生命保険

【生命保険編】事業環境は?未来の保険は?

生命保険の収入保険料は2015年度で過去最高です。ただ、世帯加入率はおよそ90%ですので、競争は激しいことが予想されます。保険会社各社は次世代型保険の開発に力を入れています。特徴は個々人の事情を反映した保険料から成り立つ保険です。新しいモデルを取り入れた生命保険が次々に誕生しており、生命保険は進化の途中段階にあるといえます。この記事では生命保険の未来についてまとめました。

生命保険の事業環境は?

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一般社団法人・生命保険協会の「生命保険の動向2016年版」によると、2015年〜2010年の過去5年間の加盟保険会社全ての収入保険料は以下のとおりです。

年度 収入保険料
2015 37兆7481億円
2014 37兆2223億円
2013 34兆7381億円
2012 37兆1405億円
2011 36兆2890億円

2015年度の収入保険料は約37兆7481億円で過去最高でした。こうしてみると力強さが感じられます。高齢化が進む日本では、高齢者が加入する場合、通常保険料が高いので後押ししているようにも考えられます。

ただ、日本は生命保険の世帯加入率が約90%あり、新しく契約を取り付けるには厳しいということがわかります。また人口が減少しているので、長期的に見ればより競争が厳しくなると推察されます。

 

未来の生命保険は?

前項にてご紹介したように、日本の生命保険は飽和状態です。従来どおりの戦略であれば人口減少とともに収入料が減少することは間違いないでしょう。

ただ、生命保険は変化しつつあります。実際にある取り組みから構想段階に至るまで多岐にわたります。

 

技術革新による新しい保険

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金融とITを融合させたフィンテックが金融業界で注目を集めており、生命保険も例外ではありません。

次世代型の生命保険の特徴は個別に保険料が異なることです。従来の保険料率の設定は画一的でしたが、個別で保険料率が変わるという点が先進的です。

運動データから病気の発生率を算出して保険料が変わる医療保険や健康が開発されようとしています。数社の取り組みについてご紹介します。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命

約2500人の従業員がウエアラブル端末を身につけています。毎日の歩数や睡眠時間、心拍数を測定し、データが続々とサーバーに集まってくる仕組みです。従業員から集めたデータと健康診断をもとに、保険料を算出するモデルを構築する目的で取り組まれています。

このように、個人の健康リスクに見合ったキメ細かい保険料率を算定する医療保険が将来できるかもしれません。また、保険料が安くなるのであれば、健康増進の意欲を高めることも期待されるため、保険の枠組みが大きく変わると考えられています。

住友生命保険

運動時間や1日あたりの歩数、健康食品の購入など体質改善への取り組みを点数化し、ポイント数に応じて翌年の保険料が変わる仕組みを開発している途中です。こうした評価を行う際に膨大なデータ処理が必要となります。そこでITの活用が必要となります。

また、この保険では提携先の食品スーパーなどで健康食品を購入すると保険料の割引を受けることができるサービスも検討されています。

ネオファースト生命保険(第一生命保険の子会社)

健康状態が何歳に当たるか示す健康年齢を利用した医療保険を取り扱う予定です。BMIや血圧、肝機能など8種類のデータから健康年齢を算出し、実年齢より高いと保険料率が高くなる仕組みです。

 

次世代型保険の問題点は?

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前項にてご紹介した、個別に保険料率が変わる保険が主流となれば、保険難民が生まれるという問題が発生すると考えられます。

保険難民とはリスクの高い人が保険に加入したくても、保険料が高くて保険に加入できない人のことを指します。自己管理では対処できない健康問題を抱えている人には特別な対処をするなど、企業の倫理観や政府の法整備が求まれています。

 

生命保険は進化の途中

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生命保険はいま、進化の途中段階にいます。ご紹介した企業以外の企業においても同様に、先進的な生命保険の開発にあたっています。生命保険会社間で熾烈な開発競争が行われており、今後の展開に注目です。

また、保険の進化に伴いルールの設定など整備が必要になってくるでしょう。より公平でかつ多くの人が加入できる生命保険の開発・販売に期待されています。

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