【水素ビジネスの業界研究】どんな企業がある?市場規模や問題点は?これからは水素の時代?

水素エネルギーは化石燃料に代わって次世代を担うエネルギーとして注目を集めています。ただ長所が多い分課題もあり、まだ大きな市場にはなっていません。水素ビジネスの課題は解決に多くの時間は必要ないといわれており、今後需要が拡大することが予想されています。この記事では、水素ビジネスについてまとめました。

水素ビジネスの現状は?

社会の発展にはエネルギーが不可欠です。過去の歴史を見てもエネルギーと文明とは密接な関係がありました。

19世紀から20世紀は石炭がエネルギーの主役でした。蒸気機関が基幹技術として産業革命をもたらし、その後の工業化社会を実現しました。

20世紀中盤以降は石油がエネルギーの主役です。内燃機関や電気動力が基幹技術として社会を支えてきました。

そして21世紀は気体エネルギーの時代になると言われています。最近ではシェールガスと呼ばれる天然ガスがエネルギーの主役です。これからは水素の時代と呼ばれています。

内燃機関や電気動力に加えて、水素を燃料とする燃料電池が新たな基幹技術として注目されています。

 

化石燃料に代わるエネルギー

世界的な人口増加と発展途上国の経済発展により、世界のエネルギー需要もますます高まってきています。それに伴い石油や天然ガスといった化石燃料を使用し続ければ将来枯渇していきます。

また化石燃料を使用すると二酸化炭素や有害物質を排出し、地球温暖化や環境汚染もさらに悪化させてしまいます。

そこで注目されているのが水素です。水素は水から作り出されます。海水を淡水化すれば水素源は無尽蔵にあります

また酸素と反応することで電気が発生し、その電気を使ってお湯を沸かしたり、自動車を走らせたりすることができます。この仕組みが燃料電池です。

 

燃料電池車で注目を浴びる

燃料電池の原理は決して新しい技術ではありません。ところが2014年にトヨタ自動車がMIRAIという燃料電池車を発売したことで俄然注目が集まるようになりました。

これまでも燃料電池車は製造されてきましたが、価格が高いことがネックでした。

大幅なコストダウンが実現し、大衆車価格での販売が可能になったことで受注が生産を大幅に上回るようになりました。政府による補助金という助成もその要因の1つです。

ほかにもホンダが2016年に燃料電池車販売し、2017年には日産自動車も発売する予定です。

 

水素エネルギーの長所

水素には多くの長所があります。

  • 二酸化炭素などを排出しないクリーンエネルギー
  • 燃料電池の活用によって高いエネルギー効率の達成が可能
  • 褐炭(石炭の中でもグレードが低いもの)や未利用エネルギー、再生可能エネルギーなど様々なエネルギー源から製造可能
  • 地政学的なリスクが低い
  • 燃料電池の特許件数が世界第1位でこれからの経済発展を支える基幹産業に発展する可能性がある
  • 災害寺の電力供給に支障が出た際に、燃料電池車などが非常用電源になる

 

水素エネルギーの課題

一方で課題もあります。水素はまだまだコストがかかり、経済性に問題があります。また安全や安心という社会の受容性もまだまだです。インフラ整備もこれからで、社会に浸透するエネルギーになるためにはさらに数年を要すると予想されます。

インフラ整備では、上記した燃料電池車の普及により水素スタンドが必要になります。ところが水素スタンドの数は全国で69箇所しかありません。

水素スタンドの普及がなかなか進まないのはコストの問題があります。建設費用はガソリンスタンドの約5倍にあたる約5億円です。燃料電池車を増やすには水素スタンドを増やしていかなければなりませんが同時にコストを抑える努力も必要になります。

 

水素エネルギーのビジネスチャンス

ただこれには大きなビジネスチャンスがあります。

これまで水素ビジネスをリードしてきたのは岩谷産業です。カセットコンロやガスボンベで有名な会社で、2015年から水素スタンドの建設を本格化させました。ほかにも石油元売り大手のJXエネルギーが全国37箇所の水素スタンドで水素供給しています。

他の石油元売り会社は水素ビジネスに消極的で、エネルギーの転換点に各企業の戦略が問われています。

水素スタンド建設にはコストがかかりますが、この問題を解決するために移動式水素スタンドを開発した会社があります。

太陽日酸はこの移動式の水素スタンドを2025年までに300台生産することを目標にしています。水素を供給できる車の台数が少ないことが課題ですが、燃料電池車の普及に貢献することは間違いないといえます。

 

水素ビジネス関連企業

他にも水素ビジネスの関連企業があります。

水素を輸送するタンクに詰め込むため水素を圧縮するには高い技術が必要です。加地テックは水素を圧縮する高い技術があり、水素スタンドの期間設備である燃料電池用高圧水素ガスコンプレッサを製造しています。

またタンクに詰めた際に閉めるフタも精巧にできていなければいけません。水素は爆発しやすいからです。このバルブを生産しているのはキッツという会社です。

ほかにもスタンドのホースの継ぎ手を製造する日東工器、水素を調達する企業として川崎重工業や千代田化工建設があります。

最近では家庭用の燃料電池も普及し始めています。

東京ガスや大阪ガスがエネファームと呼ばれる家庭用燃料電池を販売しています。エネファームを製造しているのは東芝燃料電池システム、パナソニック、アイシン精機、JXエネルギーなどです。

 

将来性のあるエネルギー

水素エネルギーには課題もありますがその解決にはそれほど時間がかからないといわれています。研究開発が進みコストが大幅に抑えられた際には水素の需要が飛躍的に伸びていくことが予想されます。

水素エネルギーは化石燃料にとって変わると予想されていて、それに伴い水素ビジネス関連企業も今後大きく成長していく可能性があります。

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