文化庁が移転する?場所は京都?メリットや問題点は?今後は?

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文化庁は2019年に現在の東京から京都へ完全に移転することが予定されています。京都、奈良の文化財管理が容易になることが行きたいされる一方で、中央省庁の地方移転は前例のないことで、様々な問題点が指摘されています。あなたは文化庁が京都に移転されることが決まっていることをご存知でしょうか。この記事では文化庁の京都移転についてまとめました。

文化庁京都移転とは?

文化庁は、2019年度に京都への全面移転が予定されています。

政府は経済・政治・文化などの東京一極集中を是正するために「ひと・まち・しごと創生総合戦略」というものを打ち出しています。

その一環で、地域ごとの産業事情や資源を考慮し、地方における仕事や人の循環をよくする目的で、政府関係機関の地方移転を進めています。

中央省庁の地方移転の最初の取り組みとして文化庁の京都への移転が決定しました。

文化庁とは?

文化庁とは、文部科学省の外局として設置されている庁です。以下の業務を行っています。

  • 芸術創作活動の振興
  • 文化財の保護
  • 著作権等の保護
  • 国語の改善・普及・施策
  • 国際文化交流の振興
  • 宗教に関する事務

現在は、東京都霞が関の中央合同庁舎の5・6階にて運営しています。

人数:約230人
年間予算:約1000億円

移転場所は?

移転場所については京都とだけ決まっています。具体的な移転場所については現在のところ以下の候補が挙がっています

  • 京都府警察本部本館
  • 元安寧小学校の一部
  • 京都国立博物館(本館または、旧管理棟・資料棟等)
  • 旧京都地方合同庁舎

地域文化創生本部の設置

2017年には「地域文化創生本部(仮称)」を京都に設置し、文化庁の一部を先行移転させるとしています。

地域文化創生本部は30人ほどの体制で、地方移転することによる新たな政策ニーズを先行的に実施し、本格移転に向けて準備するとしています。

 

なぜ行われる?メリットは?

文化庁が移転されるのには、京都側の要請と政府の方針が合致したことがひとつの理由としてあげられます。

京都側の要請

京都にとって、文化庁の誘致は近年始まったものではありません。

2002年、元京都大学名誉教授の河合隼雄氏が文化庁長官時にはすでに、文化庁分室を京都に開設させるなど、長年にわたり京都への文化庁誘致活動を行ってきました。

また今回の決定にも京都側から応分の費用負担を申し出ており、移転に積極的な姿勢が伺えます。

創生総合戦略と方針一致

政府としても「ひと・まち・しごと創生総合戦略」を打ち出しており、地方活性化の糸口を形にする策を求めてきました。このような政府の方針と京都側の積極的な姿勢が合致し、移転決定となったといえます。

メリットは?

現在、文化庁の業務の中で、大きな位置を占めているものが文化財の保護です。そして、国の重要文化財が集中しているのは京都・奈良の地域です。

地理的に京都に文化庁があることは優位であるともいわれています。

 

文化庁地方移転の問題点は?

一方で、文化庁移転にかんする問題点も多数指摘されています。

文化庁移転の問題点

文化庁の移転にかんしては反対の意見が多数あがってきています。

文化庁移転の3つの問題点

  1. 地理的な不利
  2. 予算的な不利
  3. 曖昧な負担

1.地理的な不利

著作権の管理団体など文化庁に関係する団体は東京を拠点にしているものが多いのが現実です。東京中心に業務が回らなくなってしまい、コストが大幅に上がってしまうことが懸念されます。

2.予算的な不利

文化庁の年間予算は約1000億円と、国の予算に占める割合は他の国と比べても非常に少ないです。

芸術団体は、ただでさえ少ない予算や人的エネルギーを移転に取られ、本来の文化庁の役割を損ねるのではないかと懸念しています。

3.曖昧な負担

また、移転費用の負担にかんしても曖昧です。

京都側から応分の費用負担を申し出ていますが、それがいくらなのか、また負担が決まった場合に府民の理解を得られるのかという疑問が残っています。

文化庁京都移転は費用負担にかんしても不確定な部分が多いまま決定がなされています。

中央省庁の地方移転

ひと・まち・しごと創生総合戦略における、中央省庁の地方移転の方針は、文化庁だけではありません。

政府のまち・ひと・しごと創生本部では、消費者庁は徳島県へ、総務省は和歌山県へ一部の新拠点を置くという方針を出しています。

あくまで方針の段階ですが、政府は、方向性として中央省庁が地方へ移転するという流れを作ろうとしています。ただ特許庁、中小企業庁、観光庁、気象庁については移転見送りを決定しており、簡単には進まない現実もあります。

 

東京一極集中は変わるのか

文化庁の移転は、中央省庁の地方移転という前例のない取り組みです。

東京に人・経済・政治・文化が集まることの利点はたくさんあります。ただそういった利点によって地方で失われていくものの多数あります。

今回、文化庁を京都に移すことで、地方活性化の糸口になるのでしょうか。前例のないことで、混乱や予想の出来ない事態が起こるかもしれません。また効果にかんしても未知数です。

文化庁移転の今後は二転三転する可能性もあります。また文化庁移転の経過によって政府の政策の進捗を知ることもできます。文化庁移転のニュースをチェックしておくことをオススメします。