選択と集中とは?成功・失敗の事例、意味、日本企業では?

選択と集中とは、余計な事業や人員を削減して自社の強い分野に集中して経営資源を投下する成長戦略です。日立は「選択と集中」で成功しましたが、シャープは失敗しました。企業で意思決定をする上で市場の流れや自社の明確なビジョンを持つことが重要です。ただ「選択と集中」という経営戦略はリスクも多いです。この記事では、選択と集中について、事例や対照的な戦略をまとめました。

「選択と集中」とは?

いつもご覧いただきましてありがとうございます。BraveAnswer編集部です。

「選択と集中」とは、1980年代にアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)のCEOであるジャック・ウェルチが実践した戦略です。

 

得意な事業に経営資産を集中させて経営効率を上げて業績アップを狙うという経営戦略のことを指します。

 

リストラも「選択と集中」

「選択と集中」の中には余計な部分を失くすということも含まれます。

そのため、多くの企業は「リストラ」という形で事業整理や人員削減などを行ってきました。

 

その過程でアクシデントが起こることも多く、企業にとって重大な問題にもなりかねません。

 

メリットが大きいこの戦略ですが、デメリットも伴う戦略なのです。

 

4つの資源

  • ヒト
  • モノ
  • カネ
  • 情報

この4つは一般的に4つの経営資源と呼ばれます

これには並び順にも意味があります。

 

モノ、カネ、情報はヒトが動かして初めて経営資源となります。

モノ・カネはヒトによって利用され、情報はヒトによって意味づけされます。

 

全てはヒトが必要になります。

 

そのためヒトは重要な経営資源ということになり、組織をマネジメントする上でヒトの扱い方は鍵になってくることがわかります。

 

選択と集中の手法

選択と集中という戦略は、自社が得意とする事業領域を明確にして、他の余分な事業や人員を削減した上で自社の持つ経営資産を得意な事業領域に投下するという方法で実行します。

 

「選択と集中」の生みの親であるジャック・ウェルチは、

  • 利益の出ない全ての事業を切り捨て
  • 当時のGE社の官僚構造を一掃

しました。

 

ジャック・ウェルチの場合は無駄だと思ったものを全て壊して1からやり直したということになります。

 

その結果20万人以上の職員を解雇、60億ドル以上の経費を削減して、得意事業に投下することで経営効率と企業価値を高めました

 

「選択と集中」の事例は?

日本にも「選択と集中」を実行した企業はあります。

「選択と集中」戦略をとった代表的な企業として

  • 日立
  • シャープ

が挙げられます。

 

日立の成功

日立製作所は

  • 電力
  • エレベーター、エスカレーターなどの昇降機
  • 建設機械
  • 鉄道などのインフラ
  • 情報通信
  • ビッグデータなどのIT(情報技術)
  • 電子部品
  • 家電

など幅広い事業を手掛けている総合電機メーカーです。

 

日立はバブル崩壊後業績低迷が続き、2009年のリーマンショック後には過去最大の8000億円近い損失を計上しました。

 

そこで日立がとった経営戦略が選択と集中でした。

 

技術的な優位性を生かすため、情報通信と社会インフラを中心としたビジネスモデルに転換し、市場において強みのない事業の撤退、売却を進めました。

次に多くのグループ子会社を完全子会社化し、社会インフラ関連の子会社を本社と近づけるようなグループ再編を行うことで集中化を進めました。

 

日立はグループの再編が大きく業績に貢献し、2011年には3月期の当期純利益が約2388億円と過去最高額の利益計上をしました

また国内事業の再編が成功したことで海外事業の多くも軌道に乗り、11部門近くの海外事業が黒字化しました。

 

シャープの失敗

シャープは、昔は液晶事業への選択と集中で成功したと言われていましたが、近年台湾の鴻海精密工業というEMS 企業に買収され、2016年に傘下に入ることになりました。

 

日本の大手電機メーカーが海外企業の傘下に入るのはこれが初めてです

 

100年近い歴史を持つ日本の電機メーカーで「液晶のシャープ」という印象を持っていたシャープですが、液晶事業に力を入れ始めたのは2000年頃です。

好調な液晶分野に「選択と集中」して三重県亀山市に液晶パネルを相次いで建設、高品質な国産液晶ブランドである「世界の亀山モデル」を立ち上げました。

 

世界の亀山モデルなどシャープの高品質液晶は順調に売れて行きましたが、シャープはこの地点で総額1兆円を超える金額を液晶事業に投資していたと言われています。

2008年のリーマンショック以降需要は落ち続けていましたが、追い討ちをかけるように海外から低価格の液晶が流入しました。

 

こうしてシャープは厳しい価格競争にさらされました。そこでシャープが選択したのは

  • 「大型高品質な液晶」

でした。

 

しかし情報漏洩などでシャープはその高品質で優位性を確保できず、選択は失敗に終わりました。

 

このようにシャープは「選択と集中」によるテレビ・液晶事業への多額投資、情報漏洩によって赤字を増やし続けて、鴻海精密工業への傘下入りを余儀なくされました。

 

「選択と集中」はうまくいくとは限らない

上記2社のように「選択と集中」はうまくいく場合とそうでない場合の両方あり、リスクも大きい戦略です。

 

今の時代に合っていない

バブル崩壊以降流行した経営戦略である「選択と集中」ですが、今は時代に合っていないのではないかという意見もあります

 

「選択と集中」において大切なのは、自社の得意事業の分析やこれからの市場を予想してポジショニングできること、時代のトレンドをつかむことと言えます。

 

すなわち見極めが大切ということです。

 

現在は「選択と集中」で利益を生み出すことができる市場が少なっているので、時代にあっていない戦略と言えるのかもしれません。

 

日本的雇用

また「選択と集中」の特性上企業のリストラクション(再構築)が必要となりますが、日本には「日本的雇用」という特殊な雇用制度があります。

 

日本的雇用は

  • 終身雇用
  • 年功序列
  • 企業別組合

という3つの特徴を持ちます。

 

この特殊な雇用慣行は長期雇用で労働者の成長を促し、労働効率を上げるとされていて、日本の高度経済成長に大きく貢献したと言われています。

近年この雇用慣行は薄れてきていますが、このような雇用慣行が日本でのリストラクションに抵抗感を与えてしまいます。

 

こうした雇用慣行の存在が日本企業の「選択と集中」を難しくしているのかもしれません。

 

「選択と集中」と多角化

「選択と集中」の対照的な戦略として多角化戦略が挙げられます。

 

多角化戦略とは新しい事業分野に進出することで、新たな市場を開拓したり新たな製品を開発したりして収益を増やす戦略です。

 

一般的に、経営資源を有効活用できる事業分野に進出することで利益を伸ばすことができるとされていて、環境の変化に強くなるというメリットがあります。

 

多角化戦略を成功させた例としてはDMM.COMなどがあります。

 

しかし事業分野を広げるので、コストの増加やより大きな組織になることによるマネジメントの難化など、リスクも多いとされます。

 

これからの経営戦略

「集中と選択」は余分な事業や人員を削減し、得意事業に集中的に投資する成長戦略です。

経営効率を上げることができるため成功した企業も多くありますが、うまくいかずに破綻してしまった企業も多いです。

 

リスクも多いですが、4つの経営資源や市場の状況や自社の状態を分析して明確なビジョンを持って判断すれば企業の大幅な成長も可能です。

 

企業が成長するためにはその企業の目的、状況、理念に沿った経営戦略をとっていくことが重要だと考えられます。

 

正しい経営戦略を取るには様々な戦略を知る必要がありますし、自社を客観的に分析する必要もあります。

また、その時代によって主流になる経営戦略が変わります。

 

バブル経済期には多角的経営が流行し、2000年代には選択と集中がそれぞれその時代の経営戦略として流行しました。

 

これからの日本ではどのような経営戦略が主流となり、日本経済にどのように影響を与えるか、注目しておくことをオススメします。

 

新聞を読んで世界の動向を知る

ビジネスに限らず、人生を豊かにするためには世の中の動向を知っておくことも大切です。

身近な方法としては、新聞を読むこともひとつの手段です。

英語圏の情報であれば、

ウォールストリート・ジャーナル日本版 世界最大の経済新聞
ワシントンポスト 世界的影響力のあるアメリカを代表する新聞のひとつ
AFP通信 世界最古のフランスの新聞社
ジャパンタイムズ 日本最古の英字新聞

など日本からでもアクセスできる新聞紙があります。

日本であれば、

日本経済新聞 日本最大の経済新聞
読売新聞 1874年創刊 世界最多の発行部数
朝日新聞 1879年創刊 日本第2位の発行部数
毎日新聞 1872年創刊 日本三大紙のひとつ
東京新聞 1942年創刊 中日新聞社発行

など、様々な視点の新聞があります。様々な角度から物事をみるためにも一通り目を通しておくことをお勧めします。

 

英語を身につけることで情報の壁を突破する

また、現在は英語さえ身につけていれば、インターネットで世界の情報にアクセスできる状況でもあります。

英語を身につけることで情報を手に入れる幅が格段に広がります。世界で起きていることを、現地の人の目線から知ることができるからです。

ライザップイングリッシュ 30日間全額返金
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など、英語学習の場も充実してきているので学びの幅を広げてみてはいかがでしょうか。

 

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