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VRとは?VRの市場規模や今後は?大企業も参入する?

VRとはバーチャルリアリティの略です。VR市場規模は2016年時点で約29億ドルです。2020年には約300億ドルになるといわれています。VRは、医療、エンジニアリング、ライブイベントなど用途が広がりつつあります。VR市場は今後成長が予想されています。トレンドをしっかり抑えておいてください。この記事では、VRについて市場規模や活用用途、将来予測についてご紹介します。

VRとは?

VRとはVirtual Reality(バーチャル・リアリティ)の略です。仮想の人工的な環境で、感覚器官に働きかけることで現実のように感じられる技術のことです。

VRを通じて、被験者が見ているモノが実際にはない、もしくは形が異なるモノであっても、被験者の五感を刺激することであたかも存在しているかのように見せることができます。

2016年にソニーの「Playstation VR」を始めとした様々なVR機器が発売されたことから、2016年はVR元年だといわれています。

VR技術自体はVPLリサーチ社により1989年に商業化されています。2016年になってから市場が大きくなりましたが、VR技術は約30年程前から存在していたということです。

VR技術は様々なビジネスに導入されてきています。VRはビジネスモデルを大きく変える程の力を秘めているのです。ビジネスだけでなく、教育や観光の活用が期待できます。

 

VRの市場規模は?

2016年のVRの市場規模は?

米国のリサーチ会社SUPERDATAが2016年4月に発表したリポートによれば、ハードウェアとソフトウェアを含めた今年の全世界におけるVR製品の世界市場規模は約29億ドルです。

SUPERDATAは2016年1月には他の機関の予想と同じように50億ドル前後と推定していましたが、ハードの出荷遅れを主因として下方修正しました。米IDCの発表によると2016年現在約960万台のVRヘッドセットが売れてたものの、まだ需要に対して供給が追いついていないのが現状です。

現在は、まだハードの普及期に当たります。VRに対するソフトは豊富にあるとは言えません。ただFacebookなどが制作用のソフトウェアやツール類を提供することで、ユーザーがVRコンテンツを制作し、ソフトウェアの幅が広がっていくと予想されます。実際に3年後の2019年頃からソフトウェアの売上がハードウェアの売上を上回るとの試算もあります。

VRのソフトウェアが増えていくことでユーザーが増えていく好循環にあるといえます。

2020年のVR市場規模の予想は?

英国の投資銀行Digi-Capitalによると、2020年におけるVR関係の市場規模は約300億ドルと予想しています。2016年から4年間でおよそ10倍に拡大していく計算です。

ドイツ銀行が2015年9月に発表したリポートによれば、2020年までに全世界で約2500万人がVRヘッドセットを利用することになると予測されています。VR関係の市場がPC・スマートフォンに続く第3のプラットフォームとして市場を形成する可能性が高いといえます。

持ち運びに難があるものの、新しい体験を提供してくれるVRは多くのユーザーに普及していくことが予想されます。

出典:Digi-Capital

 

VRの活用用途とは?

VRはゲームだけでなく、色々な分野で活用されていくと予想されています。

Goldman Sachsによる推計では、2025年には以下の4つの分野でVRが活用されていると予想されます。

2025年のVR市場予測

  1. ゲーム
  2. 医療ヘルスケア
  3. エンジニアリング
  4. ライブイベント

1.ゲーム

2025年時点ではゲームとしての用途が約116億ドルと、最も多くなると予想されています。既にPlaystation VRが発売されています

Playstation VRは2016年10月13日に発売されたことから、2016年12月時点ではソフトの数は多くありません。ただ今後は需要に合わせて多くなっていくと思われます。

2.医療ヘルスケア

次いで活用されると思われるのは医療等のヘルスケアです。約51億ドルの市場規模が想定されます。

既にルイスヴィル大学では治療にVRが使われています。特に精神科医では、患者がVRでシュミレーションすることで高所恐怖症や飛行恐怖症の治療しています。コントロールされた環境のなかで、医師が感情との向き合い方について指導しているのです。

医学論文誌のFrontiers in Neuroscienceでは、VRを利用した幻肢痛の治療研究についての記事を掲載しました。脳からの神経信号を読み取るセンサーをつかう事で仮想空間の中で腕を動かせるようになります。VRを通じて手から力を抜く方法を習得するのに役立つのです。

以上に挙げた医療分野以外でも様々な活用が想定されています。

3.エンジニアリング

3番目に大きいと予想されているのがエンジニアリングで、市場規模は約47億ドルになると想定されています。

実際にFord Motor Companyでは既にVRを使った商品開発をしています。VRのヘッドセットを使って顧客がFord社の車を感じるか調べています。

実際に車を作ることなく、自動車の内装や外装を高解析度で見られるになったということです。さらに周りの環境を設定して、運転をシュミレートすることで製品開発プロセスを大幅に早めることができました。

VRは生産性を向上させるのに産業用にも使い道があるといえます。

4.ライブイベント

4番目に大きな活用用途がライブイベントです。Goldman Sachsの推計では2020年に市場規模は約41億ドルになるとしています。

経済産業省の「技術マップ2015(コンテンツ分野)」では、VR技術が普及した将来像が提示されていました。2020年東京オリンピック・パラリンピックでは家庭でもVRを使うことで360度の臨場感のある映像が楽しめると予想しています。家にいながら、臨場感のある観戦ができるようになるのです。

 

VRの今後は?

Playstation VRを始めとして、2017年にかけてはゲームやイベントを中心としたコンテンツを提供する領域を中心に、発展を遂げていきそうです。

2015年3月、Youtubeが360度のVR動画に対応を始めました。Youtubeに追いかける形でfacebookやFlickrでも360度VRの導入が行われます。

VRは身近なコンテンツとして扱えるようになってきているといえます。今後は360度カメラの普及に合わせて、VR動画のコンテンツの数が急速増えていくでしょう。

VR動画はマーケティングやプロモーションにも使えます。既に企業がマーケティング活動の一環として、VRを活用したイベントを実施しています。

VRでこれまでに存在しない刺激的な疑似体験ができることから、様々な業界から注目されています。市場規模が拡大していくことで新規参入が行われ、新規参入がさらに市場拡大を生み出す好循環にあるといえます。

今後のVRはどんなものになる?

三菱総合研究所の「VR/AR 技術の将来展望」によると将来的には味覚や嗅覚、触覚を体験できるようになると予測しています。現在のVRでは視覚や聴覚によりリアリティを生み出していますが、より現実に近い体験が提供されるということです。

実際に、触覚のVR応用は様々なところで進んでいます。投資額を十分に集められなかったものの、皮膚感覚を覚えさせるスーツデバイス(Teslasuit)の開発計画が存在しました。

嗅覚や味覚のような化学刺激の装置の研究も進んでいます。

嗅覚に関しては「鼻焼肉」のようにスマートフォンに接続して香りを楽しむデバイスが既に商品化されています。味覚は商品化こそまだですが、独立行政法人情報処理推進機構によると、電気で味覚を再現するデバイスを活用する研究がありました。

将来的にはVRで多様な感覚を通じて、現実に近い疑似体験をできるでしょう。

出典:三菱総合研究所「VR/AR 技術の将来展望
出典:独立行政法人情報処理推進機構

 

大手企業の動向は?

大きな商機が見込まれるVRに大手企業もそれぞれ動き始めています。

Facebook

FacebookはVR技術の開発に最も熱心であるといえます。2014年春にはまだ試作品段階でしかなかったOculus Riftを約20億ドルで買収しました。VRが大きな注目を浴びる前のことです。

Facebookは今後10年のロードマップにVRを盛り込みました。2016年10月6日、FacebookはVR関連事業に約260億円投資を行うと発表しています。ザッカーバーグ氏はVRを通じてソーシャル体験が拡大すると述べています。

Google

これまでは簡易版VRのGoogle Cardboardを提供するのみに留まっていましたが、2016年に本格参入しました。

アメリカ、ドイツ、オーストラリアなどではより高品質なスマホVRを提供するプラットフォーム「Daydream」を配信しています。「Daydream」によりGoogleが得意とするプラットフォーム戦略で各メーカーのVR市場への参入が容易になりました。

Google自身も格安VRヘッドセット「Daydream View」を発売しています。

Apple

AppleはVR参入を発表していませんが、水面下では動き出しているといわれています。

2014年にApple はVR関連の開発のためにアプリエンジニアを募集していました。イギリスFinancial Times紙によれば、AppleはVR/ARの専門家であるDouf Bowman氏を雇ったとしています。

Appleは2015年にメガネ型ヘッドマウントディスプレイの特許を取得しました。デバイスに iPhone をそのまま装着するような形のVRです。

Microsoft

VR技術をもつ会社Oculusとの関係を深め、積極的に参加しています。

2016年10月26日に大手PCメーカー各社からWindows 10に対応するVRヘッドセットを発売することを発表しました。2017年には販売を開始するとしています。

 

生活を変えるVR

VRは新しい体験を提供してくれます。

今まで「見る」だけであったゲームや映画といったコンテンツを「体験する」に昇華させています。今後は更に嗅覚や味覚に拡大することで現実と見分けがつかなくなるほど進化していくでしょう。

今後もVRヘッドセットが普及することでスマートフォンが普及したのと同じように生活が変化すると予想されます。更には教育や医療での活用が行われていくことでIoT化を加速させていくでしょう。

次の時代のデバイスとなる可能性を秘めるVRについて理解を深めてみてください。

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