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なぜ東芝は経営悪化に陥ったのか?不正会計の理由は?東芝の対応とは?東芝の今後は?

東芝とは日本を代表する電子機器メーカーです。ただ不正会計と原子力事業の損失により経営悪化に陥っています。今後の売却手続きが大きな鍵です。不正会計の発覚に続き、巨額の損失を被った東芝。かつては日本を代表する企業であった東芝が、今では東芝にとって過去最悪の赤字を出すことが予想されます。なぜ東芝は主力の半導体事業を手放すまで追い込まれたのでしょうか?この記事では東芝の会社概要、なぜ経営悪化したのか、東芝の対応、今後の焦点についてまとめました。

東芝とは?どんな会社?

東芝とは資本金2000億円(2016年7月31日現在)の日本を代表する電子機器メーカーです。東京証券取引所1部上場企業で、これまでに国産第一号または世界初の電気製品を数多く開発し、世の中に豊かな価値を提供し続けています。

私たちの身の周りの電子機器に東芝の製品を使用している人も多いと思います。例えば、テレビ、エアコン、冷蔵庫などです。

主な3つの事業

主に

  • 原子力を含むエネルギー事業
  • 半導体事業
  • 社会インフラ事業

の3つを収益の柱として位置づけており、そのなかでも「半導体事業」は利益の大半を占めている主要事業です。スマートフォンなどに使われる記憶用の半導体で世界的にも高いシェアを占めています。

日本の半導体業界は世界的に見ても売上高ランキングで上位に入っていました。ただ1990年には世界2位でしたが、徐々に下がっていき、2015年には世界8位まで下がりました。

 

経営悪化した理由は?

東芝が経営悪化した大きな要因は2つです。

経営悪化の要因

  1. 不正会計
  2. 原子力事業の巨額損失

1.不正会計

2015年に発表された東芝の不正会計の問題ですが、3人の東芝の元社長が関与しているとされています。

ことの始まりは、リーマンショックです。リーマンショックにより、東芝は過去最悪の赤字に陥りました。それからは、利益を上げるために経営者幹部が数字を強く気にするようになり、業績を上げるように部下たちに強く迫るようになりました。

一連の出来事から、利益をかさ上げするように会計処理が行われるようになりました

具体的には、決算直前にパソコンの製造を委託していた会社などに高値で部品を買ってもらい、一時的に利益を確保します。

決算後に完成品を買い戻すために、逆に利益が減ります。再び決算前に部品を高値で売ることで、見せかけの利益を計上していたのです。

以後7年にわたって総額1500億円以上の会計操作が行われていました。これが発覚し、東芝は社会的な信頼を失くしました。

2.原子力事業の巨額損失

不正会計問題から苦しみながらも徐々に株価の回復をしてきました。

しかし、東芝が2006年に買収したアメリカ原子炉メーカー大手のウエスチングハウスに不適切な行動があったと内部通報されたのがきっかけで、東芝は巨額損失を被ることになりました。

この問題が、現在ニュースなどで取り扱われているものです。

東洋経済オンラインの記事によると、アメリカの原発子会社のウエスチングハウスが2015年末に原発建設工事会社CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)を買収した際に、ウエスチングハウスの経営者が社内で不適切な圧力があったという内部通報がありました。

S&Wはアメリカ国内の原発の4基の新設で建設工事を担当しており、買収後に巨額の追加費用が発生したことが、東芝が巨額の損失計上を迫られる原因となりました。

東芝は2017年2月14日に、アメリカの原子力事業の損失額が7125億円にまで上ると見通しました。これはリーマンショック時の赤字額を優に越す額に相当します。

出典:東洋経済オンライン 東芝、子会社幹部が部下に課した「不正圧力」(2017/02/21)

 

東芝の対応とは?

東芝の経営再建には巨額の損失を埋める資金を工面しなくてはなりません。

東芝は資金を工面するために利益の大半を稼ぎだしている半導体事業を分社化し、その新会社の株式の20%未満を売却する方針を出しました。

しかし、交渉がうまく進まなかったことから株式の売却する割合を過半数に引き上げることを検討すると綱川社長は発表し、半導体事業を他社に完全に売却する可能性もあると示しました。

東芝は半導体事業を分社化し、金融機関から支援を取り付ける狙いです。短期的な資金の工面はできるかもしれませんが、長期的に考えると主力を欠くことになるので、さらなる経営悪化を招くという懸念もあるのではないでしょうか。

 

今後の焦点

原子力事業で7125億円を超える損失を計上する見通しとなった東芝は、主力の半導体事業を分社化することで資金を工面する方針を取りました。売却時期は4月以降です。

売却時期を4月以降に先送りしたことにより、2017年3月期決算で債務超過の状態を解消できないことになります。つまり、東芝は東証2部に降格することを意味します。

売却時期を伸ばしたのは、売却する株式の割合について社内や主力銀行との間の意見の相違をなくすためです。慎重に話し合いした上で妥協点を決め、東芝のより有利な条件で売却しようという意図が読み取れます。

今後、どのように売却手続き進めるかが大きな焦点となるでしょう。

 

苦戦を強いられる日系電子機器メーカー

今回は東芝が経営悪化で取り上げられましたが、東芝だけでなく日系電子機器メーカーは経営難という面ではどこも同じ状況です。

日立製作所やパナソニックは約7000億円の赤字。ソニーも約4500億円の赤字を計上しました。

特に、国産第一号のテレビを作ったシャープでさえも約2200億円の赤字を計上し、台湾のホンハイ精密工業に買収されたことなどは私たちの記憶に新しいのではないでしょうか。

日系電子メーカーの失敗は「時代の流れを正しく読めなかったこと」です。

人口が減少し、市場が縮小しているとともに以前よりもモノが溢れている社会で、日経電子メーカーがどう戦略を立て直していくのか注目です。

いかにしてイノベーションを生むか、時代に合った新たなアイデアが必要なのかもしれません

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