【宅配ビジネスの業界研究】現状や市場規模は?国内は縮小傾向?

宅配ビジネスは、国内市場は成熟しつつありますが、インターネット通販は伸長しています。新たなサービスで事業拡大を目指しているほか、海外にも展開して市場開拓にあたっています。宅配ビジネスは国内ではインターネット通販が伸びています。ただ2007年をピークに市場全体が縮小傾向です。この記事では、宅配ビジネスについてまとめました。

宅配ビジネスの現状は?

国内の宅配便取り扱いは2007年をピークにほぼ横ばいで推移し、宅配便事業の成長は鈍化し始めています

一方でネット通販の拡大、3PL(サードパーティーロジスティックス)と呼ばれる在庫管理から組み立て梱包、システム構築など周辺サービスを一括で請け負うアウトソーシングサービス、海外での宅配事業など、まだまだ成長の余地はあります。

物流のなかでも陸上運送だけで見ると、その市場規模は約18兆円です。

2014年3月時点での業界上位は以下の表の通りです。

企業 売上高
日本通運 1兆7524億円
ヤマトホールディングス 1兆3746億円
佐川急便
(SGホールディングス)
8350億円

また中小零細企業が多いのもこの業界の特徴です。

国内の宅配便取扱個数の推移をみると、2007年の約3232百万個をピークに、以降はほぼ横ばいで推移しています。国内の宅配便事業の成長は鈍化し始め、国内宅配便市場は成熟した感があります。

加えて、円安や燃料高を背景に市場は縮小傾向にあります。

輸送量は頭打ち、荷主企業からはコストの削減要求、同業者間の値下げ競争、人材不足など、事業環境は決していいとは言えません。

もっとも厳しい経営迫られているのは中小事業者です。業界の大半を占める保有車両50台以下の事業者はおよそ60%が営業赤字です。

 

新たなサービス

規模縮小が予想されている宅配業界が生き残りをかけて取り組んでいるのが「3PL(サード・パーティ・ロジスティックス)」です。在庫管理から梱包、システム構築など周辺サービス全てを一括で請け負うアウトソーシングサービスを指します。

荷主企業も物流に関わるコストを削減したいニーズがあり、国内外で市場が拡大しつつあります。そのために各企業はM&Aや事業提携によって物流以外の機能を補完する動きが活発化しています。

例えば日立物流は、2005年からクラリオン・エム・アンド・エル、資生堂物流サービス、おかめ納豆ブランドを展開するタカノフーズの物流子会社などを次々に買収し、3PL事業を拡大してきました。

今後は国際的な3PL事業の拡大に向けて、海外でのM&Aが活発になると予想されています。

 

インターネット通販

一方市場が縮小する国内で唯一伸びているのがインターネット通販です。2013年度の宅配便取扱個数は約36億3668万個(対前年度比約3.1%増)で、4年連続で対前年比が増加しています。

ただこの市場は送料無料や当日配送など運送業者への負荷が大きく、取扱個数が増えても利益が上がらないという構造的な問題を抱えています。

また最近では楽天やアマゾンなどのインターネット通販事業者自身が物流機能の構築に乗り出していて、競争は激化していくと予想されています。

 

アジア市場開拓

海外に目を向けると、アジアを中心に市場開拓が急がれています。特に中国では2010年度の宅配便取扱量が約24億個と、アメリカ、日本に次ぐ世界第3位の市場になりました。

ただ現地では競争も激しいです。

例えば上海には現地宅配便事業者が200社以上あり、年間約1億個の宅配便需要に対応しています。料金は日系企業の半額以下です。

ただ日系企業はサービス品質を強みに事業展開しています。また欧米資本もこの急成長市場に参入していて競争は激化しています。

 

各企業の海外展開戦略

欧米物流企業は現地企業に集配の委託をする企業が多い中、ヤマトホールディングスは差別化を図るために現地法人を通じて配達員を独自に採用しています。

顧客に直接対応するセールスドライバーの教育に当たっては、日本から現役セールスドライバートレーナーを送り込み、人材教育力を入れています。

また国内では当たり前である冷凍・冷蔵や代引、時間指定などの付加価値商品はアジアにはなく、この分野でも巻き返しを図っています。

ヤマトホールディングスは海外展開の後発企業であるため、サービス品質と独自ノウハウに基づいた付加価値商品を提供することで現地企業、欧米物流企業との差別化を図っています。

佐川急便のSGホールディングスも積極的にアジアに展開しています。中国、韓国、東南アジアはもちろん、インドやスリランカにも拠点があります。

宅配事業は日本国内ではヤマトと佐川が切磋琢磨しながら事業を拡大していきました。同じ流れがアジアでも繰り返され、日本ならではのサービスという付加価値をつけた宅配事業がどこまで伸びていくか期待されています。

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