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2017.2.17
2017.2.17
クールジャパンが象徴するように、日本の文化が海外に広まりつつあります。日本食もひとつのブームとして海外にビジネスを展開する日本の外食産業も増え続けています。
なかでもアジア市場への進出企業が増加し、多くの外食産業が成功を収めています。
成功した企業は日本と同じ味や価格帯で勝負した店、現地の嗜好に合わせた店、価格破壊を起こした店、それぞれ特徴があります。成功した企業と失敗した企業の分岐点は日本では当たり前のおもてなしという分析もあります。
差別化するのは商品そのものだけではなく、店員の接客からおしぼりまですべての経験です。海外からの観光客が増えてさらに日本食のファンを増やし現地の日本食レストランに足を運ぶ。このような流れがしばらく続くと予想されます。
日本と同じ王道で勝負して成功したのは大戸屋とCoCo壱番屋です。
大戸屋は日本と同じ料理を提供することでタイや台湾で成功を収めています。
日本と同じ食材を原則とし、日本と同じ品質のものが確保できない食材や調理器はコストが高くなっても日本から直送しています。
そのため価格設定は高くなっていますが、富裕層を中心に口コミが広がり、高級日本食チェーンとしてのブランドを確立しました。
アジアでブランドを確立するという経営者の強い意志もあって、価格は高くても本格的な日本料理こだわっています。
カレー専門チェーンのCoCo壱番屋は日本のカレーの単品メニューで、かつ日本と同じ価格で勝負しました。好みのカレーの種類とトッピングの組み合わせだけで十分通用すると判断したといえます。
中国ではまだカレーが市場に認知されておらず、日本のココイチカレーが中国市場におけるスタンダードとして浸透させることに成功しました。
価格も日本と同じにしたことが、高級感やファッションと認識され、割高であるにも関わらず日本とは違った評価を受けています。
一方現地の嗜好に合わせて成功したのは牛丼の吉野家と熊本発祥の味千ラーメンです。
吉野家は牛丼に加え、麺類、弁当、サイドディッシュなど日本と違うさまざまなメニューを取り揃えています。
価格も展開する各国の物価水準や競合状況に応じて柔軟に対応し、現地向けのアレンジを重ねています。
味千ラーメンは国内外約800店舗を展開していますが、そのうち約700店舗が海外、さらに約600店舗が中国にあります。日本の外食チェーンで中国に展開する店舗数としては最大級です。
中国店舗のメニューは日本よりもはるかに多様です。焼き鳥や炒め物もあり、ラーメン店というより居酒屋のようなメニュー構成です。
これは中国の消費者が個食ではなく、家族など大人数で多様なメニューをシェアする食事を好むという食文化に対応したものです。
吉野家は牛肉の味付け、味千ラーメンはスープ。ブランドを象徴するコア商品の味と品質は日本と同じです。
日本の飲食店としての核は守りつつメニュー全体としては現地化を徹底したことで市場受け入れられて行きました。
イタリア料理のサイゼリヤは中国市場への進出の際に思い切った低価格路線をとりました。日本と同様、緻密に作り上げたオペレーションで低価格・高品質の両方を実践しています。
日本で作り上げたセントラルキッチンシステムを中国へも持ちこみ、店舗では火も包丁も使わない簡易調理に徹して、品質を安定させながら高い効率性を実現することができました。
味が美味しいのは当たり前です。ただ成功の要因は、味の他にメニューや価格など、ポジションの明確さと現地市場との整合性につきるのでしょうか。
日本の外食産業の高評価を下支えする共通の要素に、日本の清潔感とサービスのクオリティがあるのではないかという分析もあります。
例えばCoCo壱番屋でお客様が席に着くと、清潔なおしぼりと安心して飲める水がすぐに出てきます。日本ではごく当たり前ですがアジアの消費者からすれば驚きの光景です。
店員の接客、店の清潔感、全ての体験、経験が店の評価決めています。まさに日本のおもてなしの心が人々の心を強く響かせているのです。
官民ファンドのクールジャパン機構は、とんこつラーメン店チェーン「博多一風堂」の海外展開を後押しするために約20億円の融資や出資をしています。ラーメン店が国から資金調達できる時代になったのです。
このことは国が日本食文化を高く評価し、さらに他の産業と同様に世界展開が見込める輸出品目であると認めている証です。
海外からの観光客(インバウンド)は法整備も整い、さらに増加していくと予想されます。そこに日本の食文化でアピールすることで、さらに日本のファン、日本食のファンが増えていくことが望ましい形です。
日本食を食べるという経験は、御礼からおしぼりまで日本のおもてなしがつまった日本文化そのものです。個々のお店がおもてなしの心を忘れずにいれば日本食人気は今後も新調していくといえます。