税制改正とは?平成29年度税制改正の概要をまとめて分かりやすく解説!

税制改正とは、年度ごとに税金の制度を改正することです。夏ごろに各省庁から要望が提出され、秋ごろに検討、冬ごろに発表されます。平成29年度税制改正では、配偶者控除、法人税や酒税が改正されました。知っておくだけで節税に約立つ税制改正。この記事では、税制改正の定義や流れ、平成29年度税制改正の内容についてまとめました。

税制改正とは?

税制改正とは、年度ごとに税金の制度を改正することです。

2017年現在、国の歳入の約6割は税金によって賄われています。税金がなければ国は運営できません。税制改革は税金という国の歳入を左右する制度を社会状況に適するものにする議論であるため、国会で重大な議論の1つとされています。

「平成28年度税制改革」では法人税減税や消費税の軽減税率制度の創立などが主な内容でした。

例えば「三世代同居に対応した住宅リフォームにかかる特例」は家の改修工事を行おうとしている方は知っておきたい税制です。

平成28年度(2016年)4月1日から平成31年(2019年)6月30日までに改修工事をした場合、住宅ローンの一部が所得課税から控除されます。

税制改正によって個人でも節税のメリットを受ける場合があるため、是非とも注目したい事柄です。

 

税制改正の流れは?

夏ごろに各省庁が要望を公表します。要望は各業界の希望が反映されていることが多いです。

平成29年度(2017年度)の要望は、国土交通省の「車体課税の見直し」ではエコカー減税の延長のように自動車業界の希望が反映されています。

農林水産省の「農村地域における農業社の就業構造改善のための税制上の所要の措置」では、農用地を工場用地として譲渡した際の所得税減税のように、農業界からの希望が反映されています。

9月から11月の秋ごろには政府税調がより具体的に検討します。有識者が中心となって中長期的な税制のあり方を議論します。

2016年度の税制調査会の第1会総会では、「パナマ文書」の公開を受けた税制のあり方についても議論されました。

秋頃の検討が一段落すると、12月中旬に与党が「平成◯◯年度税制改正大綱」を発表します。税制改正の大部分は固まり、12月段階での12月下旬には財務省と総務省が「平成◯◯年度地方税制改正案の概要」を取りまとめます。

1月には閣議決定され、2月に国会に提出、3月には衆参両院の各委員会で採択され、年度末までに成立します。

 

2017年の税制改正はどうなる?

配偶者控除

配偶者控除とは、配偶者(一般的には妻)の年収が「103万円以下」の場合、世帯主(一般的には夫)の給与所得から38万円を控除して、納税額を減らすことができる仕組みです。

恩恵を受けるために、パート主婦が年収を103万円までに就業調整を行うことが問題視されていました。103万円の壁として批判を浴びていました。

平成29年度税制改正では、2018年度より150万円以下に引き上げられることが決定しました。経済の成長力を阻害していた103万円の壁が崩されたということです。

ただ、夫の年収が1120万円以下に限定する所得制限が設けられました。貧富の差を縮小するための措置であるといえるでしょう。より詳しくは以下の記事で書かれています。

積立NISA

平成29年度税制改正では積立・分散投資に適した「積立NISA」が創設されることが明記されています。投資を促進していくための施策です。

現行のNISAとは別物で、どちらかを選択する必要があります。

現行NISAは120万円を最大5年までと対象商品と投資方法の自由度が高い点が利点といえます。現行NISAに関しては以下の記事に詳細が書かれています。現行NISAは投資中級者向けになるでしょう。

積立NISAは年間40万円を最大20年間保有できるのが特徴です。非課税で投資できる期間が長い点が積立NISAの利点です。積立NISAは投資初心者向けであることから、より多くの人が投資を始めやすくなると予想されます。

酒税

平成29年度税制改正では酒税を一本化する方針が明記されています。

ビール・発泡酒・第三のビールといったビール類は350mlで2026年10月から54.25円に統一されます。2017年時点では350mlのビールが77円、発泡酒が47円、第三のビールが28円であることから、ビールを除いた他の酒税は増税されるといえます。

ビール以外では、ワイン・酎ハイ・日本酒は350mlで35円に一本化されます。日本酒以外の税額は全て増税します。

種類間の税負担の公平性するために改革されると謳ってますが、実質的に増税であるという見方もできます。

法人税

企業が雇用者の給与をあげやすい環境を整えるために所得拡大税制が見直されました。

所得拡大税制とは平成24年度(2012年)からの賃上げ増加額のうち10%を税額控除できる制度です。

2017年時点では賃上げさえすれば、どの企業も10%の税額控除を受けられました。改正後は賃上げ増加額が前年度比2%以上増加した企業のみ所得拡大税制が受けられ、恩恵も12%の税額控除と拡充されました。

2%インフレ目標を達成するために企業が賃上げするインセンティブがより大きくなったといえます。

研究開発減税

研究開発が促進されるように税制が改正されました。

第四次革命のサービスを開発する費用も研究開発税制の適用になった他、税額控除率も拡充しました。大企業は6〜14%で、中小法人は12〜17%ほど控除されます。

研究開発が進むことで日本企業の国際競争力が向上し、日本の経済成長につながるようにすることが目的です。

 

身近な税にも影響する税制改正

税制改正は世間の要求に合わせて行われます。逆を言えば、税制改正から世の中の状況をある程度は読み取ることができます。

配偶者控除は、少子高齢化による労働人口が減少している背景から女性の労働参画を促進するものであるといえるでしょう。

一方で、積立NISAは日本国民の貯蓄性向が高くても銀行が貸し渋りしていることから、直接的に国民の投資を促すものであることが読み取れます。

税制改正は世の中を反映したものであるだけでなく、私たちの生活にも影響を及ぼします。早めに情報を入手しておくことで準備する時間が多めにとれ、余分な税金を払わなくて済みます。

平成29年度税制改正の例では配偶者控除や酒税が当たります。

配偶者控除制度の改正によって働き方をもう一度見直す必要が生まれます。酒税が一本化されることで、今のうちに税金が安いワインや第三のビールを必要なぶんだけ買っておくと節税になります。

税制改正は毎年行われることから、毎回注目してみてはどうでしょうか。

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