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【回転寿司機器ビジネスの業界研究】海外は日本食ブーム?現状は?

回転寿司機器は、ベルトコンベアーと寿司を握るロボットの大きく2種類あります。業界規模は大きくはありませんが、技術は他業界にも応用されています。また海外の日本食ブームにより、海外での売上高も増加しています。回転寿司機器業界はニッチな業界ですが、それぞれの機器のシェアが大きな企業があります。この記事では、回転寿司機器ビジネスについてまとめました。

回転寿司機器ビジネスの現状は?

回転寿司を構成する機器は大きく2種類あります。寿司の皿が乗るベルトコンベアーと寿司を握るロボットです。

回転寿司マーケットだけで見ればそれほど市場は大きくはありません。しかし飲食店の省力化という視点でみるとこの回転寿司向けに開発された機器が飲食店の省力化に大きく貢献し、マーケットも膨らみます。

また折からの日本食ブームで回転寿司チェーンの海外進出も活発になってきています。同時にベルトコンベアーなどの回転寿司の機器も需要も高まり、市場はこれから拡大していくと予想されています。

 

ベルトコンベアー

寿司を回転させカウンターに座るお客の前まで運ぶのはベルトコンベヤーです。

このコンベアは市場シェアのほぼ100%が石川県の会社で製造されています。金沢市の石野製作所がシェア約60%、日本クレセントがシェア約40%でした。

ただ2009年度に日本クレセントは業務を停止したため、そのシェアは石野製作所に移りつつあると見られています。

石野製作所の売上高は約30億円、従業員は100人程度です。地方にある中小企業である石野製作所が業界のシェアをほぼ独占している理由は、1974年に発表した自動給茶装置付きコンベアが大ヒットしたからです。

今では当たり前になったこの自動給茶装置により、どのお店も大幅に人件費を抑えることに成功しました。

回転寿司のコンベアはすべてオーダーメイドです。一番安いタイプで1台100万円程度です。他にも湯呑み搬送コンベア、特急(新幹線)レーン・スタッフレスコンベア(注文した商品が通常とは別のコンベアで搬送)、鮮度管理システム(一定の時間を経過した皿を自動的に排出)など、さまざまな機能が開発されました。

他にもさまざまな設備が開発されています。

使用済みのお皿を効率的に回収できるようにカウンター内部に皿の回収溝を設置し、そこに皿を投入すると自動的に料金を計算できるシステムも開発されました。

また皿の裏に二次元バーコードやICタグを付けることで、鮮度管理、売れている商品分析、会計処理などIT化も進んでいます。

 

寿司ロボット

回転寿司の省力化はこれだけではありません。寿司を握る人間そもそも必要ではなくなりつつあります。それは寿司ロボットの開発です。

1981年に世界で初めて寿司ロボットを開発したのは鈴茂器工です。2013年度では、売上高は約80億円ですが営業利益率は約15%です。外食チェーンの営業利益率は1%〜4%程度ですので、鈴茂器工の営業利益率は圧倒的な数字といえます。しかも業界シェアは約70%です。

ほかにも不二精機、ヘッドフォンやワイヤレスマイクで有名なオーディオテクニカなどがこの市場に参入していますが、オーディオテクニカのシェアは約5%です。

なぜ鈴茂器工のシェアがこれほどまでに高いのでしょうか。

それは世界初の技術を発明した強みでもある特許取得件数です。鈴茂器工が積み上げた特許の数は30件以上です。2位の不二精機は10件程度ですので、鈴茂器工の特許取得件数は圧倒的といえます。

鈴茂器工は納品先の回転寿司チェーンから上がってくるフィードバックを取り入れてロボットの改善と新商品の開発に力を入れてきました。例えばシャリの量が選択できる、握り方を調整できるなど、様々な技術が取り入れられています。

 

他業界への応用

寿司ロボット業界の市場は100億円強です。回転寿司チェーンだけで約3000億円、外食全体で約22兆円という業界規模に比べればニッチ産業ですが、この回転寿司向けに開発された機械は他の外食チェーンにも導入されています。

例えば牛丼のご飯盛りは実は誤差数グラムしか許されない高精度が要求され、それができる人材の育成に1年以上かかるとされています。

そこに目をつけた鈴茂器工はご飯盛りロボットを開発しました。2013年に定量材料塊製造装置および方法という名称で特許を取得しています。

前述したベルトコンベヤーの石野製作所が開発した自動給茶装置も牛丼チェーンに採用されています。寿司業界だけでなく外食産業全体で自動化が進めば進むほど市場規模はどんどん大きくなっていきます

 

海外の日本食ブーム

近年、世界中で日本食ブームが起きています。

元気寿司やくら寿司など日本のチェーン店も海外に進出しています。また海外発の回転寿司チェーンも増えてきています。

鈴茂器工は、2010年度には海外の売上高は約7億円、売上高の海外比率は14%程度でした。2014年度は海外の売上高は約15億円、海外比率は20%を越えています。

海外に寿司を握れる職人はほとんどいません。また海外では人の手で握られたご飯を敬遠する傾向もあり、寿司ロボットの需要が高くなっています

ベルトコンベヤーと寿司ロボットが日本の食文化を世界に広める役割を果たしているといえます。

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