば、任期が2018年9月末である安倍首相にとって任期中は増税判断に縛られず、与党に有利なタイミングで衆議院解散に踏み切ることができます。

2019年9月の増税ならば2020年東京オリンピック開催に伴う経済効果と重なり、増税の悪影響を相殺することも見込めるともされています。

 

財政問題に直視を

消費税増税、増税の延期といった政府の判断が全て正しいということではありません。

 

2019年10月に増税を再延期したことに対して

  • アベノミクスの失敗
  • 公約違反である
  • 社会保障の充実が遅れる

といった批判が出ています。

(マイナビニュースの2016年6月8日の記事より)

 

増税の延期は景気の低迷が主な理由なので、増税できない経済状況にある今「アベノミクスの力が十分でない」と考えられているのが原因です。

 

消費税増税を先延ばしにすれば財政健全化が遠のき、社会保障の充実ができなくなります。

公約に反してしまっているのも事実です。

 

様々な情報から自分の頭で考える

1つの観点から見ればその通りですが、一方で現在の日本経済の状況下で増税を実施して景気がさらに落ち込めば、逆に税収が減り、財政赤字は増加してしまう可能性もあります。

景気の足かせとなる消費税増税を再延期してデフレ脱却を急ぐ方が、税収全体が伸び、財政健全化の近道だと安倍首相は考えているといえます。

 

1つの情報を鵜呑みにせず、様々な情報を見比べて、今現在起こっている財政問題に着目することをオススメします。


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