新型輸送機オスプレイとは?安全性や事故率は?価格は?熊本地震出動の意図は?

オスプレイとは、アメリカのベル・ヘリコプター社とボーイング・ロータークラフト・システムズ社が共同で開発した新型輸送機です。その安全性が問題視されています。事故率は平均以上です。新型輸送機オスプレイ。「危険だ。オスプレイ反対!」とよく耳にしますが、その実態を本当に理解している人はどれくらいいるのでしょうか?この記事では新型オスプレイの説明、オスプレイの役割や意義、活動例、事故率についてまとめました。

新型輸送機オスプレイとは?

オスプレイとは、アメリカのベル・ヘリコプター社とボーイング・ロータークラフト・システムズ社が共同で開発した新型輸送機です。

防衛省のホームページによると、オスプレイは回転翼を上に向けた状態ではヘリコプターのようにホバリングや垂直着陸が可能であり、前方に傾けた状態では固定翼機のように高速で長距離飛行することができる航空機と書かれています。

つまり、ヘリコプターと飛行機のいいとこ取りをした新型輸送機なのです。

オスプレイはCV-22とMV-22と呼ばれる2種類に分けられます。2種類とも基本的な機体構造は変わりません。従事する任務の違いから機体の名称が異なりますが、この2種類にほとん違いはありません。

CV- 22は、海兵隊向けの機体であるのに対してMV-22は空軍向けの機体です。CV-22はMV-22にはない地形追随装置やレーダー探知機能などを装備しています。

 

オスプレイの役割や意義は?

オスプレイはアメリカの海兵隊や空軍の部隊が使用しており、また要人輸送機としても使用されています。

オスプレイの主な任務は各種の事態が発生したときに初動対応を行う米軍部隊を輸送することです。オスプレイは普通の飛行輸送機より高性能なため、多くの場面で活躍することが期待されます。

CH-46と比較すると最高飛行高度は2倍以上、最大速度2倍、行動範囲4倍、と圧倒的に高性能です。また航続距離や最大時速もかなり上がっているので、性能面で見るとアメリカがあれほどオスプレイを推す理由もわかりますね。

日本に配備されるオスプレイはアジア太平洋地域に所在する特殊作戦部隊を輸送します。

特殊作戦部隊とは、民間人の救出を含め、対テロ作戦等を行う部隊のことを指します。大規模な災害が発生した場合に、オスプレイは高い性能を活かして人道支援や災害支援活動を迅速かつ広範囲に渡って行うのです。

災害が起きた場合に、陸や海からでは救済支援ができないことも可能性としてないとは言い切れません。また、交通の利便性から空からの輸送はかなり有利になります。

このように、オスプレイは即応性の観点からみても優れていることがわかります。

オスプレイの日本への配備は、アメリカのアジア太平洋地域の重視政策や即応態勢装備の一環です。

日本政府は、高い性能を有するオスプレイが日本に配備されることは、日米同盟の抑止力・対処力を向上させ、アジア太平洋地域の安定にも大きく貢献すると考えています。

また、災害時の人道支援や災害活動を行うことができるという点で、日本にとってもオスプレイの存在は大きな意義があります。

 

オスプレイの活動例は?

2013年11月にフィリピンで大きな被害をもたらした台風が直撃しました。台風の進路にあった住宅の7~8割が破壊されるほど大規模なもので、大統領が非常事態宣言をするほどでした。

被害が発生した際、米海兵隊は被災地に最大14機の普天間飛行場所在のオスプレイを派遣しました。厳しい被災環境においても、1日に数百名の孤立被災者と約6トンの救済物資の輸送を行うなど、多様な能力を提供しました。

また、2015年4月ネパールで大地震が発生したことから、普天間飛行場所所在のオスプレイが4機派遣され、災害救済活動に従事しました。

最近の事例では、熊本地震の際にオスプレイを物資輸送目的で使用しました。

オスプレイが日本の災害対応に使われたのは初めてです。しかし、自衛隊にも約60人乗りの大型輸送ヘリCH47が約70機ある中でオスプレイを使用する意味はあったのかという疑問の声もあります

なぜなら、オスプレイは約30人乗りだからです。熊本地震の被災地への物資輸送は、オスプレイの安全性や高性能を広く知らせる良い機会であり、政治的な効果が期待できるから使用したという見方もあるようです。

 

オスプレイの価格は?

日本がオスプレイを購入する場合は、まずアメリカ政府を介します。つまり、アメリカ政府がアメリカ軍から購入し、日本政府がアメリカ政府からそれを購入するという構図になります。

したがって、手数料などがかかることから実際の価格より高い額で購入することになるのです。

2015年度の防衛費予算の概要によると、オスプレイは5機で約516億円になっています。単純に機体数で割ると1機あたり約103億円になります。

ところが、2014年度の米軍予算関連文書によると、米軍海兵隊は1機約88億円で購入しています。

海兵隊が購入している額より自衛隊が購入する額が高いのには理由があります。なぜなら、約88億円は機体の本体価格のみを表しているからです。

したがって、1機約103億円とは機体本体だけでなく、エンジンや電子装備品を含めた機体価格になるのです。オスプレイ1機当たりの価格は約103億円と考えるのが一般的でしょう。

 

事故率は?

防衛省が発表している資料によると、事故率とは10万飛行あたりのクラスA飛行事故の件数の割合を表すと定義されています。

クラスAの飛行事故とは、政府及び政府所有財産への被害総額が200万ドル以上、国防省所属航空機の損壊、あるいは死亡または全身不随に至る傷害もしくは職業に起因する病気等を引き起こした場合を指します。

2012年に防衛省が発表しているオスプレイの事故率は1.93です。米軍海兵隊が持つ航空機全体の事故率の平均は2.45であることから、オスプレイは安全であると主張してきました。

しかし、オスプレイの安全性が疑問視される中で、2016年12月にも沖縄県名護市の海岸で不時着事故が起きました。米軍安全センターはこの事故をクラスAに相当すると発表しています。

オスプレイの事故率は年々増加しており、防衛省によると2015年9月末時点で2.64です。米海軍安全センターによると、米海兵隊全体の平均値は2.63なのでオスプレイの事故率は平均を上回っています

これでは国民から批判がくるものやむを得ない状況といえます。オスプレイを導入するにしても、事故への早急な対応と原因追求を行い、国民の理解を得ることが重要になります。

 

政府の課題

政府は日本の安全保障環境だけでなく、アジア太平洋圏の安全性にも貢献してくれるという考えで導入しています。また、災害時の人道支援・災害救援活動に大きく活躍すると予想されます。

しかし、安全性に疑問がもたれているのは事実です。

沖縄県の普天間基地は住宅街の中にあります。オスプレイが万が一住宅街に不時着してしまったら国民の怒りもおさまらないでしょう。

政府は国民と米国との関係性の板挟みになっています。2018年度までに陸上自衛隊がオスプレイを17機アメリカ側から購入することが予定されています。

今まで安全であると主張してきましたが、データで危険性が証明されてしまいました。安全性を推してした分だけに、オスプレイの安全性を証明することが政府の必須課題となるでしょう。


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