政治・経済

日韓スワップ協定とは?メリットやデメリットは?なぜ再協定した?日本への影響は?

ワップ協定とは、金融危機や通貨危機に備え、国家間で金融市場の安定に必要な資金をお互いに融通し合う取り決めです。2015年2月に韓国との13年に渡る日韓スワップ協定が協定終了となりましたが、2016年8月下旬になって再協定に踏み出しました。この記事ではスワップ協定の定義、日韓スワップ協定のメリットやデメリット、日本への影響についてまとめました。

スワップ協定とは?

スワップ協定とは別名「通貨スワップ協定」とも呼ばれ、国や地域が互いに資金調達やコストの削減や為替変動リスクの回避を目的として異なる種類の外貨を融通し合う取り決めのことを指します。

金融危機や通貨危機などに備え、各国政府や中央銀行が市場の安定に必要な資金をお互いに融通し合う仕組みで、協定国から要請が来た場合に予め決められた範囲内で通貨交換をします。

スワップ協定は中央銀行間での協定であって国家間の条約ではありません

日本は2016年12月現在、アメリカ、EU、イギリス、スイス、カナダ、オーストラリアとスワップ協定を結んでいます。以前は韓国ともスワップ協定を結んでいましたが、2015年2月16日に交渉の結果、日本政府と韓国政府が同時に日韓スワップ協定を延長せず予定通り終了すると発表しました。

これにより2001年7月から13年半続いた日韓スワップ協定は終了しました。

 

日韓スワップ協定のメリットは?

財務省は、欧州情勢等のグローバル経済が不安定な中で、日韓両国は金融市場の安定のため、現行の日韓スワップ協定の拡充が必要であると認識したと発表していました。

また、日韓スワップ協定の拡充は日韓における金融協力の強化の観点から行うものであり、金融市場の安定化が図られ、もって日韓両国経済が共に安定的に成長していくことが期待されるとしました。

しかし、日韓スワップ協定は韓国ウォンへの保証協定と考えられています。これは韓国の経済情勢の悪化から、韓国政府が韓国ウォンの通貨危機を未然に防ぎたかったために結ばれた協定だからです。

日本側のメリットとして、韓国で通貨危機が起きた際に日本経済に大きな打撃を受けないで済むことが挙げられます。このように考えると日韓スワップ協定はあまり日本にメリットは多くないのではないでしょうか。

ただ、歴史的観点から日本と韓国の関係考えると、日韓スワップ協定は韓国への信用補強という意味でかなり大きな役割を担っています

 

日韓スワップ協定のデメリットは?

日韓スワップ協定は必ずしも日本にとって良いものとは限りません。メリットもあればデメリットもあります。様々なリスクが発生するのです。

韓国には反日主義が根強いている部分もあります。反日姿勢を示す国に対して、手助けをする日本の外交に疑問を持つ日本国民もいないとは言い切れません。

また、韓国政府がドル売りウォン買いによって、消耗してしまう可能性も大いにあり、スワップ資金が返済されないリスクも考えられます。

これまでの日韓スワップ協定の協定内容で考えると、約700億ドルもの資金を融通することになり、万が一韓国経済が崩壊し資金返済が困難になったとすると、日本側はおおきな損となってしまいます。

考え得るデメリットはこれだけではありません。上記した通り、日韓スワップ協定により通貨暴落のリスクは軽減されます。したがって、欧州資金が韓国企業に流入しやすくなり、本企業と競合関係にある韓国企業を日本政府及び日本銀行が保証しているという解釈も可能です。

このように日韓スワップ協定のメリット・デメリットを見ていくと、何を最優先に考え行動すべきかが非常に重要になるのです。

 

なぜ再協定に踏み出した?

日韓スワップ協定はアジア通貨危機後に日本と韓国の両国で検討を始め、2001年に運用を開始しました。

日韓の外交悪化等の様々な理由によって2015年の2月に打ち切られましたが、2016年8月下旬に日韓スワップ協定の再開に向け議論を開始することで合意しました。

麻生太郎財務相とユ・イルホ企画財政相が出席しソウルで開かれた財務対話で韓国側が提案しました。融通枠などは今後調整する予定で、もし再開が実現すれば韓国側は金融危機の際に、ウォンの過度な下落を防ぐことができます

上で記した通り、日韓スワップ協定を再開してもさほど日本側にメリットはありません。それを承知の上で日本政府が協定再開に踏み切ったのには、日韓の外交関係が改善方向に進んでいるからだと考えられます。

ある程度のデメリットはあるにせよ、この調子で日韓の外交関係をより改善するのが日本政府の狙いなのではないでしょうか。ただ2016年12月9日に弾劾案可決で朴氏が職務停止になり、再締結に向けた交渉は遅れる見通しです。

 

日本への影響は?

日韓スワップ協定を再締結するにしてもしないにしても、まずは日本政府が日本国民に受け入れられるよう説明が必要となるでしょう。

そもそも韓国側が日本との通貨スワップの必要性はないとし、協定終了になりました。しかし、イギリスのEU離脱で韓国からの外貨流出が懸念され、通貨スワップ協定に関心が集まったのです。

日韓スワップ協定を結ばずにこのまま韓国を野放しにしておけば、影響は日本にまで及びます。韓国経済が低迷し、万が一崩壊することになったら、他人事とはいえず日本も大きな打撃を被ることになるでしょう。

デメリットがあるにせよ、状況を達観した場合に、協定再締結が金融市場の安定化をもたらしてくれるのであれば、必ずしも悪い影響ばかりでないのかもしれません。

 

今後の展望

日本と韓国は切っても切れない関係です。歴史的事情を考慮するとすぐには解決できる問題ではありませんが、辛抱強く地道に時間がかかったとしてもお互いのことを理解していくのが大切です。

日韓スワップ協定の再協定を契機に日韓の関係が少しでも改善方向に進展していくことが望まれます。