トランプ大統領が自動車産業を批判するのはなぜ?メキシコとの関係は?

トランプ大統領は自動車メーカーについて批判を繰り返し、注目を集めています。背景にはグローバル化によって海外に仕事を奪われたという背景があります。しかし、トランプ大統領自身も根拠のない批判も行っており、混乱が生じています。自動車メーカーも対応を迫られています。トランプ大統領がアメリカの自動車メーカーを批判する背景は何でしょうか。この記事ではトランプ大統領の自動車メーカー批判についてまとめました。

トランプ氏が自動車メーカーを批判する理由は?

アメリカ合衆国では、トランプ大統領による過激な発言によって大きな反響が次々と起こっています。

なかでも日本ではトランプ大統領の自動車メーカーに向けた厳しい発言は大きな注目が集まっています。

自動車産業はもともとアメリカの主要産業です。トランプ大統領のかかげる「アメリカ第一主義」に欠かせないのがアメリカの自動車産業の復活なのです。

トランプ大統領の発言の背景にはどんなものがあるのでしょうか。

トランプ大統領の自動車産業にむけた発言

あらためてトランプ大統領が自動車産業にむけてどのような発言をしているかみていきましょう。

  • 「(メキシコでの新工場建設は)恥知らず」:フォード・モーターにたいして
  • 「メキシコでつくる車に高い関税をかける」:ゼネラル・モーターズにたいして
  • 「(メキシコでの新工場建設に)高い関税を払え」:トヨタ自動車にたいして

メキシコに工場が移転することを意識していることがわかります。

トランプ大統領の支持者層

トランプ大統領の大きな支持者層に自動車産業の労働者がいます。トランプ大統領は、仕事を失い、なお無視されてきた労働者の支持を大きく集めて当選したのです。

それは、トランプ大統領が現在仕事を失った、または失いつつある層に目を向けたからです。

ラスト・ベルト

アメリカの自動車産業の中心は、デトロイトなど5大湖周辺の地域です。最盛期は多くの人が集まり隆盛を誇りました。

しかし、現在それらの地域は「ラスト・ベルト」と呼ばれています。「錆び付いた工業地帯」です。

それは、次々と工場が閉鎖され、街全体が錆び付いていることからきています。その閉鎖された工場の代表格が自動車産業なのです。

海外の安い労働力に仕事を取られてきた

ラスト・ベルトが生まれた背景には、企業がグローバル化により安い労働力を海外に求めるようになったからだといわれています。

企業は安い労働力を求めて海外に工場を移転し、アメリカの労働者は職を失っていきました。しかし、グローバル化は政府の政策でもありました。大きな流れに取り残された労働者層が生まれたのです。

トランプ大統領の発言の背景

トランプ大統領の「アメリカ第一主義」には、海外に取られたアメリカの富を取り戻そうという大きな柱があります。自動車産業はその中でも象徴的な産業なのです。

トランプ大統領の一連の自動車産業にたいする発言の背景にはグローバル化に対抗する意思があるといえます。

 

各自動車メーカーの対応は?

トランプ大統領の発言に各自動車メーカーは対応を迫られる形になっています。

現在株式市場では、トランプ大統領の発言の影響を受けやすく、企業も敏感になっているのです。各自動車メーカーの対応は以下のとおりです。

フォード・モーターズ

トランプ大統領にメキシコでの工場建設について「恥知らず」と批判されたフォードは、工場の建設撤回までにいたりました。

トランプ大統領の発言の大きさがわかります。

ゼネラル・モーターズ

メキシコで造った車について高い関税をかけると発言されたゼネラル・モーターズは、米国の複数の工場に10億ドル(約1140億円)の投資計画を公表するとウォールストリートジャーナルは伝えています。

トランプ大統領の発言と直接関係があるかははっきりしませんが、背景には配慮があるとみられています。

トヨタ自動車

GMと同様に関税について言及されたトヨタ自動車は、今後5年間で100億ドル(約1.1兆円)をアメリカに投資すると発表しています。

トランプ大統領の発言に配慮したとみられています。

トランプ大統領は結果として、複数の企業から巨額の投資を引き出した形になっています。

 

アメリカとメキシコの関係

トランプ大統領は、アメリカの労働者から仕事を奪うことを嫌います。

かつての日本の自動車産業もそうです。

1980年代の日本とアメリカの貿易摩擦の際も、トランプ大統領が手本にしているといわれるレーガン大統領は保護主義的な政策を打ち出しました。

トランプ大統領が当初、アメリカの自動車メーカーよりも日本の自動車メーカーに厳しく当たっていたのにはこのような背景があるのです。

今はメキシコ

かつて日本に向けられていた感情は、今はメキシコや中国に向いています。

トランプ大統領は、国境を接しており、中国よりも国力の弱いメキシコには、より厳しく接しています。

トランプ大統領の根拠は曖昧

トランプ大統領の根拠は曖昧であるという指摘もあります。

実際にトランプ大統領が批判したトヨタがメキシコに作ろうとしている工場は、アメリカの代替ではなくカナダの代替ということなので、アメリカとはまったくの無関係です。

メキシコはアメリカから根拠のない批判を受けいてる状態でもあるのです。

感情の矛先

アメリカの労働者層はそれほど疲弊しているということもいえます。仕事を失い、困窮し、希望を持てずに、感情の矛先がもっとも近くわかりやすいメキシコ向かってしまっているのです。

グローバル化を進めているのはアメリカ自身です。国内の問題をみようとしなかったために、保護主義的なトランプ大統領が選ばれるまでにいたったのです。

アメリカ国内はそれほどに分断されているともいえるのです。メキシコは今現在もアメリカの混乱の影響を受けてしまっています。

 

アメリカの自動車産業は復活するのか

実際に今現在も、安い労働力を求めて企業のグローバル化は進んでます。トランプ大統領は、その流れに真正面から対抗しています。

本当にグローバル化にアメリカ自動車産業の衰退の原因があるのでしょうか。工場を戻せば、アメリカの産業は復活するのでしょうか。

従来とは確実に異なる動きになっているもの事実です。

今後、アメリカ産業がどのような方向に向かうのか、日本企業はどのように絡んでいくのか注意が必要です。

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