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20代で読んでおくべき本「アンガーマネジメント 怒らない伝え方」書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「アンガーマネジメント 怒らない伝え方」についてまとめました。怒っている人にはどんなことでも共感するのは難しいものです。怒りをコントロールするにはどうすればいいのでしょうか。

アンガーマネジメント 怒らない伝え方ってどんな本?

この本は伝わるコミュニケーションをテーマに企業研修を行っている戸田久美氏による著書です。

アンガーマネジメントとは、怒りの感情を自分でコントロールすることです。そのために必要なポイントを3つあげています。

  • 怒りの裏側にある「〜してほしい」という感情を理解すること
  • 「〜すべき」という常識や価値観は人それぞれ違うこと
  • 怒る場合は人格否定を避け、改善してほしい事柄を具体的に伝えること

ビジネスにおいてうまくいかないときに感じる感情はほぼ怒りといっていいでしょう。怒りを感じるときには自分しか見えなくなり、客観的な判断ができなくなっています。

第三者の目線で自分の怒りを知ることができれば、感情に振り回されず仕事のパフォーマンスを常に一定に保つことができます

部下を持つ管理職はもちろん、キャリアアップするため部下の管理能力を高めていきたい若手ビジネスパーソンにオススメの1冊です。

 

怒りとは?

そもそも怒りとは、心と身体に安心安全が脅かされたときに感じるものだそうです。身を守るための感情と言われています。

うれしい、楽しい、悲しいといった感情と同じように自然な感情ですが、他の感情に比べて強いエネルギーを持っています。その感情に振り回されてしまうため否定的に捉えられています。

自分では冷静に把握できにくい感情ですが、怒りは二次感情とも言われます。つまり怒りの裏にはこうあってほしい、わかってほしいという別の感情が潜んでいると言います。

その願望が満たされないときに怒りという感情になって表に出てくるそうです。

 

怒りを理解する

著者は仕事柄多くのビジネスパーソンの悩み相談を受けるそうです。そのほとんどが怒りについての悩みです。部下に言いすぎてしまった、怒るのはみっともないからと怒れないなどです。

これに対し戸田氏は、怒りは感じてもいい、怒ってもいいと言います。ただ怒りだけが表に出てきてしまうと、本来のこうあってほしいという気持ちが相手に理解されないままになってしまいます。

アンガーマネジメントの最初の1歩は、まず怒りの裏にある一次感情を自分で理解することです。そして怒りに任せてそれを言うのではなく、相手が理解して納得できるように伝え方を工夫することが大切だと言います。

一次感情をまず自分で理解するためには、日々一日の終わりに今日何にイライラしたか、自分で書いてみることです。

自分を客観視できていなければ怒りを振り返ることができません。また毎日何に怒ったのか振り返っていると、日中イラっとしたときに、自分は今イライラしているなと第三者の目線で自分を見ることができるようになります。

つまり感情をコントロールできる準備ができるわけです。

 

怒りの原因を見極める

自分で怒りを振り返ると、何にイライラしているのか、自分の傾向がわかります。外的に何に怒るのかは人それぞれですが、内面的な要因には共通するひとつの原因があります。

それは「〜すべき」という自分の価値観です。

それは家庭のしつけ、一般常識がベースになっているのですが、それが誰にも通じるものだと思ってしまうことが落とし穴です。

人それぞれに「〜すべき」ことは違うのです。

自分と人の価値観が違うことを認識し、自分との境界線を相手に伝えることがアンガーマネジメントの基本だと言います。そして自分の許容範囲を決め、度がすぎる場合だけ注意するようにすればいいそうです。

 

怒りをコントロールするには?

この本の中には、どのように伝えればいいかさまざまなケーススタディが例文として記載されています。それらをまとめると、相手の人格否定は避けて改善してほしい事柄を具体的に伝えることが大切だと言っています。

例えば、怒るときに相手が改善できないようなことに触れることが人格否定になります。容姿、年齢、性別、学歴、出身地、家族構成などです。

常識を振りかざして相手の人格を攻撃するような伝え方は最悪です。

私を主語にして対等な一個人として話をすると相手も受け入れやすくなります。

例えば仕事の機会をくれない不満を上司に伝える際「どうして私にチャンスをくれないのですか?」というのではなく「私はいま〜に取り組んでいるのでぜひ〜のチャンスを下さい」と言ってみることです。

管理職の立場で言えば、叱るという行為は本来相手の人格を否定することが目的ではなく、相手の成長を願い、望ましい行為をしてもらうための動機づけです。

一方的に怒りぶつけても相手は望むような行動をするばかりか、場合によっては相手もイライラし何も生み出さない無駄な行為で終わることになります。

ですから相手の事情をまず聞き、こうしたらいいのではと一緒に対処法を考えるようにするのが双方にとって健全な行為です。

 

仕事のパフォーマンスが高い人

仕事のパフォーマンスが高い人はテンションが上がる訳でもなく、逆にテンションが低い人でもありません。常に一定の感情、冷静な状態を保てる人がどんなときでも普段の実力を発揮できる人です。

怒りを感じたとき「私はいまイライラしている」とわかるようになればしめたものです。自分を客観視し、怒りをコントロールできることを目指しましょう。

 

怒りは得をしない:編集後記

怒っているときはまわりが見えなくなってしまい、自分でも予想外の行動に出てしまうのは経験がある人も多いかもしれません。

ただ怒っている人の言うことは、どんなに正論でもなかなか受け入れてもらえるものではありません。

例えば同じセリフでも「それは間違いです」というセリフを笑顔と怒っている顔でいったらどっちが受け入れられやすいでしょうか。

突発的な感情に流されず冷静さを保つことができれば、様々なことがうまくいくかもしれませんよ。

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