脱ゆとり教育とは?内容や特徴は?何が変わった?文部科学省はどう考える?

脱ゆとり教育とは、ゆとり教育によって減少した学習量を増加させる教育のことです。2011年度の学習指導要領の改定から始まりました。ゆとり教育はそれまでの詰め込み教育から思考力を高める教育の必要性から生まれたものです。脱ゆとり教育では、「生きる力」を育むことが重視されています。文部科学省は脱ゆとり教育に対し自信を深めています。この記事では、ゆとり教育や脱ゆとりの内容や特徴、文部科学省の見解についてまとめました。

脱ゆとり教育とは?

脱ゆとり教育

いつもご覧いただきましてありがとうございます。BraveAnswer編集部です。

脱ゆとり教育とは、ゆとり教育によって削減されていた学習量を再び増やす教育のことをいいます。2008年に改定され、2011年に施行された学習指導要領から始まりました。

戦後日本で採用されてきた「詰め込み教育」は、「勉強はテストのため」といった考えや受験戦争の激化が問題を生みました。そこで政府は生徒の勉強量を減らし、ゆとりある教育をめざした「ゆとり教育」を実施します。

ただ「ゆとり教育」は学力の低下をもたらしたとされています。そこで「ゆとり教育」の見直しがなされ、「ゆとり教育からの脱却」として「脱ゆとり教育」への転換が図られました。

脱ゆとり教育は「詰め込み教育」でも「ゆとり教育」でもない新しい教育です。社会の中で必要な「生きる力」を育むことが重視されています。

 

ゆとり教育とは何だったのか?

脱ゆとり教育

ゆとり教育は1980年度から施行された学習指導要領による教育ですが、本格的に実施され始めたのは2000年代になってからです。

従来の詰め込み教育の問題点を考慮し、ゆとりを持って生徒の自主的に考える力を伸ばそうとする教育になりました。考える力を伸ばすことは生きる力を伸ばすことにもつながります。

具体的には学校での授業時間や学習範囲を減らし、その分生徒自身の自主的な学習を促すようにしたのです。学校も週5日制になりました。

生徒が自主的に学習するようになると、多くのことを経験することになります。文部科学省はそうした経験から得られる多様な価値観が、豊かな人間性を育むと考えていました。

しかしゆとり教育は学力の低下を引き起こしたとされています。ゆとり教育が実施されて以降、「読み・書き・計算」といった基礎学力が低下しました。実際にPISA(OECD生徒の学力到達度調査)の平均点や順位が下がっています。

一方、ゆとり教育が本来目的としていた自主的に考える力や生きる力は成功なのか失敗なのか、すぐに成果の出るものではありません。

そのため学力でゆとり教育の成果を測るしかなく、ゆとり教育は失敗だったと非難されることが多いのです。

 

脱ゆとり教育で何が変わった?

脱ゆとり教育

文部科学省によると、2011年から施行される学習指導要領では「生きる力」を育むことを目指しています。基礎的・基本的な知識や技能の習得に加え、思考力・判断力・表現力の育成を重視しています。

脱ゆとり教育では授業時間や学習内容が増やされました。小学校・中学校ともに理数教科を中心に授業時間が増加しています。ゆとり教育により削減された内容が復活した形です。

また教科書のページ数も増加しています。教科書の厚みがましたことにより、ランドセルもこれまでより大型化しました。

さらに小学校で外国語教育が導入されるようになりました。小学5年生と6年生で必修化となり、英語を用いたコミュニケーションを体験する授業を行います。内容は話すことが中心であるため、アルファベットや単語は補助的な扱いとなります。

また2018年に改正される学習指導要領では「道徳」が教科化されます。道徳教育は指導の難しいことや他の教科の不足時間を補うために軽視されてきました。そのため道徳の教科化による指導方法や評価方法に注目が集まっています。

 

文科省はどう考えている?

脱ゆとり教育

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)で小学校・中学校の4教科すべてで過去最高点を記録しました。このことから文部科学省は「脱ゆとり教育」に対し自信を深めています

文部科学省はTIMSSでの好成績は授業時間の増加や全国学力テストと学習状況調査によるのものであるとしています。そのため学習指導要領について大きく見直す必要はないとしています。

文部科学省は2020年度以降に施行される学習指導要領では、ゆとり教育との決別を明確にすることを強調しています。学習内容を減らしたり、「ゆとり」「詰め込み」といった議論に戻ることはないとしています。

この「ゆとり教育との決別」に対しては、ゆとり教育を受けてきた世代から憤りの声が上がっています。

 

教育の成果は簡単にはわからない

脱ゆとり教育

文部科学省は詰め込み教育とゆとり教育を経て、現在は脱ゆとり教育に取り組んでいます。脱ゆとり教育では「生きる力」という言葉がよく使われています。その「生きる力」という理念のもと、基礎的・基本的な知識や技能の習得、思考力・判断力・表現力の育成を図っています。

新しい指導要領では「アクティブ・ラーニング」の導入が目指されています。アクティブ・ラーニングとは能動的学習と訳され、受動的ではなく能動的に学ぶというものです。協力して問題解決を行い、創造力を育てることが目的とされます。

ただアクティブ・ラーニングの導入などの動きは、ゆとり教育に逆戻りしてしまうのではないかという懸念もあります。教育には学力など数値化しやすいものと、考える力や人間性といった即座に判断できないものとがあります。

ゆとり教育で目指されていた生きる力や豊かな人間性に関しても簡単に成果が出るものではありません。教育は目先の結果だけではなく、社会に出た後の実態を追っていく必要があるのではないでしょうか。

脱ゆとり教育の今後の展開に注目です。

あわせて読みたい

カテゴリー