20代で読んでおくべき本「ワークシフト−孤独と貧困から自由になる働き方の未来図」書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「ワークシフト−孤独と貧困から自由になる働き方の未来図」についてまとめました。以前は終身雇用が一般的でしたが、今は働き方そのものが変化しています。

ワークシフト−孤独と貧困から自由になる働き方の未来図ってどんな本?

この本は、ロンドンにあるビジネススクールの教授で、人材論経営組織論の世界的権威であるリンダ・グラッドン氏の著書です。

この本のなかでグラッドン氏はこれからの働き方について、大きく3つのポイントをあげています。

  1. 自分の専門技能を高めて世界中の競合と差別化すること
  2. 70歳以上まで働くことを想定し、自分の職業人生を考えておくこと
  3. お金ではなく”経験”を求める働き方へシフトすること

これからの日本は大きな経済成長が見込まれておらず、その影響は計り知れません。先行きが見えない中でどのような働き方をするべきなのか、この本はこれからの流れをつかむための良い材料です。

就活生は自分の企業選びに、またこれからの自分のキャリアを考える若手ビジネスパーソンにオススメの1冊です。

 

働き方を大きく変えるコンピューター

2008年のリーマンショックにより、これまで安定して好調を維持してきた大企業が軒並み業績不振に陥ってきました。

この流れは景気後退だけで説明がつくものではないとグラッドン氏は分析します。これまで常識となっていた企業のあり方や人々の働き方根本から覆されようとしていると指摘しています。

18世紀後半の産業革命以降人々の働き方や生活様式は大きく変わりました。それまでの職人仕事から工場労働になり、人々の仕事は機械の歯車のように専門化して分かれて行きました。

そのため9時〜5時の勤務形態や、現役を引退するまで同じ同僚と一緒という生活になっていきました。しかし、今後十数年の間に、仕事の世界ではこれとは正反対の変化が起きる可能性があると言います。

そのときに新たなエネルギーとなるのが爆発的に進化を遂げるコンピューターのデータ処理です。変化の影響は直ちにグローバルに広がり、スピードはますます加速していきます。

  • テクノロジーの変化
  • グローバル化の進展
  • 人口構成の変化と長寿化
  • 社会の変化
  • エネルギー・環境問題の深刻化

この5つの要因が世界を突き動かし、産業革命に匹敵する変化が今まさに進みつつあります。

 

コンピューターの負の面

この流れにともない、私たちの仕事観も変わって行きます。2025年の未来をこの本では負の面と明るい面と両方紹介しています。

例えば負の面では、世界各国のオフィスと24時間仕事ができる状況になり、ロンドンのビジネスパーソンは膨大なメールチェックやバーチャル会議など四六時中仕事に追われています。

また、インドの医師とエジプトのプログラマーはともに高い専門技能を持ち、ネットを通じて海外の仕事を請けています。仕事を評価され十分な収入を得ているものの、生身の人間と接する機会はほとんどなく、孤独を抱えながら仕事をしています。

一方アメリカやベルギーなど先進国の若者は、自分より賢くてやる気もある中国人やインド人の若者との競合となり、就職したくてもできず、ファーストフードや短期のアルバイトでギリギリの生活を送っているありさまです。

2025年の未来は、先進国に生まれたからといって豊かな生活ができるわけではなく、格差はますます広がっていくと予測しています。

これを主体的に築く明るい未来に置き換えるには、個人が未来の世界でニーズが高まりそうなジャンルと職業を選び、高度な専門知識と技術を身につけることが不可欠です。

2000年以降に生まれた子供の半分以上は100歳以上生きると予測されています。年金制度では支えきれなくなり、多くの人が70歳を過ぎても働く時代になっています。

こうなるとひとつの会社で勤め上げるといった職業人生は成り立ちません。ひとつの専門技能を高めるとともに、ある年齢から他の分野へ移動したり、独立起業するといった選択肢もあります。

 

コンピューターの明るい面

未来の明るい側面としては、世界の人々がインターネットで結びつき、力を合わせて難しい問題に取り組む時代がやってくる可能性もあります。

またエネルギー問題や環境問題に対して先進国が大倹約時代に突入し、大量消費社会が終わるかもしれません。

そのとき私たちの仕事観はお金を稼ぐためだけのものではなくなり、自分のニーズと願望に沿った「経験」を得るためのものに変わっていくでしょう。

仕事の世界には3種類の資本が必要とされます。未来を切り開くためにはこれをシフトさせなければいけないと言います。

1つ目は知的資本のシフトです。幅広い知識もつゼネラリストではなく、専門技能を高め、自分を差別化することが求められます。

2つ目は人間関係資本のシフトです。職場の人間関係がなくなっていくため、生活に喜びを与えてくれる深い人間関係や、さまざまな情報や発想に触れる広く浅い人間関係など、人的ネットワークを意識的に築いていかなければいけません。

こうした人とのつながりによってイノベーションを成し遂げる姿勢が第二のシフトになります。

3つ目は情緒的資本のシフトです。古い価値観では仕事とは単にお金を稼ぐことを意味していました。これからはどのような職業人生を送りたいかを考え、情熱を持って何かを生み出す生活に転換することが求められます。

これからの未来は否が応でも一人一人が生き方を問われる時代になっていくようです。人生で何を大切に生きていくか。1度考えてみてはいかがでしょうか。

 

働き方の変化:編集後記

インターネットによって繋がった世界は、いい面も悪い面も持ち合わせています。いい面を上手に享受し、悪い面に対していかに対策するかが大切です。

世界がつながることは良くも悪くもまわりが見えるようになり、世界が広がることを意味します。手を組む選択肢が広がる分、競合も増えます。

そんな世界にシフトしていっている昨今、これまでと同じような働き方では通用しなくなっているのも当然といえば当然です。

ベテランビジネスパーソンの中には1つの企業に勤め上げる人も少なくないでしょう。ただ今は状況が違います。ベテランがいくら「同じ企業に勤めるほうがいい」と言っても、生きている時代が違うのです。

この記事の編集者も20代ですが、私のまわりの同年代でも既に転職を経験してる人もいます。今後は1つの企業に勤める時代ではなく、自分の力でお金を生み出す時代なのです。

この本を読んで、未来の働き方について考えてみてくださいね。


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