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2017.1.24
2017.1.24
メンタルアカウンティングとは、心の会計とも呼ばれる行動経済学で用いられる概念です。
人のお金の使い方は必ずしも合理的ではありません。人はお金に関して何かを判断する時、自分のなかに小さなフレームを作り、その中で意思決定をします。
例えば、競馬の最終レースでは、1番賭け率の高い大穴に賭ける割合が増えるといいます。
これは1日の収支という小さなフレームを自分の中に作り、1日の中で損をしていたら最終レースで損を挽回しようという心理が働くからです。
ただ冷静に考えると、大穴が当たる確率より本命の方が当たる確率が高く、損する可能性が少ないのです。
このように、人はお金にかんして時々に不合理な判断をしてしまうということをメンタルアカウンティングといいます。競馬をしないという人も、日常の中にメンタルアカウンティングはたくさんひそんでいるので注意が必要です。
メンタルアカウンティングを提唱したのは、アメリカのシカゴ大学の経済学者であるリチャード・セイラー氏です。セイラー氏はメンタルアカウンティングに関して実験を行いました。
2つの質問を用意します。
あなたは映画を見にこうとして10ドルの前売り券を買いました。当日映画館に行くと前売り券をなくしたことに気がつきました。
あなたは10ドル払ってチケットを買いますか?(当日券も10ドル)
この質問にたいして「はい」と答えた人は約46%でした。
あなたは当日券10ドルで観れる映画を見に来ました。しかし、券を買おうとした時に10ドル紙幣をどこかで1枚なくしたことに気がつきました。
あなたは10ドル払ってチケットを買いますか?
この質問にたいして「はい」と答えた人は約88%でした。
冷静に考えると、なくしたコストは10ドルで同じです。
比較すると前者には「この映画を観るのに20ドルも払うのか」という心理が働いていることがわかります。一方で後者は、なくした10ドル紙幣は映画とは無関係と考え、映画を観るコストとしては余計な心理作用がありません。
前者に映画を観るということに対するメンタルアカウンティングがかかっているということがいえるのです。
メンタルアカウンティングはビジネスでも利用されます。持っているお金の多い時と少ない時とで、同じお金に対する価値の感じ方が変わる傾向にあるということを利用しています。
自分の口座に1000万円入っている時の1万円の使い方と、10万円しか入ってない時の1万円の使い方は同じでしょうか。
1000万円の時の1万円は0.1%で、10万円の時の1万円は10%です。同じ価値のはずなのにまったく感じ方が変わります。
普段スーパーで買い物をする時に10円でも安い方を買う人でも、300万円の車を買う時に、量販店だったら17万円で買えるナビがディーラーで20万円だったとしてもよく考えずに買ってしまいます。
このように、額が大きくなると価値そのものを深く考えずに車だったら車ひとまとまりで考えてしまうのもメンタルアカウンティングの効果です。
車自体が高額ですので、ナビが高くても変だと思わないのです。
これは、ホテルのコーヒーが高いということにも当てはめられるでしょう。ホテル自体の価値が高いと思われているので、コーヒーが高くても不思議に思いません。
しかし、実際の原価は街の喫茶店と変わるでしょうか。
このように、セールスにおいてもメンタルアカウンティングは多くの場所で利用されています。
セールスの世界ではメンタルアカウンティングが多くの場所で利用されています。
自分がものを買う時にも、気づいたら無駄なものを買っていたということはよくあることです。無駄な消費を減らすには、自分の欲しいものを冷静に考えることが必要です。
また、余計なお金を持ち歩かないということも有効です。財布に入ってなければ買いません。
無駄な消費を減らしたいと考えている方は実践してみてください。
メンタルアカウンティングは自分がビジネスをする時にも、消費者にまわる時にも有効な概念です。
何も知らずに損をしていたり、得られた利益の機会を失ったりするのはもったいないことです。メンタルアカウンティングという概念があるということを知って、賢い消費、賢いビジネスをしてみてはいかがでしょうか。