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2019.11.11
2019.11.11
ルソー(1712~1778)は18世紀のフランスの哲学者です。
本名はジャン=ジャック・ルソー、現在のスイスのジュネーブに時計師の息子として生まれます。
「社会契約論」や教育論の「エミール」、日本では童謡の「むすんでひらいて」もルソーの作として有名です。
社会についての考察から、教育、文学、音楽にまで、幅広い分野で活躍した人物です。
ルソーの著書としては以下のものがあります。
社会啓蒙書から、教育論、小説まで多岐にわたる著書があります。
社会契約とは、国家と市民との関係における契約のことで、現在の日本でも憲法という形でみることができます。
社会契約という考え方は現在の社会の仕組みのおおもとになる考え方なのです。
近代社会につながる社会契約説を唱えた人物は主に3人います。
ホッブズとロック、そして今回ご紹介するルソーです。
なかでも、ルソーの社会契約論は、フランス革命からつながる、市民の作った憲法によって国家権力を制御するという現在のあり方に大きく影響を与えています。
ルソーの社会契約論の重要な考えの根拠に自然状態というものがあります。
自然状態とは、権力がなく、倫理がなく、道徳がない、まったくの人間個人の自然の状態のことです。
ルソーは自然状態の時、人間は各個人が各々の欲求を満たすために行動し、そこに障害が生じた場合は、解決するために各個人同士で協力すると考えました。
欲求が満たされない場合、皆で協力することを自然状態だとしたことがポイントです。
ルソーよりも前の時代にも社会契約における自然状態について唱えたホッブズという人物がいました。
ホッブズの自然状態は、「欲求が満たされない場合、各個人が争う」としていました。
ルソーはホッブズの考えを批判して、新しい自然状態を唱えたのです。
結果的に新しい自然状態の解釈が、現在につながる社会契約論の大きな根拠になっているのです。
自然状態において個人は自由です。
その状態を維持しつつ、社会的に平等性を担保するにはどうすればいいのかということが「一般意志」という考え方につながってきます。
自然状態で、各個人の欲求を満たすために皆で協力するときに各個人の利益を確保するためにする約束が発展したものが一般意志です。
一般意志は自分たちの利益のためにすべての人に共有される意志です。
一般意志は個人の意思の集合体が国家を動かすという大きな根拠なのです。
ホッブズの争いを前提とした自然状態では各個人はバラバラで「一般意志」という考えには発展できません。
一般意志がなければ、社会の争いを収めるための根拠に「強い絶対的なルール、権力」が必要ということになります。
ルソーは従来の専制政治から、市民が主権を持った社会の仕組みの根拠を考え、それが「社会契約論」ということになるのです。
ルソーは様々な名言も残しています。
社会契約論にかぎらず、文学や芸術にも才能を発揮したルソーの深い洞察に富んだ言葉をご紹介したいと思います。
恋と同じで、憎悪も人を信じやすくさせる。
私たちは、いわば2回この世に生まれる。
1回目は存在するために、
2回目は生きるために。
ある真実を教えることよりも、
いつも真実を見出すには
どうしなければならないかを教えることが
問題なのだ。
気軽に約束しない人は、もっとも誠実に約束を守る。
慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく。
どれをとっても物事の裏側にある真理をみているような言葉ですね。
ルソーの著書では教育論をしるした『エミール』も有名です。
ルソーの教育論の前提は「自然の最初の衝動はつねに正しい」というものです。
子供は小さな大人ではないといい、子供の自発性や内発性を社会から守ることを主眼にしています。
子供の自然の心が、大人の理性的なものによって阻害されることから保護したいと願っていたのです。
ルソーの考え方は、現在の社会においてもあらゆるところにみることができます。
ルソーを知ることで、自分が今いる社会がどのような考えのものを動いているのかということを考えるヒントになります。
社会がどのように動いているかを深く考えることはビジネスにおいても重要なことです。
特にルソーは現代の自由な社会に大きな影響を与えている人物です。
現在ビシネスを自由に行える背景にも、ルソーはいるのです。
ルソーを知って、ビジネスに活かしてみてはいかがでしょうか。