パスカルとは?「人間は考える葦」の意味は?多分野で業績を残した?
2019.2.12
2017.8.8
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今回はカントをご紹介します。
カントは、18世紀に活躍したドイツの哲学者です。
18世紀といえば、産業革命が起こりヨーロッパの国が豊かになっていった時代です。
カントは前時代の認識論を180度変えたとされ
といわれています。
フィヒテ、シェリング、ヘーゲルなど多くの哲学者に影響を与えました。
カントの哲学は批判哲学と呼ばれています。
理性を徹底的に批判し、現代につながる新しい視点を与えています。
時間に正確で、いつも決まった時間に散歩をしたといわれています。
あまりに正確な時間に散歩をするので、近所の人はカントが通った時に時計の狂いを直したというエピソードが残っています。
カントはケーニヒスベルク大学の哲学の教授でした。
カントは熱心にいきいきと授業を行う、魅力的な人物だったという回顧も残っています。
カントは難解な哲学者というイメージがありますが、私生活では哲学の話を嫌い、社交的で魅力的な人物だったということは意外ですね。
カントの代表的な著作としては
などがあります。
カントの著作は難解ということで有名です。
しかし、読み解くと現代の社会にも通じることをいっていることがわかります。
『純粋理性批判』では
ということをテーマにしています。
本著では、理性を批判することで新しい認識論を提示しました。
理性とは「真理にたどりつくための力」と考えてください。
カントは、真理にたどりつくために理性で論理立てて考えていくと、結局はアンチノミー(二項対立)の状態にならざるえないといっています。
難しく聞こえるかもしれませんが、この世界が存在しているということは理性だけでは証明できないということです。
経験としては、わたしたちは世界があるということを実感しています。
しかし、経験だけで世界が存在することを証明するにも根拠が曖昧です。
そこでカントは経験と理性を融合し、世界が存在していることを認識しているとしました。
カントは、わたしたちは真理(存在の根拠)を得ることはできないとし、大事なことは共通の認識構造を持っているので、その部分でわかりあえるのだということです。
これは、わたしたちが共通の認識構造を持っているということに重点を置いたという点で新しい視点でした。
『実践理性批判』では道徳の問題に切り込んでいます。
「わたしたちにとっての道徳とは何か」というテーマです。
キリスト教的な道徳観念を批判し
という立場をとりました。
つまり、欲求を克服し、理性を追求することが道徳の本質であるということです。
一方でカントは、人間である以上、欲求を完全には克服することができないことも指摘しました。
そのような中で、わたしたちが道徳的であろうとする理由や意味を探ろうとしたのです。
カントの特徴として、深い洞察で人間の共通部分を探ろうとしていたということがあります。
認識論で認識の共通構造を提示しており、道徳ではわたしたちが共通に持ち得る道徳を探ろうとしています。
これは今日のビジネスの姿勢にも通じるものがあります。
様々な人と対峙するビジネスにおいて共通の認識、価値観を発見することは重要です。
カントは、18世紀にすでにより多くの人に共通する認識や道徳とはなにかを突き詰めました。
カントに触れることでビジネスのヒントを得ることができるかもしれません。
カントは『永遠平和のために』という著書を残しています。多くの人が平和に暮らせるためにはという問題に取り組んだのです。
この中でも、視点を広げてくれる深い主張を見ることができます。
ビジネスにおいて、哲学は関係ないように見えるかもしれませんが、物事を深く洞察する力は、相手との共通項を見つける力でもあります。
共通項を見つけ、より広い視野をもつことで、ビジネスの幅も広がるといえるでしょう。
カントを通して、視野を広げてみてはいかがでしょうか。