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【企業研究】世界トップクラスでも知らない企業がある?グローバルニッチトップ企業まとめ

経済産業省はニッチ分野において高いシェアを持ち、グローバルに展開している企業を「グローバルニッチトップ企業100選」として選定しました。100社の内訳は大企業6社、中堅企業25社、中小企業69社と、ほとんどが中堅・中小企業です。日本には扱い商品がニッチであっても、高い技術力が世界で評価されている会社が多くあります。この記事では「グローバルニッチトップ企業100選」の中の2社をご紹介します。

グローバルニッチトップ企業1:ダイナックス

北海道千歳市に本社を置くダイナックスは自動車部品会社です。オートマチック変速機の部品を製造しています。

ダイナックスが製造した製品を搭載したトヨタのセルシオが米国フォード社の目にとまり、海外との取引が拡大しました。現在ではアメリカ、中国、メキシコ、タイに生産拠点があり、同社部品の世界市場シェアは4割を超えています

かつてのオートマチック車には変速の際噛み合わせに摩擦材を使っていました。その材料にはアスベストが使用されていましたが、このアスベストは石綿であり健康被害が問題になっていました。

この摩擦材をアスベストを使わずにできないだろうか、という難問が同社の出発点でした。

専門的な話になりますが、車の変速機の中は潤滑油で満たされています。そんななか変則するためのディスクを押し付けたり、離したりと滑らせながら止めるという相反することが可能な材料が求められてきました。

試行錯誤の結果、ペーパー摩擦材といわれる新しい素材の開発に成功したのがダイナックスでした。その開発から商品化まで4年間売り上げがなかったといいます。

さらに同社は品質へのこだわりから、製造するための機械を自社でつくっています。メーカー、車種によって求められる性能が違うため、プロジェクトごとに担当者決めて自動車メーカーと細かく打ち合わせをしながら開発・製造をしています。

後発企業であるからこそ徹底的に品質にこだわるという戦略でようやく世界シェア4割が達成できたのです。

 

グローバルニッチトップ企業2:ヤナギヤ

山口県宇部市に本社があるヤナギヤはカニカマの製造機械で世界シェア7割を占めるグローバル企業です。カニカマは見た目は蟹ですが中身はかまぼこという人気商品です。このカニカマは実は国内だけでなく、世界的なヒット商品です。

ヤナギヤはかまぼこを作るために魚肉をすりつぶす機械の製造から始まった会社です。その後かまぼこの生産ラインの周辺装置まで手がけるようになりました。

90年代にはカニカマ市場が成熟し、販売量も頭打ちになりました。そこでもっと本物の蟹の味に近づけられないかと機械の改良に着手しました。蟹の爪の肉、蟹の腕の肉のリアルな食感を追い求め、現在も機械の改良を重ね続けています。

日本で生まれたカニカマは世界でも評価されました。韓国、ロシア、アメリカと様々な地域で食べられるようになりました。現在世界21カ国でカニカマの生産量は約45tです。そのうちヨーロッパ諸国を始め119カ国で同社の機械が導入されています。

例えばスペインのバスク地方にアングーラスというウナギの稚魚であるシラスウナギを使った料理があります。

ところがシラスウナギが高騰し、庶民の手に届かない金額になってしまいました。ヤナギヤはこの状況を聞き、この料理をグーラという魚のすり身で代用する方法を思いつきました。そしてその機械を製造しスペインで爆発的なヒット商品になりました。

いまでは国内、国外合わせて200ラインを超え、スペインの企業とEUの25カ国と総代理店契約を結ぶなど、世界シェア7割を同社の製品が占めています。

社長の柳屋芳雄氏はこう言っています。

「国際化というのがよくわからない。フランス人、ロシア人、ブラジル人が買うと言われれば売る。違うのは言葉ぐらいであとはなんとかなる。山口県の小さな中小企業が世界に機械を売るというのはプライドをくすぐる。円高でも欲しい機械があれば買ってもらえる。(経営の外部要因は)あまり気にしていない。お客様はいつの時代も困っている。それをひとつひとつクリアにしていくことが我々機械屋の役目だと思う。それとお客様は問題点さえわからない場合がある。我々が「これは出来る」お客様から「え?そんなこと出来るの?」という話から入る。風を感じろ、時代をちゃんと考えろが僕のテーマ」。

 

大企業が全てではない

2社に共通して言えることは、どの会社も無くなってしまったら困るということです。圧倒的なシェアを求めた訳ではなく、目の前のお客様の課題を解決できたのがこの会社だけだったということです。

他にも日本には世界から無くなってしまっては困る会社がたくさんあります。グローバルニッチトップ企業をチェックしてみることをオススメします。

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