20代で読んでおくべき本「たった一人の熱狂」書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「たった一人の熱狂」についてまとめました。努力は結果を伴わなければ意味はありません。ビジネスは結果が全てなのです。

たった一人の熱狂ってどんな本?

この本は、幻冬社の創業者である見城徹氏がSNSアプリ755で答えた仕事の考え方や人生哲学をまとめたものです。この中で見城氏は、これまでの歩みを顧みて仕事について3つの考え方を伝えています

まず人知れずに圧倒的努力を積み重ねた者だけが成功を手にするということ。そしてビジネスの成功と失敗を測る基準は「数字」しかないこと。さらに憂鬱でなければ仕事ではないことです。

就活生や若手ビジネスパーソンが仕事に対する考え方、仕事観を考えるきっかけになる1冊です。

 

出版社を立ち上げる原体験

見城氏が出版社を立ち上げる原体験は子供のころにあります。

少年時代は人一倍感受性が強く、何か常に孤独感を抱いていたそうです。それを救ってくれたのが本で、本は唯一の友達だったといいます。

人と関われるようになってきたのが高校生ぐらいのころでした。

その頃も左翼的な文学を好んで読みふけり、見城徹という人格が作られてきました。見城氏にとって読書こそが人生であり、後に編集者となる礎になったのです。

 

自分にしかできないこと

大学卒業後は廣済堂出版に入社し、入社1年目で「公文式算数の秘密」が30万部を超えベストセラーになりました。

その後角川書店に入り、自分にしかできないことに取り組みます。結果を出すという信念で、角川書店ではまだ実績がなかった売れっ子作家を次々と口説き落としました。

石原慎太郎、中上健次、村上龍、つかこうへい、いずれも当時ベストセラー作家で、どちらかと言えばアクの強いタイプの人たちです。

特に石原慎太郎氏に対しては石原氏ベストセラー作品である「兄弟」をすべて丸暗記し、アポイントの際にスラスラと暗唱したそうです。

石原氏にはこれまで当然ながらたくさんの出版社から仕事の依頼が来ていましたが、そう簡単に仕事を引き受けてはきませんでした。

その石原氏が、これまでたくさんの編集者を見てきたがこんな奴はいなかったと見城氏の熱意に折れ、仕事を引き受けるようになったエピソードを紹介しています。

 

幻冬舎を設立

見城氏は師と仰ぐ角川春樹氏がコカイン疑惑によって会社を追われたため、会社を辞めて1993年に幻冬社を設立しました。

翌年には五木寛之、村上龍、吉本ばなな、篠山紀信、北方謙三といった名だたるビックネームの単行本を一挙に6冊発売し、世の中に幻冬社ここにありとインパクトを残しました。

また1998年には郷ひろみ氏の告白本「ダディ」を出版界の常識では考えられない部数で刊行しました。失敗すればすぐさま倒産するような賭けでした。

オーソドックスな無難な勝負をしても無難な結果しか得られない。無知で無謀だったからこそ、不可能を可能にできた出典:たった一人の熱狂

見城氏にとって成功とは本が売れることであり、世の中の評価です。どれだけ多くの人が本を手に取ったか。その人の人生に影響を及ぼすきっかけを作れたかなのでしょう。

ベストセラーの裏に見城ありと言われるようになりました。

この世には二種類の人間しかいない。圧倒的努力を続ける人と、途中で努力を放棄する人出典:たった一人の熱狂

 

結果が全て

仕事については「成功という結果が出ない努力に意味はない」と言い切ります。

また芥川賞や直木賞を受賞しても

本が売れなければ賞に意味はない。この世界で生きるからには、いくら利益を上げたかという結果を曖昧にしてはいけない。けして大衆は愚かではない。愚かなのは数字を曖昧にして自分の敗北を認めない表現者や出版社だ。出典:たった一人の熱狂

とまで言っています。

出版業界には、たとえ売れなくても後世に残る良い本を作るという精神論を振りかざす人が少なからずいるそうです。しかし見城氏は若い頃からそうした言い訳をしないと決めました。

これは仕事に携わる全ての人に言えることです。何か成果を生み出す仕事に携わっているならば必ず数字が結果として残ります。

例えばあいつは数字は残しているけど人間性に問題があるという人がいます。要は人のアラを探して自分が負けていることを真正面から受け入れられない人です。

人間性と仕事の成果とは因果関係がありません。

もちろん人間性と仕事の結果を残す両方を目指すことは言うまでもありません。ただ仕事だけに関して言えば、数字という結果を曖昧にしては何も残らないのです。数字はごまかしがきかないのです。

見城氏はビジネスで結果を残してから初めて理念を口にすべきといいます。

 

努力とは?仕事とは?

苦しくなければ努力じゃない」「憂鬱でなければ仕事じゃない」と見城氏は言っています。

苦しく憂鬱な仕事を続け、まさにタイトル通り仕事に熱狂してきた見城氏をそこまで追い込むものはなんなのでしょうか。それは幼少時代に味わった孤独感にもつながる自己表現ではないでしょうか。

仕事そのものが人生であり、自分そのものなのです。見城氏の考え方、生き方に感銘を受ける人は数多くいます。

見城氏の言葉から自分にとって仕事とは、人生とは何かを考えるきっかけになるはずです。

 

努力の仕方を考える:編集後記

見城氏はこの本で、ビジネスにおける結果至上主義を示したといえます。

日本は結果までの過程を大事にする風潮がありますが、アメリカなどは結果至上主義がメジャーといわれています。お笑い芸人の厚切りジェンソンさんはこのことを、車に例えて説明していました。

それは以下の様なものです。

日本人は1時間で1キロしか進まなかった古い車を「頑張った」と褒めるが、1時間に1キロしか進まない車に価値はない。

結局のところ、どんなに努力しても結果が出なければ意味は無いのです。サッカー選手より努力した人もいるかもしれませんが、それでもプロより上達しなければその努力は無駄になってしまうのです。

だからこそ、努力を結果に結び付けなければならないと思います。そのためには、効率的な努力が必要です。

どんなに努力したと行っても、それが成果に影響を与えるものでなければ意味はありません。何に対して努力するのかを常に意識することが大切なのです。

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