20代で読んでおくべき本「いつかリーダーになる君たちへ」書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「いつかリーダーになる君たちへ」についてまとめました。リーダーに求められる要素は何でしょうか。

いつかリーダーになる君たちへってどんな本?

この本は一般社団法人リディラバの代表で、東京大学で「ソーシャルビジネスのためのチームビルディング」というゼミを開いている安部敏樹氏の著書です。

安部氏は、社会の無関心を打破することをテーマに社会問題の現場に行くスタディーツアーで注目されている社会起業家の1人です。

いいチームを作るためにはリーダーの役割が大切です

この本では、リーダーの役割として意見を言いやすい雰囲気をつくること、最初にルールを決めることでチーム内の障害をなくすこと、感情に訴えるテーマを持ち、精緻な論理構造を持つことなどを挙げています。

管理職とは、働きやすい環境をつくり、生産性を上げることが役目です。起業を考えている人やキャリアアップをしていきたい人がリーダーに必要なことを学ぶことができる1冊です。

 

いい結果を出すチームの条件

安部氏のゼミでは、これまでの先生が一方的に話す授業ではなく、学生同士が盛んに意見を出し合うことを求められます。なぜなら、良い結果を出すチームはメンバー同士の交流が盛んでお互い何でも言い合える雰囲気があるからです。

チームにとって「なんとなく意見がいいづらい」という雰囲気こそが敵です。いくら優秀なメンバーがそろっていても、この雰囲気に支配されてしまうとお手上げなのだといいます。

そこで安部氏のゼミでは最初に6つのルールを決めています。

  1. 議論に積極的に参加すること
  2. 属人的な議論ではなく、属事的であること
  3. 発言の意図を明確にすること
  4. 準備不足でした、という言い訳はやめること
  5. そんなの無理だ、とは言わないこと
  6. 自分ができていなくても批判をすること

これらはすべて積極的に議論していくための取り決めです。さまざまな人が集まると、ある程度決められたルールがなければコミュニケーションが成り立たないのだそうです。

 

人の心を動かすために必要なことは?

リーダーが最初にやるべきことは、ルールとマインドセットの共有から始まります。そしてチーム内で技法、進捗状況と議論のステージ、意欲を共有していきます。

人間の思考は大きくわけて発散と収束の2つのパターンがあります。

発散はとにかくアイデアをたくさんだそうとしている状態です。収束はさまざまなアイデアから結論を導こうとする状態です。いまはどの段階なのかメンバー内で共有していないと、議論がちぐはぐになってしまいます。

これらの前提を共有したうえで、ゼミでは実践的なプレゼンテーションへ入っていきます。

プレゼンでは自分の意図を伝えることで相手に変化を起こすことを意識するようアドバイスします。話に起承転結をつけストーリーを持たせることがコツです。

ソーシャルビジネスにおいて大切なことは「今はこんな状況だけど、こう変えたら世の中がもう少し良くなる」という感情を訴えたテーマを持つことです。

人を動かすには、自分が心の底からこの問題を解決したいと思えるテーマでなければ響かないといいます。

 

実現性を増すために必要なことは?

その一方で、訴えるためには細かい点まで注意が行き届いた論理構造が大切です。計測データをとったりヒアリングをして、仮説、検証を繰り返します。

東大生チームが提案するビジネスプランはいずれもよく考え抜かれていて、興味深いものが多いのに驚かされます。

  • 学生の野菜不足を解消すべく、POSシステムを使ってポイントカードを導入するプラン
  • 男女の格差問題を解決すべく、東大の女性進学率の低さに着目し、東大女子アイドルを作り啓蒙活動していくプラン
  • シングルマザーの貧困問題を解決すべく、資格取得を支援するシェアハウスを運営するプラン
  • 耕作放棄地や後継者不足といった農業問題を解決すべく、農村の法人化をサポートするプラン

いずれも課題設定が明確です。

さらに実現性を増すためにお金の出し手を押さえ、自分たちでなければその事業が成り立たないという状態を作ることが必要だと言います。

学生の戯言で終わらず、本当に課題を解決していくためには、いかにお金を回して事業を継続できるかどうにかかっています。

 

リーダーの役割とは?

安部氏のゼミでは単にリーダーになるための精神論を説くのではなく、プレゼンテーションやブレインストーミングの手法など実践を徹底して行います。

理解と実践は大きく異なるものだと安部氏は言います。常日頃から実践を繰り返していくことで、やがて本当の力がついてきます。

実践のない知恵には意味がありません。リーダーの役割はメンバーそれぞれの良さを引き出すことです。その良さをどのように引き出していくのがいくか。そのためにリーダーが備えるべき能力が網羅された1冊です。

 

チームの雰囲気作り:編集後記

いい雰囲気のチームがいい結果を出すというのは、ビジネスだけに当てはまるわけではないように思います。

例えば、この記事の編集者が小学生の頃サッカーをやっていましたが、チームは連敗を重ねて負け癖がついてしまっていました。

どうせ負ける、という雰囲気がチームにあり、何回試合をやっても負けていました。

中学に上がって他のチームからのメンバーが増えると、チームの雰囲気はガラッと変わりました。勝てるようになり、負け癖もなくなりました。

メンバーの技術が急激に上がったわけではないのですが、チーム全体の士気が上がっただけで勝てるようになったのです。

ビジネスも同じように思います。

リーダーがチームの雰囲気を作り、メンバーひとりひとりの士気を高めることで、大きな成果を出せるようになるのでしょうか。

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