20代で読んでおくべき本「ミライの授業」書評

この記事は書評に関する寄稿記事です。40代ビジネスパーソンの方より頂いた、40代目線から見た20代のうちに読んでおくべき本の書評をもとに構成しています。今回は「ミライの授業」についてまとめました。日本の未来にあるのは希望でしょうか。それとも絶望でしょうか。日本はいい意味でも悪い意味でも変わりました。経済は発展しましたが、労働環境など新たな問題も出てきています。そんな日本の未来を創るのは他でもない自分自身です。

ミライの授業ってどんな本?

この本は、外資系コンサルティング会社マッキンゼー出身でエンジェル投資家である京都大学准教授の瀧本哲史氏が書いた本です。14歳の中学生に向けて「勉強は未来を変えるためにある」ことを説いています。

本書では、ニュートンやナイチンゲールなど19名の偉人の伝記から未来をつくる5つの法則を示しています。

学校は困難を乗り越えるための武器を身につけるためにあり、それぞれが自分の力を出すことで未来を変えられると訴えています。中学生に向けて書かれた本ですが、未来をつくる責任に年齢は関係ありません。

自分だけのことだけ考えることからもっと視野を広げ、より良い日本の未来をつくるために、若手ビジネスパーソンに考えてもらいたい1冊です。

 

今の日本は昔とは違う

現在の日本は右肩上がりで成長し、全てのことがうまく回っていた1960年代から1970年代に比べると、明らかに多くの課題を抱えています。

人口減や少子高齢化、慢性的な財政赤字、それにともなう年金などの社会保障への不安、終身雇用の崩壊など、問題は多岐に渡ります。

かつては大学を出て一流企業に入れば一生安泰という人生の成功パターンがありました。その成功の公式はいまは全く通用しません。高学歴ワーキングプアや大企業の凋落ぶりを見れば明らかです。

過去と現在は同一線上にありません。また現在と未来ついても同じです。現在の延長線上に未来があるわけではありません。絶えず変化する現在が、新しい未来をつくり出すのです。出典:ミライの授業

 

頑張っても報われる時代ではない

日本の未来にあるのは希望か絶望かと問題提起しています。そして「たとえ絶望的であっても目を閉じてはいけない。しっかりと現実を直視しよう」と語りかけています。自分たちの希望する未来をつくってしまえと提案しています。

そして未来を変えるために行動した19名の偉人たちを紹介し、それぞれがどのようにして困難を克服したかを紹介しています。

偉人伝のフォーマットを使っていますがこれまで書かれてきた偉人伝とは違います。これまでの偉人の伝記は、一生懸命頑張ったから成功しましたという内容のものがほとんどです。

なぜなら昔の社会全体が頑張れば報われるという風潮でしたから、そこに合わせて伝記のストーリーを構成していたからです。

しかし今の時代は頑張ったから報われるという時代ではありません。過去の成功パターンがいまは全く通用しなくなってしまいました。ですからこれまでの偉人伝の成功モデルを変えた構成になっています。

 

未来をつくる5つの法則

瀧本氏が紹介する偉人の人生は以下のようなものです。

ニュートンが中学に入ったころ、学年で下から2番目の成績だったこと。

微分積分や万有引力の法則といった発見はペストの影響で大学が閉鎖され、田舎に引きこもっていたときに見つけたこと。

ナイチンゲールは学んできた統計学を元に、戦場で亡くなった死者数を死因別にグラフにしたこと。

エジソンが発明した蓄音機は手軽な録音再生機として生き残ったものの、音楽という巨大ビジネスまでは手が届かないまま世の中かから消えてしまったこと。

彼らの生き方考え方から「未来をつくる5つの法則」を導き出しています。

未来をつくる5つの法則

  1. 変革の旅は「違和感」からはじまる
  2. 冒険には「地図」が必要だ
  3. 一行の「ルール」が世界を変える
  4. すべての冒険には「影の主役」がいる
  5. ミライは「逆風」の向こうにある

これからの時代は予測では暗い未来が待っています。その予測どおりの暗い未来にしてしまうか、それとも予測を覆す明るい未来を導くかは君たち1人ひとりだと訴えています。

紹介している偉人たちは特別な能力を持っている人たちではなく、未来を変えたいと行動した人たちです。未来を良くするため学校で勉強したことを武器として使った人たちです。ひとりの力が何人も集まることで未来を変えていくことができます。

 

大人の定義を広げる

この本は中学生という子供に向けて書かれたものです。しかし大人たちはどうでしょうか。会社で言えば大人は管理職です。管理職の役割は部下がもつ可能性や能力を存分に発揮できるような環境づくりです。

大人たちは子供たち未来のために一人ひとりがより良い社会をつくろうとしているでしょうか。より良い未来のために何かを変えて行こうという気概で働いているでしょうか。そうでないならばゆとりがない、余裕がないことの証です。

未来をつくる責任は、当然私たち大人にもあります。今の職場、隣の部署、会社全体、同業他社、業界全体と視野を広げてみましょう。そこには課題があるはずです。その課題をいま働いているあなたの部署で解決できることが何かないでしょうか。未来を変えていくためにいまの環境でできることを考えてみてはいかがでしょうか。

 

未来をつくるのは自分:編集後記

一昔前から比べれば、今の日本は大きく変わりました。バブル崩壊から20年が経過し、この記事の編集者が生まれた1990年代から2000年代にかけては失われた20年と呼ばれました。

ただ2020年には東京オリンピック開催が決定するなど、新たなステージに入ったといえます。以前のようなマンパワーでごりごり働く働き方は敬遠されるようになり、より効率よく、よりスマートな働き方が好まれるようになりました。

ただ依然として一昔前の働き方をしている会社もあります。そのような会社はブラック企業と呼ばれるようになりました。近年では「ブラック企業大賞」というものも発表されています。

成果のために時間を割くことは悪いことではありませんが、必要以上の長期労働やセクハラ、パワハラなどは害悪でしかありません。今働いている会社やこれから就職する会社がそのような労働環境であるなら今すぐ何らかの手を打つべきです。

自分の未来を作るのは自分です。本書にある「未来を創る5つの法則」をもとに、自分の未来を作り上げてください。

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